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(株)リーボ×西福岡中学校「職業ナビゲータープロジェクト⑥」×クリエイティブ教育|出前授業

🐱事業紹介🐱

1. 動画制作のプロによる夢の特別授業が実現!!



職業ナビゲーター第6弾をお届けします!

福岡市立西福岡中学校の1年生が挑戦中の「職業ナビゲータープロジェクト」。自分の「なりたい職業」「気になる職業」の魅力を伝えるために、CM制作に挑戦しています!

前回は、福岡女子商業高校キカクブの皆さまから動画作り&編集のコツを学び、作品のクオリティをアップさせました!

☟前回の授業はこちら☟

また2月7日(金)の発表会に向けて現在は、プレゼン資料作り、発表練習も同時進行で行っています。そして今回…発表会直前の生徒たちのために、超スペシャルな講師が登場しました!

その講師とは、大手企業のCMや大学のPR動画を数多く手掛ける映像制作会社「(株)リーボ」の松尾龍馬代表取締役!!実はこのプロジェクト開始当初から、「プロから直接フィードバックをもらう機会を作れないか」と考えていました。思い切って松尾代表にお願いしたところ、快諾👏

さらに松尾代表は、こう語ってくださいました。
「僕には息子がいて、以前クラスメイトのために動画を作っていたんです。その作品を見たとき、大人には真似できない感性の素晴らしさに圧倒されました。子どもが生み出すものには、独自の視点やエネルギーがあって本当に敵わないと思ったんです」

そんな子どもの可能性を信じる松尾代表だからこそ、この授業は特別なものになりそうです✨

こうして、発表会を1週間後に控えた生徒たちにとって、まさに夢のような「プロによる特別授業」が実現!

一体どんな授業になったのか?ぜひ最後までお読みください!!

☟株式会社リーボ HP☟


2. 映像制作は“ラブレターの代筆家”


雪がちらつくこの冬一番の寒さの中、講堂にはストーブが何台も焚かれていました。

職業ナビゲーターを始めて半年。ふと最初の授業を思い出しました。初回授業は猛暑の中、扇風機が回る講堂でのスタートでした。

生徒たちの表情や姿勢には、確かな成長が感じられます。そんな感慨に浸る中、授業が始まりました。

制服もいつのまにか冬服に。あっという間に半年が経とうとしています。


「みなさん、おはようございます!福岡で映像制作会社を経営している松尾龍馬です。今日は皆さんが作った作品にコメントさせてもらいますが、まずは自己紹介をさせてください。」

松尾さんは、1982年生まれの北九州出身。三人の息子を持つ父親で、長男は中学3年生。西福岡中のサッカー部と試合をしたことがあり、その時はお父さんカメラマンとして写真を撮っていたそうです。

「だから今日、こうして皆さんの前に立っているのが不思議な気持ちです。」と笑顔で話します。

「趣味はスケボーとスニーカー集め、そして料理。スケボーやってる人いる?…いた!今度一緒に滑ろうね!」

親しみやすい語り口に、生徒たちの緊張もほぐれ、自然と笑顔が広がります。

_中学生時代の夢と今の仕事_

「今日は、皆さんが中学生ということで、僕が中学生の頃どんな人間だったかを話そうと思います。実は勉強はあまり真面目にやっていませんでした。その代わり、エレキギターに夢中で、ロックスターになりたいと思っていたんです。毎日ギターを弾きながら、『世界を音楽で感動させたい!』なんて考えていました。」

当時は音楽に没頭していたものの、その経験が今の映像制作の仕事につながっているといいます。

音楽を通じて人の心を動かしたいと思っていた気持ちが、形を変えて映像制作の仕事になりました。当時は将来、映像制作会社をやるなんて思ってもいませんでした。でも、好きなものが形を変えていくことはあるんです。だから皆さんも、今好きなことが将来につながるかもしれませんよ。」

_映像制作の仕事とは?_

「僕の会社は12人の小さなチームですが、市や行政の公式Instagram運営や、博多シティ、九州電力のプロモーション映像などを手掛けています。トヨタの新型プリウスの走行映像が世界で初めて流れた時は、うちの会社が手がけさせてもらいました!またドルビーシネマのプロモーション映像、ゲーム会社レベルファイブの職種紹介動画なども制作しました。福岡の私立高校や大学のプロモーション映像も作っています。」

次々と大画面で流れる動画に、生徒たちは興味深そうに見入っていました。先生方も興奮した様子で映像を眺めています。

「今日は、皆さんが作ったCM作品を2本見せてもらうと聞いています。CMは広告制作の一つですが、単なる映像作りではありません。それは『誰かの思いを伝える仕事』です。」

_広告制作とは「ラブレターの代筆家」_


広告制作とは、“ラブレターの代筆家”のようなものです。例えば、好きな人にラブレターを書きたいけど、どう書けばいいかわからない。そんな時、気持ちをうまく言葉にしてくれる人がいたら助かりますよね。それが広告制作の仕事です。」

「企業やクライアントの想いを代弁し、より多くの人に届くように表現する。だから、広告を作るときは『誰が何を伝えたいのか』をしっかり理解することが大切です。そして、その想いを映像という形でどう伝えるかを考える。さらに、見る人の気持ちを考えることも重要です。」

「皆さんもCM制作を通して、どう思いを伝えるか考えましたよね。これから完成に向けて進んでいくと思いますが、ラブレターの代筆をするということは、その人のことを深く理解しないといけないし、その人が伝えたいことを正しく汲み取る必要があります。“最も伝えたいことは何か”をしっかり考えることが大切です。さらに、伝える相手を理解することで、より心に響く表現が生まれます。」

松尾さんの言葉に、生徒たちの表情が引き締まり、これからの作品発表への期待が高まりました。

3. 職業の魅力を伝えるCM制作とプレゼンテーション


ここからは、壇上に上がっている代表グループの発表にうつりました。

第一グループ:鉄道運転手の魅力


まずはCMが流れます。

「僕たちが注目した職業は鉄道運転手です。幼い頃から鉄道が好きで、鉄道会社に興味を持ち、将来は鉄道に関わる仕事をしたいと思ったのがきっかけです。」

CM制作のきっかけ、鉄道が社会に与える良い影響、制作時の工夫、そして合言葉について説明がありました。

「この発表を通して、鉄道の魅力を伝えることができたでしょうか? これをきっかけに、鉄道に興味を持つ人が増えれば嬉しいです。では、最後にもう一度CMをご覧ください。」

グループの想いを聞いた上で再度CMが流れ、その後、松尾さんのコメントに移りました。

「発表ありがとうございました。とても素晴らしかったです。鉄道好きというテーマが明確で、映像や音が印象的でした。特に、新幹線の音を使っている点が秀逸ですね。あの音だけでJRの鉄道を連想できます。また、コピーワークも抜群です。『繋ぐ』というメッセージが視覚的にも伝わりやすく、とても良いです。好きなことを突き詰めるのは大切なことです。鉄道好きなカメラマンの友人が趣味からプロに転身し、今では九州のトップカメラマンになった例があります。好きなことが職業になる、まさにその通りです。このまま突き進んでください。」

第二グループ:ヘアメイクアップアーティストの魅力


まずはCMが流れました。

「私たちが注目した職業はヘアメイクアップアーティストです。注目した理由は3つあります。1つ目は、私たち自身がヘアメイクに興味があるから。2つ目は、ヘアメイクを通じて差別をなくしたいから。3つ目は、人を美しくすることに情熱を持って努力する人に感動したからです。」

CM制作のきっかけや、ヘアメイクアップアーティストが社会に与える良い影響、制作時の工夫について説明がありました。

「最後まで聞いてくださりありがとうございました。ヘアメイクは社会に良い影響を与えます。これを機に、皆さんもヘアメイクにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。それでは、もう一度CMをご覧ください。」

グループの想いを聞いた上で再度CMが流れ、その後、松尾さんのコメントに移りました。

「素晴らしいCMでした。ポイントは3つあります。1つ目は、ヘアメイクアップアーティストの価値にフォーカスしている点です。『自信をなくした人へ』というメッセージが、メイクの本来の価値を再認識させてくれました。2つ目は、メッセージを1つに絞った点です。美しさだけでなく、『なりたい自分になれる』というテーマに焦点を当て、伝えたいことを明確にしています。3つ目は、映像のカットセレクトです。感情の変化をスムーズに表現し、泣いていた子がメイクをし、最後に笑顔になる過程が素晴らしかったです。技術的にも完成度が高く、CMとしてしっかり成立していました。」

生徒たちから松尾さんへの質問タイム


第一グループ:「動画に足すべき点」について

松尾さんは、鉄道運転士の仕事をより魅力的に伝えるために、運転手の映像や未来を見据えたラストカットを追加することを提案しました。映像とテキストのシンクロも重要なポイントとして挙げられました。

第二グループ:「相手により伝わる言葉をどう選ぶか」について

松尾さんは、ターゲットを明確に想定することの重要性を述べました。特に、自信を持てない人にどのように伝えるかを具体的に考えることで、より洗練された的確な言葉を選べるとアドバイスしました。

先生より:「スライド内容」について

松尾さんは、スライドの内容に大きな修正は不要であり、背景や情報のフォーカスが良かったと評価しました。スライドは補足資料として機能し、職業を選んだ理由やCMで伝えたい魅力を補完する役割を果たしているとのことでした。

最後に、講堂に集まった生徒たちも各グループでCMのターゲットを再確認し、相手意識を持ちながら発表に向けて活発に議論を進めました。

今回のスポットティーチャーのリレーでは、「相手意識」が重要なテーマとして引き続き議論され、各グループがその視点を共有しながら学びを深めていました。

3.好きなことがエネルギーになる!松尾さんが語る仕事の本質


実は、今回の授業では、松尾さんから2組のCMにコメントをいただく予定でした。しかし、松尾さんは事前に52グループ全てのCMをチェックしてくださっており、それぞれが素晴らしい出来で、どれにもコメントをしたいとおっしゃっていました。その中でも特に印象に残った2組のCMがあり、会場では急遽、その2つの動画が同時に上映されました。

その2組は、バスケに関連するCM動画と野球に関連するCM動画でした。

「元々バスケ部だったので、自分と重なる部分が多く、特にコピーワークや文字の出し方が素晴らしいと感じました。実写映像に黒背景で文字を出すことで、視覚的に文字情報がしっかりと入ってきます。また、顔を見せずに努力の部分にフォーカスしたカメラワークも非常に良かった」と評価されました。

続いて、野球のCMに関してもこう語りました。

「同じ音楽を使いながら、バスケの緊迫感とは対照的に、野球の楽しさを新しい方法で伝えていると感じました。音楽の使い方に変化を加えることで、野球の楽しさや、試合中の思わぬエラーが笑顔に繋がるという新しいアプローチが印象的でした」と話されました。

さらに、「この発想はプロでもなかなか思いつかないもので、非常に新鮮で、印象に残りました。」

このコメントを受けて、会場の生徒たちは自分たちのCMと照らし合わせながら、松尾さんの意見に真剣に耳を傾けていました。特に、全ての作品に目を通していたことや、追加で他の2組についてもコメントが増えたことにより、より多くの視点から自分たちの作品を見直すことができたと思います。

松尾さんは最後に、みんなへキャリアに関する大切なメッセージを伝えてくれました。

「みんなが職業について考えたとき、仕事ってどんなイメージがある?大人たちがすごく大変そうに働いていて、土日しか休みがないとか、そんなイメージを持っているかもしれません。でも、仕事にはもちろん社会のために価値を生み出したり、給料を生み出したりもするけど、それだけじゃないんだよね。大切なのは、好きな仕事をすること。好きなことをしていると、自然とエネルギーが湧いてきて、無限に続けられるんだよね。」

「逆に、何かをやらなければならないと思っていると、そのエネルギーは出にくいんです。人間は、好きなことをしていると、自分だけでエネルギーを生み出すことができるんですよ。例えば、バスケや野球、鉄道など、好きなことに夢中になると、時間を忘れてどんどん取り組めます。だから、好きなことに情熱を持つことが大事なんです。」

「将来、何をしたいかがまだ分からないかもしれません。それでいいんです。大谷翔平選手のように、小学校の時からやりたいことが決まっている人もいるかもしれませんが、それが分からないときには、まず『誰と一緒にやりたいか』を考えてみるのが一つの方法です。自分がどんな人たちと一緒にやりたいかを考えることで、やりたいことが見えてくるかもしれません。今回のCM制作でもチームでやることによって新しい発見があったかもしれないよね。やりたいことが見つからないときには、『誰と』や『何をしたいか』を考えてみてください。」

「最後にこれだけは伝えさせて。『学生のうちにしかできないこと』とか、『今のうちに遊んどけ』っていう大人たちもいます。それも間違ってはないけど、大人になった方が楽しめることはたくさんあります。稼いだお金で何かをして楽しむことができるし、新しい友達もできて、いろんな経験ができます。僕は今でも仕事は楽しんでいます!楽しんでいる人は、やらなければならない人たちよりも強いんです。エネルギーが勝手に出てくるから。大変なことももちろんあるけど、大人って楽しいんですよ!

松尾さんは目を輝かせながら、仕事や大人の楽しさを情熱いっぱいに語ってくれました。

このメッセージを、半年間職業ナビゲーターを通してキャリア教育に取り組んできた生徒たちはどのように受け止めたのでしょうか? 仕事に対する考え方が少し変わったかもしれませんし、今後の自分の進むべき道を見つけるヒントになったのではないでしょうか。

全グループの作品を事前に見て授業に臨んでくださったり、短い時間ではありましたが、キャリアに関する話から子どもたちへの温かいコメントやアドバイスまで、たくさんの新しい視点をいただいた松尾さん、本当にありがとうございました👏✨

それでは今回授業を受けた子どもたちや先生の感想を紹介させていただきたいと思います。

子どもたちからの感想✨ほんの一部です!
担任の先生から感想をもらいました✨
今回は校長先生からも感想をいただきました✨ありがとうございます!
松尾代表からも感想をいただきました✨

4. これからのこと


半年間をかけて取り組んできた「職業ナビゲータープロジェクト」

最初に比べると、どのグループのCMの完成度もぐんと上がり、補足説明のスライド作りや発表練習も真剣に取り組んできました。そんな中、映像制作のプロである松尾さんを迎え、特別授業が行われました。いただいた貴重なコメントをもとに、さらに修正を加えていく生徒たちも多いことでしょう。

授業の合間にも「あそこを変えよう!」「これ、削っていいね!」という声があちこちで聞こえてきました。友だちの作品を見て、自発的に改善点を見出し、練り直す姿は、教員時代に目指していた、まさに理想の姿です。

発表会まであと1週間を切りましたが、ラストスパートに向けて、もうひと踏ん張りです!グループで納得のいく作品に仕上げて、発表会に挑んでほしいと思います。

さあ、いよいよ次は『職業ナビゲータープロジェクト発表会』です!発表会の様子も引き続きお届けしますので、ぜひご期待ください😊

この日ずっと壇上にいた代表2組の皆さん!緊張のなか、がんばりましたね✨
授業後、子どもたちのもつ素晴らしい可能性について話が尽きませんでした

発表会はいよいよ今週!最後まで駆け抜けてがんばろう~✨


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