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思いやり溢れる学級に近づけたいときの小話

あるとき、1人の男が天国と地獄を見てみたいと天使に頼みにきました。

「お前の知りたいことを教えよう」と天使は男を連れて行きました。

天国も地獄もどちらもちょうど食事の時間でした。まず男は地獄の食事の様子から見ることにしましたが、なんだか様子が変です。

食事に向かう地獄の者たちの頬は痩せこけ、目はぎらついていて今にも倒れそうな風貌の者ばかりだったのです。

そして机の上にはたくさんのごちそうがのり、湯気を立ててとても美味しそうに並んでいました。しかし一向に食べ物が減る気配が見えなかったのです。

男が不思議に思っていると天使が
「人々をよく見るんだ。」
と言いました。

言葉通りよく見てみると…

一人一人がとてもながーい箸を持っていました。

なんと、この地獄ではながーい箸で食事をしなければならないという決まりがあったのです。

人々はながーい箸で、なんとか食べようとしますが、あまりに長いのでどうしても自分の口にごちそうが届きません。

途中でこぼしては悪態をつき、目をぎらつかせ、隣のやつの手があたってこぼれただの、目の前の箸が突き出して食べられないだの、文句を言うばかりでした。

そうこうしているうちに食事の時間が過ぎてしまい、みんな何も食べられないまま戻っていきました。

次は天国が食事の時間でした。

テーブルにはやっぱりさっきと同じように沢山のご馳走が並び、湯気が立っていて、とてもおいしそうです。

人々の持っている箸もやっぱりさっきと同じようにとてもながーいのです。

ただ地獄の時とは様子が違っていました。

けんかをするわけでもなくそれぞれの目の前に並べられた食事は順調に減って、皆とても満足そうです。

(さて皆さん地獄との違いわかりましたか?)

男に向かってまた天使が
「人々をよく見るんだ。」
と言いました。

よく見てみると…

人々はそれぞれのもっている長い箸を使って、テーブルの向こうの食事を取ると、それをそのまま目の前に座っている人の口に運んでいたのです。

お互いに相手の口に食事を運びあっているので、皆それぞれ十分に食べることができて、満腹してとても幸せな様子なのです。

『天国と地獄』 イラスト「ひげラク画報」さんより

この話の意図はもうわかりましたよね?

天国と地獄2つとも与えられた条件は同じなんです。

その与えられた条件の中で、人はどう過ごすかによって周りの環境が変わるということです。

これは学級におきかえても言えることではないでしょうか?

自分のことばかりしか考えれない子どもたちばかりだと喧嘩や衝突が増え、学級の仲は悪くなるばかりです。

しかし、1人1人が思いやりをもって相手にも接していく子が増えれば学級の仲は確実に変わっていきます。

この話自体はとても有名なのでいろんなところで紹介されていますし、この話は大人にも通じるものだと思っています。私も子どもたちに話す時にも、とてもわかりやすいので大好きな話です✨

「条件はみんな同じ。大切なのは思いやり」

という言葉と共に、さきほどのイラストを掲示させてもらっていました。このイラストがわかりやすいんです!

「思いやりをもって協力し合いましょう。」と言うよりも
「天国と地獄、どちらがいいですか?」
と聞いてみる方が子どもたちの行動が変わってくるかもしれませんね😊

目的に応じて子どもたちに小話や語りをよくしていました🍀

子どもたちは先生の話す雑談が大好きです。
なので雑談と見せかけてでも実は自分の中にはちゃんと目的をもたせて話すことが多かったです😊

ちなみにこの話はほんとおすすめで、よくすることが多かったですね✨
特にケンカが多いクラスだったり、周りのせいにすることが多いクラスだったり、人任せのクラスだったり、そういう学級の時にはこの話をしていました。

なんでもそうですが話してすぐに変化があるわけではありませんので、話をした後も掲示して、たまに紹介したりして、意識や考え方を変えていけるように促しました。

そしてもちろん、思いやりのある行動が見られた時にはおおいに褒め、掲示物を見ながら振り返ったりしていました✨

もし最近子どもたちが自分のことばかり考えているような…、学級の仲がうまくいってないな…などと思われている時にはピッタリの小話かもしれませんね😊


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