文章のコツ 中学生でも分かるように…は古い
よく、文章を書くときに、中学生でも分かるように書くとよいという話を聞きます。難解な表現をしない、複雑な文章構成にしない。そんな感じですね。私も、大人にはそのように指導してきたのですが、中学生の指導中、中学生相手に「中学生でも分かるように」は通用しません(笑)
かといって「小さい子に説明するように」だと、語彙の制限がかかります。小さい子が分からないような難しい言葉を使えなくなってしまうのです。先日も中学生の授業の際、こういったシーンになり、考え込んでしまいました。
語彙のレベルを下げず、言葉の順番を適切に変えたり、分かりやすいように具体例を入れたりする。このことを「『誰が』分かるように」と表現したらよいのでしょうか。中学生に話しているうちに、最近の経験をふと思い出しました。
お年寄りに説明するように
最近、自分の父や母に何かを説明する機会が多いのですが、その際、語彙のレベルを下げる必要はありません。かといって、流行りの言い方を使ったり、ビジネス用語を使ったりすると、別途その説明が必要になり、話が横道にそれてしまいます。なので、お年寄りに説明するようにと構えると、語彙は、ちょうど大人向けの、でも、一般的に理解できないことがないようなレベルに収まります。
加えて、お年寄りに説明する場合、その構成が重要になります。結論ファースト、そこに至った理由は明確に。かつ、要点を見失わないようにする。話をてんこ盛りにしない。また一文は短く、トータルも短く。
これらの工夫が、文章を作る時にとても良いめやすになるのです。