【鑑賞記録】ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 福井公演
こんにちは。Yukaです。
11月10日に、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の福井公演を聴いてきました。
最初の曲はムソルグスキー作曲のオペラ『ホヴァンシチナ』第1幕への前奏曲「モスクワ河の夜明け」です。初めて聴く曲ですが、ロシアの広大な大地をゆったりと流れる川、徐々に明るむ空、鳥のさえずりや教会の鐘とともに、人々の営みが始まろうとしている様子がありありと思い浮かぶ演奏でした。
2曲目はショスタコーヴィチの交響曲第9番です。戦時中から戦後にかけて作られた曲のためか、第2楽章で木管楽器が奏でるメロディーが戦争で犠牲になった人々の嘆きを表しているようでした。第4楽章のファゴットソロも悲痛な感じが伝わってきます。戦勝を祝うかのような行進曲風の楽章やファンファーレもありますが、全体的に軽い印象。祖国の偉大さを称えるような壮大な曲を期待していた政府の機嫌を損ねてしまったというのもよく分かります。当時の政府は気に入らなかったかもしれませんが、私はけっこう好きな曲です。
休憩を挟み、最後の曲はドヴォルジャークの交響曲第7番。この曲を聴くために来たといっても過言ではないぐらい大好きな曲です。第2楽章では甘美な音色が会場を包み込み、第3楽章では独特なリズムを強調するかのようなきびきびとした演奏でした。第4楽章のコーダではmolto maestosoでテンポをぐんと落とすのが定番ですが、今回の演奏ではあまりテンポを緩めることなく、最後の1音まで駆け抜けていきます。しかし、速めのテンポながらニ長調の和音をしっかりと響かせてくれ、壮大な雰囲気で曲を閉じました。
最後に
各楽器が主張すべきところは主張しつつも、うまく溶け合った音は、まるで一つの楽器を奏でているかのよう。安直な言葉ですが、やっぱりウィーン・フィルってすごいんだなと思いました。チケット代は安くありませんでしたが…… 聴きに行って本当に良かったです。