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お勧めのルネッサンス様式の教会
サント・スピリト教会。
先日ご紹介したゴシックのサンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂に対して、こちらはルネッサンス様式です。
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フィレンツェで花開いた様式の教会を堪能するなら、ここはお勧めです。
サント・スピリトはアウグスティヌス会というグループが13世紀に建てました。
キリスト教には多くのグループがあり、都市部で信者を支えるのは
ドメニコ会
フランチェスコ会
アウグスティヌス会
が有名です。どのグループも大体13世紀前半にいろいろな街(当時は国)にやって来ます。
特に、あまり生活が豊かでない人たちを助けるため、彼らが住む中心部から外れたエリアに教会を建てました。そのため、現在でもこれらのグループの教会は街外れにある事が多いです。
今残るサント・スピリトは1444年から1488年の間に建てられたものです。
ここの見所は何と言っても、建築とミケランジェロの作品。
建築はドゥオモのクーポラを手掛けた、フィリッポ•ブルネッレスキが行いました。
中は無駄がなく、広々とした心地よい空間が広がっています。白い壁とグレーの柱や線を基調としたデザインは彼ならではのスタイルで、白いキャンバスにしっかりデッサンをしてから色付けをするフィレンツェ絵画のようだと思います。
両方の壁に沿って檀家さんの祭壇やお墓があるくらいで華美な装飾はありません。空間とそこに入る光の美を楽しむなら、サント•スピリトが一番だと私は思っています。
祭壇はバロック様式なので華やかです。他に飾りがないからこそ魅力が引き立っています。
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ミケランジェロの磔刑像は左手の聖具室に展示されています。帰属に関して論争がありますが、最近はミケランジェロ本人の作だとする声が多いようです。18才くらいだった彼が解剖学の勉強をさせてくれた、サント•スピリト教会の僧に感謝の気持ちを込めて作った作品です。
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正面は1700年代に作り直されています。装飾はなくても曲線を描くデザインは目を引き、クリーム色の壁が青空によく映えます。
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フィレンツェにいらっしゃる際の参考になさってみて下さい。
※聖堂内は現在撮影禁止です。
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