マガジンのカバー画像

フロー理論 アクティビティ高付加価値、楽しさ、満足度とは何か

12
フロー理論をベースにした、アウトドアアクティビティの高付加価値化や満足度について分析したノートです。
運営しているクリエイター

記事一覧

「◯◯が楽しみ!」という時の感情

人が「~~が楽しみ!」という言葉を使う時 キャンプや釣りなど、趣味の世界の物販がなぜ売れるのかという話で。 実際にキャンプにいってなくても、楽しい気がする(キャンプが「楽しみ」という言葉遣いを使う時)時に、やはりフローに入っているのではないか、という仮説。 つまり、一定程度そのアクティビティの経験があった上で、「何か道具がほしい」あるいは「道具を買ってまだ実際に使う前」のとき、「この道具を使ったらどうなるだろうか?」と想像するときに、思考が一定のものごとに集中することに

「気持ち良い」という感情をフロー理論から考える。

(本題の前に、SNSだと情報が埋もれてしまうので、メルマガ始めました。ツアーの満足度やマーケティングに関する情報を発信したいと思います。よければ登録お願いします!登録はこちら https://mailchi.mp/b8af315c327e/homich3wx1 ) ツアーの満足度は様々な要因から成り立っている。分解したい。 ツアーの満足度はフローだけで成り立っているのではない。複数の様々な感情が複雑に絡み合って生まれるものだ。その中核には、フロー理論からなる「楽しさ」の生

アドベンチャートラベルの5つの要素とフロー理論の関係性

アドベンチャートラベルの5つの要素とフロー理論の関係性について アドベンチャートラベルで求められている5つの要素 ・斬新、ユニーク ・自己変革 ・チャレンジ ・健康 ・影響 について、フロー理論との関係性についてまとめてみたい。 フロー理論、特に知的好奇心によるフロー、脳内で完結するフローを発生させるには、下記の図のとおり、参加者の知識量、語彙力、理解力とバランスが取れた内容のツアーを展開する必要がある。 もし、与える情報量が多すぎたり、質が高すぎたり、難しい言葉を使

アドベンチャートラベルの満足度は、内的要因によるフローである可能性

アドベンチャートラベルとよばれる一連のツアーの満足度について、日光のベテランIPガイドさんと話しているうちに、フローの中でも特に内的要因によるフローが満足度の中核にあるのではないだろうか、という仮説を持つようになってきた。 フローのうち、カヤック、ラフティング、バンジージャンプ、パラグライダー、バックカントリースキーなど、外部からうけるなんらかの要素によって、それをコントロールしようとする過程でフローに入るものを「外的要因によるフロー」と呼んでいる。 一方、瞑想、勉強、会

知的好奇心系フローとマンスプレイニングの問題について考える。

相手を見下し、知識をひけらかす「マンスプレイニング」つい先日、出張先の某所で、とある展示の解説員の方に、まさにマンスプレイニングをキメられ、全く自分がフローに入れなかった実体験をした。強烈な経験だったのだが、だからこそ、自分の心理を改めて考え、意識と集中がどう発生するかについて客観的に考えることができ、フローと結びつけるよい機会になった。 知的好奇心を満たすとフローに入れる、ということは最近、少しづつ確信を持ち始めている。つまり意識の集中が起きれば、脳内のマインドをハック(

フロー体験についてのまとめメモ

チクセントミハイのフロー理論を知らない人に向けて、簡単に参考資料をまとめておきます。 チクセントミハイ本人によるTEDこの動画が一番わかりやすいので、まずご覧ください。ゲーム業界におけるフローhttps://lab-brains.as-1.co.jp/enjoy-learn/2023/09/53205/

サム・ハム教授「TORE理論」のEはフロー状態を指すのではないか

フロー理論を学んだあとに、サム・ハム教授のTORE理論を考えるとフロー理論とTORE理論の親和性によく気がつく。 チクセントミハイのフロー理論を表面的に理解しているだけだと、「個人のスキルと挑戦のバランスが均衡した状態が楽しい」というような理解に留まってしまって、サム・ハム教授のTORE理論には結びつかない人がほとんどだと思う。 しかし、フロー状態を深く考えていき、「フロー状態とはつまり、人間個々が持っている思考力(意識)/処理能力を最大限使っており、処理能力が飽和にごく

「誰かのSMOTが誰かのZMOTになる。」マーケティングとフロー理論を合わせるとどうなるかを考える。

アウトドアアクティビティでは、特にサイコグラフィックでセグメントした観光層やリフレッシュ層をターゲットとした場合、対象のアクティビティを人生で初めて体験する/体験した、ということも多いため、消費財と異なり、個々人の過去の経験(使用感など)が、ツアーを決める(選ぶ)判断材料にはなかなかなりにくい。そのため、まず個々人の人生における好き嫌いや興味関心経験などのベースとなる感情群があったうえで、認知フェーズが重なり、予約の土壌が形成された上で、実際の予約トリガーとなる何かが発生する

TORE理論とフロー理論の親和性についての考察 ~意識が専有されるために~

以前、TORE理論のEは、フロー状態ではないか、という記事を書いた。意外と多くの方から反応いただき、特にインタープリテーションをご専門にされている方からもその可能性について前向きな反応を頂いた。 このインタープリテーションにおけるTORE理論のEが、チクセントミハイのいう「フロー状態」を指すのではないか、という考え方を前提にして、なぜTORE理論とフロー理論の親和性が高いか、TOREからフロー状態にいれるには、どういう工夫が必要なのかについて明らかにしていきたい。 知的好

フロー状態になると、なぜ時間感覚がずれるのか ~ヒトは時間をどのように知覚しているのか~

フロー状態という、初めて聞く人にはなんだかよくわからない言葉も「楽しくてあっという間に時間が過ぎ去った経験」とか「気がついたら終わっていたという経験」というような言葉に置き換えると、大体の人が「ああ、そういうことは人生で何回かあったな」と気がついてくれたりする。 時間感覚が早くなったり遅くなったりするということが、一般的な「感覚」としてフロー状態に入ったか、入ってないかを理解する大きな要素であることは間違い無いように思う。 では、なぜフロー状態になると時間感覚がずれるのか

アウトドア(体験)ツアーにおけるフロー理論(ラフティングにおけるフローの概念)

この記事が「フロー理論 アウトドア」で検索すると一番上に来ているので、加筆訂正することにしました。アウトドアガイドやインストラクターはもちろん、街歩きガイドやアドベンチャーツアーのスルーガイド、アドベンチャーガイドの方々も、ツアーの楽しさの本質の一部がフローで成り立っていることを知っていただくと、今後のツアーにも大いに生きてくることと思います。 フロー理論に関連した講座、セミナー、アドバイスなど、最近高評価をいただいております。特に所属ガイド全員に対するフロー理論の講習によ

¥500〜
割引あり

フロー理論から考える「ガイドに求められるスキル」の本質

ラフティングにおけるフロー理論の援用については、先日書いたとおり。で、ラフティングガイドに求められる究極のスキルについてちょっと考えたので、メモ。 顧客が楽しい/満足した/充実していたと感じる心理的な状態はフローで説明できる、ということは以前説明したとおり。お客様が「楽しさ」にお金を払っていると仮定するなら(逆説的に「楽しくない」ツアーにお金を払うとはなかなか考えにくい)、ガイドの役割はお客様をフロー状態にいれること、となる。 顧客がフローにはいるためには、そもそも顧客の