詩「冬に溺れる」
過去の答え合わせをするような 失った時間
の夢を見る 私は泣いているような顔で い
つもそのまま一人ずつ遠ざかり 自らの足で
線を跨いで 一両編成のブリキのおもちゃの
ような電車に 一人ずつ轢かれていく 汽笛
がなるその度に だ
故郷が嫌い。
失恋のような秋の風に手を振って 三年前の
犬小屋の薄い太陽を見て思い出す ここ最近
人肌の温度を感じられなくなってきたのは
季節が巡るからではなく 私の冬がもうすぐ
来るからだろうか 雪は嫌いだ 凍えるよう
な 血を固めてしまうような 寒い夜の深々
とした月明かりの下が嫌いだ
…。
寝転んで
見上げて
それでいい
少しずつ
視界の外へと
飛び出そうとする
月の残光に
過去が追ってくる
冬が近づいてくる
寒い
寒い
ここはあまりにも寒い
星屑の光が薄く伸ばされて 真実が見えなく
なる 私は問う 私に問う 私は答えない
答えられない 雪が降りそうだ 雲が光を遮
って いつもそうだ 汽笛が鳴る 月夜に鳴
く鳥の声と 轢かれていった人たちの声が響
く
……私は冬に溺れ死ぬ。
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