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「自分にセクハラをしないでください」

今から20年ぐらい前に
上司に言われた言葉である

いまだに忘れられない言葉
そして
いまだにこの言葉の正解がみつからない

その上司は
持病もあり早期定年を選択した

退職日から逆算した7日間

7つの遺言を
係の朝礼で伝えてくれた

係のメンバー10名が上司を囲む


低い小さい声で
「今日の遺言・・・」と始まる朝礼

7つの遺言で
今でも覚えているのが
この言葉

「自分にセクハラをしないでください」

上司が退職する日に
この言葉の意味は…と尋ねたが

ニコッと笑って
「あなたなら、できるよ」と一言だけ

女性だから・・・子供がいるから・・・と
道を狭めるな
やりたい事を諦めるな
という
意味であると捉えているが

本当に伝えたかったのは・・・と
ふとした時に考える

あれから20年経ち
その時の上司ぐらいの年齢になっている私

そして私の名刺には
「女性活躍推進担当」と入っている

女性キャリアの研修企画
ワーママ達の集いなどで
大勢の前で話す機会は多い

ただし
正解がみつけられない
「自分にセクハラをしないでください」
の言葉を口にしたことはない


「フェア」であれ
「プロフェッショナル」になれという言葉が
後ろに隠れているような気がするが

自信を持って口にすることは
まだできない

今の時代にあう言葉かもわからない

あの時
この言葉をくれた元上司は

「役席者」としての私の姿をみていない

「女性活躍推進担当」という
仕事をしていることも知らない

年賀状のやり取りも数年前に終わっている

お元気ですか?

私は
いまだに

あの時の遺言の答えを探し続けています


#心に残る上司の言葉

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