自己嫌悪に沈む
私はすぐ調子に乗る。それはそれは簡単に乗ることができる。きっと波乗りだったらぶっちぎり優勝。そのくらい簡単に乗れる。
最近、得意なことを見せびらかして調子に乗ってると思う。
嫌な奴だ。
誰にも得意なことがあると思う。
得意とは? 誰かが普段使わない力を使ってやっとこさやり遂げられることをなんてことなくできてしまうこと。息を吸うように成し遂げられるなにか。夢中になっているから気づいたらできているなにか。
好きこそものの上手なれという言葉がある。自分が好きでやってることでも、他者にとってはいわゆる努力をする必要があること。「すごい!頑張りましたね!」と誰かから言われて、いやいやこれは私が好きでやっていて!むしろ私が私の機嫌をとるためにおこなっていたその行為の先にあるものなのです!と心のなかでとなえてしまうなにか。つまり頑張らなくてもできること。これは間違いなく得意なことだ。きっと大事にした方がいい。
でも、
でも私は最近、得意なことの扱い方を間違っている気がする。
調子に乗る。調子に乗ると反省を忘れる。振り返りが霞む。
言葉を交わしたあの人の心を、今日私は尊重できていただろうか。大事にしたいと抱きしめている腕がいつもより貧弱になる。すり抜け落ちてゆく。気づけば腕の中から消えている。その瞬間が怖い。