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【74カ国め】スリランカ・タイ3泊7日ひとり旅のながなが日記

2024年4月、スリランカ・タイを3泊7日でひとり旅してきた。

スリランカは初訪問で、74カ国めになる。タイはこれまで10回ほど入国している大好きな国だ。

4月で就職10周年を迎えたこともあり、今回の旅のテーマは「自分にぜいたくを許して感性を磨く旅」。

この記事では、3泊7日の日記を殴り書きする。最初にことわっておくと、7,000字ある。肉親でも途中で放り出しそうなくらい長い。

今回の旅のスケジュール&目的

会社員なので、限りある有給休暇を使って旅をしている。

今回の旅程は機内泊3回、ホテル泊3回の3泊7日。体力に自信がある。

DAY1:退勤後、深夜便でスリランカへ
DAY2:スリランカ着、シーギリヤへ移動
DAY3:シーギリヤのホテルを満喫
DAY4:シーギリヤ→空港へ移動、深夜便でバンコクへ
DAY5:バンコク着、カフェめぐり、友人と水かけ祭りに参加
DAY6:水かけ祭りに参加、深夜便で東京へ
DAY7:早朝に東京着、出勤

なお、それぞれの国での目的は次のとおり。

🇱🇰スリランカ(2泊3日)

・シーギリヤロックにのぼる
・アーユルヴェーダのプチ体験
・ヘリタンスカンダラマに宿泊

🇹🇭タイ(1泊2日)

・旅友と合流してソンクラン(水かけ祭り)
・ザスタンダードバンコクマハナコーンに宿泊

【DAY1】2024/04/09(火)羽田→スリランカ

仕事を終えて日付が変わるころ、羽田発の飛行機に乗る日。

お昼休みにやっとパッキングする。ありがたき在宅勤務!

昨年のヨーロッパ旅で、自宅から空港へ向かう途中に人身事故が3つも発生し、訪日旅行客をナンパしてタクシーシェアさせてもらったことを苦々しく思い出しつつ、羽田空港へ。今回も人身事故に遭遇しながらも、離陸3時間前に空港着。

一難去ってまた一難、それが旅。チェックインカウンターで手荷物重量が1kgオーバーしていることを知らされる(荷物は絶対に絶対に機内持ち込み派)。汗が噴き出たが、無事に切り抜けた。

クアラルンプール空港

搭乗までの間、川上未映子さんの『おめかしの引力』を読みながら待つ。自分のみすぼらしい服装と川上さんのめくるめく消費のコントラストといったら。

23:50羽田空港発、クアラルンプールでトランジット。

【DAY2】2024/04/10(水)空港→シーギリヤ移動

09:10にスリランカのコロンボ着。  

スリランカには絶景で有名な「紅茶列車」がある。心惹かれるローカルバスもある。

でも今回はたった3日間の旅なので、バスと電車ではまわりきれない。あきらめてタクシーチャーターを予約しておいた。

アライバルを出た瞬間、私のネームプレートを持った方を見つけて大きく手を振る。

毎度のことながら、空港を出る瞬間の「旅がはじまったぞ!」感にときめく。いつもはここに大きな不安と緊張が加わるが、今回はドライバーさんがいるので怖くない。まずはシーギリヤロックへ!

10:30に空港を出て、14:00にシーギリヤのホテル「岩見荘」に到着。日本人漫画家さんが経営する宿で、宿泊客は日本人ばかりかと思ったが、そうでもなさそう。

長いドライブだったけど、ドライバーさんが「これはココナッツの木で、そっちはシナモン」「お正月だから、ATMに長い列ができてるね」などとほどよく話しかけてくれたし、安心してうとうとしていたため、思ったよりあっという間。

宿のロビーに上がったとたん、目の前にシーギリヤロックが見えて「え」と声が出る。ウェルカムドリンクとして出してもらった紅茶がおいしい。私、スリランカに来たんだ。

宿からの眺め

ひと休みした後、ひとりでシーギリヤロックにのぼるつもりだったが、暗くなると野生のゾウが出没してたいへん危険とのことで、素直にガイドさんをお願いする。

ガイドさんのおすすめに従い、以下のようなプランに。今回の旅では時間と経験をお金で買うぞ。

今日:サンセットスポット→アーユルヴェーダ体験
明日:シーギリヤロックに登り、サンライズを見る

サンセットまで余裕があったため、日本から持参したクリーム玄米ブランを食べたのち、宿のまわりを散策。ジャングルだ。野犬が多く、猿もいたので、怖くなってすぐに引き返した。

17時になると、ガイドさんのバイクに乗せてもらい、いろいろなフォトスポットを経由してサンセットスポットへ。数々の映えスポットを台無しにする自分のだささに感動を覚える。  

それに私は「自分が写っている写真を撮ること」にいっさい興味がない。ガイドさんにそう伝えると、残念そうな顔をしていた。期待に添えなくてすみません。

1.5時間ほどアーユルヴェーダを受ける。

丹念な全身マッサージののち、シロダーラという、額の「第三の目」にオイルを垂らされる体験。10分ほどぴちゃん……ぴちゃん……とオイルを垂らされ続けて悟りを開くかと思ったし、仕事を辞めてアーユルヴェーダ修業の旅に出る自分を想像した。

終了後のツーショット

宿から徒歩1分のサロンだったけれど、ゾウが出るため、ガイドさんが迎えに来てくれる。明日は早起きなのですぐに寝ないと……と思いながらも、目が冴えて真夜中すぎまで起きていた。

【DAY3】2024/04/11(木)ヘリタンスカンダラマ探検

5時にガイドさんと待ち合わせ。バイクでシーギリヤロックに連れていってもらい、まだ暗い敷地内を歩いていく。

シーギリヤロックでは、王さまが数百人の美女を囲っていたらしい。話題が話題なので仕方ないのかもしれないが、ガイドさんの説明に下ネタが増えてきて辟易。聞き取りやすい英語が裏目に出ているぞ。

1,000以上の階段をのぼると聞いて怯えていたものの、日ごろの筋トレの甲斐あってか楽勝だった。階段には犬と猿がいる。ここで暮らすのはどんな気持ちだろう。

岩見荘に戻ると、母親世代の日本人ふたりがおしゃべりしている。挨拶をすると「隣へどうぞ」と言ってもらえたので、この後の予定などを話す。

彼女らはそれぞれひとり旅だそうで、そのうちのひとり、Aさんとこの後2日間の旅程がまったく同じだと判明。それなら明日、私のタクシーに同乗しませんか?と提案した。

チェックアウトし、泊まりたかったバワ建築のホテル「ヘリタンスカンダラマ」へ移動、チェックイン。あまりにうつくしい空間で、半日で写真を1,000枚くらい撮った。

Aさんと合流し、「タクシー同乗のお礼に」とハイティーをご馳走になる。テラスでいただいていたら、猿がサモサを盗んでいった。

ヘリタンスカンダラマは自然と共生しているホテルで、あるべき場所に壁やガラスがない。結果として、常に猿から逃げまわることとなった。

壁もガラスもないが岩はある廊下

ときめきとインプット過多で、なかなか寝つけない夜を過ごす。

気分が高揚してムーンライト伝説とマツケンサンバIIをリピート再生。スリランカの森の中で聴く曲ではない。

【DAY4】2024/04/12(金)シーギリヤ→空港移動

旅先ではいつも、日の出にあわせて起床する。今日も6時前に起きて、猿を避けつつ館内やガーデンを歩き回った。いくら写真を撮っても足りない。だれに見せるわけでもないけれど。

#nofilter

07:30のオープンと同時に朝食へ。これまた美しい空間に感動していると、Aさんがやってきたのでご一緒した。あまり食べられなかったけれど、目の前で焼いてくれた「アッパー(スリランカのクレープのようなもの)」がおいしかった。

ここにはガラスがあった

館内探検を続け、11:00にチェックアウトしてAさんとタクシーに乗り込む。3時間ほどかけて古都キャンディへ。

途中、ドライバーさんが「Nalanda Gedige」とダンブッラの「Golden Temple」に寄ってくれる。前者では裸足になり、熱い土のうえを歩いた。ここで見た仏像がなんとも神々しく、名状しがたい気持ちになる。

後者はびっくりするようなデザインで、胸が高鳴りすぎて倒れるかと思ったが、Aさんの手前なんとかこらえた。

ドライバーさんが「いい男」という意味の現地語を教えてくれたので、Aさんと何度も唱えて覚える。だが今後の使いどころがない。

たくさんの宗教が共存している

古都キャンディはひと回りして写真を撮るだけになった。急いでコロンボに向かう。

キャンディ

だんだん街並みがシティっぽくなり、17:30ころAさんの泊まるホテルに到着。

たった2日間だったけど、母娘のように過ごさせてもらい、気づけば顔見知りの猫が亡くなったことまで話していた。「次は日本で会いましょう」と約束し、ハグをして別れる。

にぎやかな音に顔を上げると、インド洋を背に列車が走っている。この列車にも乗りたかった。

さあ空港へ。スリランカはお正月の前日。私を送り届けた後、ドライバーさんは3時間ほどかけて家族のもとへ帰るという。心からのお礼を伝えた。

素敵ホテルにチェックインしたAさんより「インド洋を眺めながらベッドでゆっくりしています」と連絡が来て、格差に愕然とする。私は長蛇のチェックイン列に並び、ひとりもそもそとクリーム玄米ブランを食べているんです。

飛行機で隣の席になった方に「あの、日本人ですか?」と日本語で話しかけられた。サーフィンが趣味で、リタイア後、いろいろな国で波に乗っているらしい。

てっきりバンコクへは(私と同じく)水かけ祭りのために行かれるのだと思ったら、単なるトランジットとのこと。

「都内からですか?」と聞かれたので私も聞き返したら、「顔を見たらわかるでしょ?沖縄ですよ!」と言われて笑う。たしかに心惹かれるなまりがある。「女性ひとり旅ですか、かっこいいなあ」とおだてられて気分が良い。

23:15コロンボ発、バンコクへ。

【DAY5】2024/04/13(土)バンコク着

4:15ドンムアン空港着。うちなんちゅと、旅の写真を送りあうことを約束し、連絡先を交換して別れた。

ゆっくり身支度をして電車が動き出すのを待ち、市内へ向かう。

2012年の世界一周もどきの後半では、バンコクを拠点にしていた。とても親しみのある街だ。

といっても、その後は新卒2年目のときの褒賞旅行で来たきり、9年ぶり!何を見ても新鮮に懐かしくて、胸がきゅんとする。水かけ祭り初日、早くも水をかけられそうになった。

ホテル「ザ・スタンダード・バンコク・マハナコーン」にチェックイン。ロビーの時点ですでに素敵だし、ほかには誰もいないしで、レセプションスタッフさんに「とりあえず数百枚ほど写真を撮っていいですか?」と言って笑われる。半分冗談のつもりだったが、あとで写真フォルダを見ると本当に数百枚撮っていた。

写真があまり得意ではなく、この劇的なかわいさが伝わらない。合流する予定の旅友がプロのフォトグラファー&デザイナーなので「カメラマン急募!早く来て!」と連絡。日本からの飛行機が遅れているようなので、のんびり待とう。

お部屋の準備がまだなので、大きな荷物だけ預かってもらってWat Mangkon駅のチャイナタウンへ。「ロントウカフェ」で朝ごはん。器も内装もかわいい。中華街っていつも心をときめかせてくれる。

このエリアには素敵なお店がたくさんあるが、お正月だからかチェックしていたカフェが閉まっていた。次に行きたいカフェのオープンまでスタバで待つ。

海外でのスタバネームは「ピカチュウ」。一発で聞き取ってもらえるし、笑ってもらえてうれしくなるから。

しばらく待ち、オープンと同時に、泊まりたかった(けどもっと泊まりたいホテルができたのでやめた)ホテル「The Mustang Blu」のカフェへ。

写真映えする空間で、若人たちがさかんに撮影会をしており、その様子を眺めながらお茶を飲む。接客が素敵で心がゆるんだ。

カフェ~ルンピニ公園~ホテルと散歩したかったが、あまりの暑さに断念して電車でホテルへ戻る。

帰り道、水かけ祭りがかなり盛り上がっており、高架からしばらく見物。みなさんあまりに楽しそうで、12年前に参加した水かけ祭りを思い出したり、「戦争なんて辞めちまえ」と思ったりして、涙が出てきた。

ホテルのレセプションで「さきほど荷物を預かってもらったYuiです」と言おうとしたら、目が合った瞬間に「Welcome back!」とカギを渡してくれた。プロの仕事に感動。

部屋でのんびり過ごしていると、合流予定の旅友たちから「バンコク到着、チェックインを済ませたのでそちらに向かう」と連絡が。

センスのいいふたりがホテルの写真をたくさん撮ってくれた。これまたプロの仕事に感動。

私の写真も撮ってくれて、「私ってもしかしてかわいい?」と勘違いさせてもらった。

photos by Keisuke Shingu

旅友ふたりと夕ごはんを食べに行く。「スリランカから来たんでしょ、カレーでいいの?」と言われつつ、どうしても食べたかったプーパッポンカリーに付き合ってもらった。いままで旅で食べたもので一番おいしいレベル!

12年前の水かけ祭りで出会ったふたり。この12年で2、3回しか会ってないけど、会うたびに一瞬であの頃に戻れる。変わらない、でも常に進化しているふたりが大好き。今回の旅に誘ってくれてありがとう。

photo by Yuki Nogami

帰り道、満を持して水かけ祭りに参加。ただ水をかけあうだけなのに、どうしてこんなに楽しいんだろう。

自分たちのホテルに帰るふたりを見送り、無料チケットがあったので78Fのルーフトップバーで夜景を眺める。これがおとなのバンコクの過ごし方だ。12年前の私よ、どうだ、驚いたか!

【DAY6】2024/04/14(日)バンコクで祭り

おしゃれ朝食を満喫していると、旅友たちから屋台で朝食をとっている写真が送られてきた。こちらも写真を送る。

12年前、ゲストハウスで出会ったときとは、お互いすこしずつ価値観が変わっている。でもその違いがまた楽しい。

おしゃれホテル泊をいじられ続けた

12:00にホテルをチェックアウト。今日はカオサン通り(バンコクの安宿街)で水かけ祭りに参加して、夕方に空港へ向かうつもり。びしょ濡れになるので、シャワーを浴びたり荷物を置いたりするためにドミトリーを確保した。

ドミトリーまでは電車とバスで。配車アプリを使ってもいいけど、ひさしぶりにバスに乗りたい。

20分ほど待ってバスが来て、「この停留所に行きますか?」と聞こうとスマホに目を落としたら、その瞬間にバスの中から水をかけられた。思わず「うわ!」と叫ぶと、車内の乗客全員が爆笑。タイのこういうところが好きなんだよ。

検札係の方が「あなたが降りるのはここだよ」と声をかけてくれる。地図アプリによるともう1駅先だったけど、素直に降りる。懐かしい眺め。バンコクは渋滞がひどくて、よくこのあたりでバスを降りて、宿まで歩いてたな。

ドミトリーに到着。男女混合ドミなんていつぶりだろう?

のんびりしていると、「明日は日本に行くんだ」と話している人がいる。つい話しかけて、「日本で困ったことがあったら言ってね」と連絡先を交換。順調に大阪のおばちゃんに近づいている自分が誇らしい。

旅友ふたりはすでにカオサン通りで水かけ祭りに参加している様子。私も行きます~と言ったが、すごい人出で、会えるわけもなかった。ひとりでゆるっと楽しみ、宿に戻りシャワーを浴びて荷づくり。

モザイクするのが残念なほど笑顔

「もう満足したから空港に向かう、ありがとう」とふたりに連絡したら、「見送りに行くよ」と言ってくれた。バックパッカーが泊まる日本人宿には「見送り」という文化があり、次の街や国に行く人を毎日のように見送り、見送られていたっけ。懐かしい。

狭いドミでのパッキング

空港行きのバス停で合流し、写真を撮ったりして過ごす。20分に1本、空港直通のバスがあるということだったが、待てど暮らせど来ない。時間はたっぷりあるので待つ。

……とはいえ1時間が経ち、さすがにふたりに申し訳なかったので、配車予約。「配車を待ってるうちにバスが来たら最高におもしろいな」と言いあっていたら本当に来た。最高だ。

配車に相当時間がかかりそうだったこともあり、すぐキャンセルさせてもらい、バスに駆け寄って「乗ります!」とアピール。バスの窓からふたりに手を振った。市内から空港へのバスでは、いつも切ない気持ちになる。

私  photo by Yuki Nogami

出発4時間前にスワンナプーム空港着、最後のクリーム玄米ブランを食べてのんびり過ごす。あと、海外で必ず飲みたくなるヨーグルト飲料も。

チェックインが始まったとたん、カウンターが激込み。

前に並んでいた方に「東京行きの列で合ってますよね?」と聞いたことから会話が始まる。ラオス出身のご家族だった。

「12年前、ルアンパバーンとバンビエン、ビエンチャン、コーン島とコーング島に行きましたよ」などと話して、東京の観光スポットについて話したり、「ぱにゃにゃんだー」の正確な発音を教えてもらったり。連絡先を交換して別れた。

セキュリティチェックを抜けると、もう搭乗の1時間前。夫と同僚にお土産を買い、自分用にジムトンプソンのエコバッグを購入して搭乗した。はじめて乗ったZIPAIRが非常に快適で、つい会社概要を調べる。

ジムトンプソンのエコバッグ

【DAY7】2024/04/15(月)帰宅、仕事

06:45に成田空港着。

12時まで時間休を取っていたけど、飛行機が早く着いたので、10時から自宅で勤務開始。家に帰ってわずか数十分で会議に出ている自分がなんだか笑えた。快く送り出し、迎えてくださる会社のみなさんに感謝しています。

夫はいつも、私が海外から帰ると「おかえり」ではなく「ひさしぶり」と言ってくれる。この「ひさしぶり」を聞くと、帰って来たなと思う。

今回の旅を終えて、大きな心境の変化があった。社会人11年目の春。りっぱでまともなおとなとして、腹をくくって生きていくぞ。

▼心境の変化について、帰国翌日に書いたnote

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