人を動かすのって、結局『優しさ』では?
HSPかな?と思ったのは2年ほど前だったと思う。わたしは意地っ張りでプライドの高い頑固者なので、この気質を「人より劣っている」とは思わなかったけれど。HSPにかかわる本はいくつか見たけれど、「ラクになれる」とか「自分を好きになる」とか「明日から変わる」とか、ちょっとわたしには違うかなっていうものばかりだった。
なんにせよわたしは自分のことは好きだ。もっと自分やそれに近い人の気質を知りたいとは思ったけど、自分を変えたいとか、ラクに生きたいとか思ってなかった。なんでわたしが変わらなきゃいけないのさ。愛すべき性質なのに。ラクなんかしたくないもん、せっかく持っているこのいとおしい繊細さを捨てろっていうのかい。
そして手に取ったのがこの本『鈍感な世界に生きる敏感な人たち/イルセ・サン 著』。最初に読むならこの本がいいだろうって直感的に思った自分を褒めたい。本当に。これは本当にやさしい本。こんなに優しい本、なかなかないだろう。
とにかく、超優しい。
HSPの特徴について詳細をここで書くのはやめておくけど、やっぱり敏感・繊細・傷つきやすいっていうのは外せないと思う。敏感・繊細はまだ愛しようのある性質だけど、傷つきやすいのはちょっと考えものだ。そしてその傷つきやすさは、完璧主義からきている。完璧主義は、どうやら自尊心が低いことからきているみたい。グサグサ。そうだったか……(思い当たるふししかない)。自尊心高いと思ってたけど、たしかに完璧主義で、それで自分の価値を担保しようとしてた。完璧じゃなくても、いつも全力で頑張っているという積み立てをして安心してた。まあ、自分が安心するためのの行動をとるのはテーマにはあっているんだけどね。そうやって自分を追いつめていると、やっぱり優しくされたいんですよね…。初っ端から出てくる、「そもそもHSPは行動の質がいいから量やらなくたっていい」。これは本当に泣けるやつでした。「質は量からくる」っていう言葉に納得させられて(変な意味ではなく)、それでも自分の納得できるものしか出したくないからぐぬぬってなっていたんだけど、これはほっとした。もっとも、わたしが言っていることがピンとこない人たちは「質は量からくる」にほっとさせられていると思うし、この言葉も充分優しい言葉なのだ、本来。それを超越して己に業を背負わせているのがHSPだからさ。超傷つきやすいし超ものを穿った見方ばかりしているわたしでも、この本を通してそんな気持ちになることは一度もなかった。どんなボールでもひねくれて打ち返す(最悪だなこれ)わたしがそう思うくらい、それくらいきめ細かいやさしさが詰まっていた。配慮のミルクレープや。(何)
傷つきやすさのもとにあるものの正体
そもそもなんでそんなに傷つくのかって話だけれど、怒りがかたちを変えているらしい。でもそもそも怒りは悲しみがかたちを変えてるんだよね。わたしは傷つくことは悲しみとつながっていると思ってたから、はっとさせられた。これに気づくことができるとなにが素敵かというと、怒っている人を見たときに傷つかずにすむと思った。わたし、自分はそんなに怒られるようなことはしないから、人に怒られることはほとんどないんだけど。誰かがわたしじゃない誰かに怒っているのを見るとすごく動揺してしまう。でも怒っている人は、何かに悲しんでいるんだね。それを怒りで表現することを今まで心の中で責めていたけど、これからは怒っている人がなにに悲しんでいるのかを掬ってみようって思った。それが、自分が不用意に傷つかないためにもなるよね。
頑固者の鎧を脱ぐとき
HSPのくせに、自分が大好きとか言ってのけるプライド高い頑固者(わたし)は、とことんまでやさしく寄り添ってもらえないと自分を変えようってならない。相手を全面信頼してはじめて、鎧を脱ぐ。そう、いつでも後ろから刺されないように気を張ってる、めったに人を攻撃しないくせにね。そもそも全幅の信頼をおくことなんてほとんどない。考えを変えることはあっても、生き様を変えることなんてないだろうと思ってたけど、ここまで理解しようとして、寄り添って、優しくて、配慮してくれていると感じたら、変えてみようと思うんだな。わたしのようなひねくれものは、納得して、安心したら、変わろうと思うんだ。。
やめられなかった「べき思考」
「べき思考をやめる」これはHSPにかぎらずよく言われることだけど、やめられなかった。でも確かに、「べき思考」でいると不用意に傷つきまくる。「なんで自分のことばかり考えるの」「どうして一生懸命できないの」とか、自分のものさしに人をあてはめてイライラしてしまうのも、人の行いに自分が傷ついているからだ。「だったらよかったのにな」って置き換えるのがいいみたい、こうやって具体例を出してもらえたらやりやすいかも。すぐに謎の正義に縛られてしまうから。GW明けたらさっそく試してみよう。
自分を他人と同じように見たらいいだけ
自分を思わず責めてしまったとき、他の人にだったらなんて声をかけるか考える。これは目からうろこがきらきらと落ちた。すぐにできる発想転換。読むカウンセリング。すごい。すごいよ……。わたし、人によく相談されるから、できごとをいろんな切り口から見てなるべく優しい言葉を探すけど(そもそもわたしに言ってくる相手で厳しい言葉をかけるべきなタイプはあんまりいないし、厳しい言葉が人を良く変えるってあんまり信じてない)、なぜそれが自分にはできなかったんだろうね。言い訳っぽく感じてたのかもしれない。自分を守るためじゃなくて、人に優しくいるためって思ったら、思考パターンは変えやすい。いやだ、わたしってどこまで優しいんだろう(?)
解放とまでは言わないけれど、未来がたのしみ
結論から言えば、もしかしたら私が拒絶していた「ラクになれる」とか「自分を好きになる」とか「明日から変わる」みたいな本と同じ指南が書かれていたのかもしれない。やっぱり切り口の違いって大事だなと思う。わたしの場合は、「自分を知りましょう」って言ってもらえたら、素直に読むんだから。そして、変わろうとすらするんだから。だから同じテーマでいろんな人が述べることに大きな意味があるし、救われたい人がつかみたい藁があるようにしなくちゃね。
生きづらさは、もう正直かかってこいって感じなんだけど、もっと人に優しくできるようにはなりたいから、自分にも優しくしようって思えた。自粛明けのわたしはのびのびしているんだろうか? ちょっとたのしみだ。
それに紐づいて、新しいことも思い立った。『メンタルヘルス・マネジメント検定』の勉強をしようかなと。書いておかないとサボるかもしれないから忘れないように書く! 会社で役に立つかもしれないし。メンター的な立ち位置をやってみたいという話はしたことがあって、言ったからにはなにか行動もしてみたい。わたしは今、3週間の在宅勤務ののちの12連休中なのだけど、長期休暇中になんかやる気になるなんて、めずらしい(笑)。在宅ならではのストレスももちろんあるんだけど、いつもよりは気楽なんだろうなあ。。
自分がなんのためなら頑張れるか、って気づくのってすごい発見だ。ちなみに、HSPは怒りが内側に向きやすいので、アルコール摂取に気を付けたほうがいいらしい。在宅になった瞬間から月1程度だったお酒が週3になってるわたし、ゾクゾクしちゃうぜ!
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