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元気でいろとは言わないが、日常は案外面白い

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作家による日記風エッセイ
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2023年5月の記事一覧

伝えたい事は少ないと思った。でもずっと同じだった

届けていられたら 現実というのは不条理の連続で出来ていると思う。世の中の不安や悩みの9割がお金で解決できるのと同じように、結局豊かな生活の前で努力は塵に等しいと歩いてきて気づいた。 初期ステータスとは言いたくなかったけれど、この世界にはどうしたって初期ステータスが存在する。それも、各々違う。生まれてくる家も育つ環境も選べない。そこに文句を言う気もないけれど、親ガチャという言葉は秀逸である。 ちなみにこの親ガチャ、母と話してた時に子ガチャ失敗したって言われたらどうすんねん

泥だらけの靴が美しい理由も今なら分かる

等身大とちょっとの背伸び 背伸びをしたくなる。子供の頃からよく見られたくて背伸びをした。少しでもよく見られたら、もう少しだけ視線を向けてもらえるのではないかと思った。 どうしようもないちっぽけな自分が少しでも背伸びをしたら、誰かに褒めてもらえると勘違いしてした背伸びは確実に人生を絞め殺した。 結果、いつだって背伸びの状態が常になり大事な物を沢山取り零した。 ふと我に返る瞬間がある。人生最後の一瞬に何を思い出すだろうかと考える。今の私が積み上げてきた歴史の全てが走馬灯で一

青い春が一瞬だと気づいたのはダイヤモンドの輝きを知ってしまったからだ

好きな人がいた。一生に一度の恋だと思った。そんな時期をほとんどの人間が通り過ぎてきた。 大人になるにつれ時間が過ぎるのが早くなった。当時と同じ時間を過ごしているはずなのに何故だか一瞬で過ぎ去っていく。 いつの間にか、一人暮らしを始めて一年が経った。あっという間の一年で振り返ってみても、本当に一年が経ったのか分からないくらいだった。でも間違いなく一年は過ぎ去っている。 子供の頃、一日が長かった。早く終わらないかなと思っていたし一週間が、一ヶ月がとても長く感じた。けれど長期

有言実行が出来る人間の元に奇跡は生み出される

小さな約束を立てて生きている 日常の些細な事に、小さな約束を立てて生きている。今日はゴミを捨てるとか、料理をする、掃除機をかける、今日は何をする。本当に小さな約束ごとを決める。 それはある種の義務でもあって、生来の怠慢さに尻を叩くための物でもあっる。 夏休みの宿題はいつやっていた?早めに終わらせて後の時間を遊んだか、毎日スケジュールを決めてやっていた?それとも最後の三日で終わらせた? 私は紛れもなく最後の三日で終わらせていた人間である。何なら中学に上がると各教科で提出

薔薇とあまおうのマティーニを週一で飲む生活でありたい

時間は待ってくれない事を悟る 当たり前だけど時間は過ぎる。一分一秒、文字を綴る瞬間でさえ全てが過去になる。未来には生きられない。いつだって世界は不確定だ。 それでも思い返す記憶があるのなら、懐かしみ共有した一瞬があるのなら、それはこれまで頑張って生きてきたからこそ訪れた今だと思う。 ホテルのバーで大学時代好きだったカクテルを久し振りに飲んだ。機会が無くなり飲まなくなって久しいそれを口にした時、あの頃を思い出した。 友人と様々なバーに渡り歩いた時間は確かに私にとっての財