君が死んだ一年前と同じ、残酷なほど美しく、綺麗な夜だった。
空に打ち上がった花を憶えている。
海面は鏡のように反射し、一瞬の輝きを映しては消え灰が降り注ぐ。空に上がる抜けた空気の音、全身に響き渡り心臓さえも脅かすほどの爆発。咲いては消えを繰り返す夏の風物詩を見る人々は皆スマートフォンを手に一瞬を収める事へ躍起になっていた。
どうせ見返さないくせに。画面を通して空を見る人々を横目にそう思った。所詮SNSにあげるだけの映像。自慢、虚栄心、承認欲求に優劣。インターネットがある世の中が当たり前になって、多くの人の生活を覗き見る事が可能とな