見出し画像

つらい腰痛、重要なのは「体幹」のあの力かも!~研究論文を手がかりにして~

腰痛

つらいですよね。

自分も、これまでの人生で何度か苦しんだことがあります。
どれもつらかったですが、とりわけ印象的だったのは、10代の頃でしょうか。

当時は、それこそ毎日のように「部活動」をしていました。
べつだん強豪校というわけではありませんが。

今思えば、蓄積した疲労が原因だったのだと思います。
グラウンドの土も非常に硬かったですし。

しかも当時は、「疲労管理」なんて発想はどこにもありませんでした。

だんだん腰の痛みがしんどくなって、しまいには歩くのもやっと、というような状態が続きました。

ただ、その時は運が良かったというか、あるいは若さゆえなのか、なんだかよく分からないうちに痛みが「消えて」いました。

あのつらい日々はいったい何だったのか。

腰というのはいわゆるコア、体幹です。

腕と脚という、人体でもっとも可動性のある部位どうしを「繋いで」いる場所。

ここが痛いと、もう何をするにもつらい。

スポーツはおろか、歩くのだってしんどい。
もっとひどくなると、ただ座っていたり、寝ているだけでもつらい。

しかも困ったことに、腰痛というのは原因がはっきりしない場合が多いということ。

なんでも、腰痛の80~85%は原因が不明で、しかもその大半は「心因性」だという説もあるのだとか。

心因性って、要は「気のせい」ってことですよね。

痛みで、夜も眠れない人もいるというのに……
人間の身体って本当に不思議です。

こんな論文ありました


そんな腰痛の軽減に役立ちそうな論文がありましたので、紹介しましょう。2016年、エジプトのギザ大学による研究です。

ちなみに論文の記載によると、主著者の方の職位は「Assistant Professor」とありました。
日本の大学制度だと、現在では「助教」と呼ばれるポジションに相当するようです。

ただし、厳密には各国の大学制度は一律に同じではありませんが。

それでちょっと思い出したのが、最近国内でわりと有名な日本人の方で、アメリカの著名な私立大学で「助教授」をしている、という方がいます。

特徴的なメガネがトレードマークで、一時はテレビでもちらほら見かけたり。

その方は「社会的意思決定アルゴリズムをデータ駆動にデザインする手法」を研究されているのだとか。

いわゆる「データサイエンティスト」と呼ばれる方ですね。

どうやら、その方の大学でのポジションも、同じAssistant Professorのようなのです。

ところが、ご本人はあくまでも「助教授」を名乗っている様子。

この「助教授」というのは、かつては日本に存在した職位なのですが、現在ではそう呼ばれていません。
かわりに「准教授」と呼ばれています。

(他のアジアの漢字文化圏だと「副教授」だとか)

「准」というのは、意味あいは「準」とほぼ同じです。
どちらも訓読みだと「なぞらえる」です。

欧米でいうと、こちらは「Assosiate Professor」という職位に相当するようですね。

でも、その方は「Assosiate Professor」ではないので、少なくとも「准教授」ではありません。
そうなると、そのかつての名称である「助教授」を名乗るのも、ちょっと違うような気もします。

まあ、「Assistant Professor」の訳語そのものとしては、「助教授」の方がより適切な気もしますが。

「助教」って、何か妙に中途半端な名称ですよね。

もしかすると、北米だと「Assistant Professor」はいわゆるテニュア、つまり「終身在職権」をもつことが多いそうなので、任期制であることが多い日本の助教とは扱いが違うんだぞ、という意図なのかも知れません。

色々とややこしいですね。

すいません、だいぶ話が脱線しました。
本題に戻りましょう。

研究内容


このギザ大の研究では、55人の男子大学生アスリートが集められました。

サッカー、バスケットボール、ハンドボール、バレーボールなど、様々な種目の人たちです。

どことなく、腰痛になりやすそうな種目が目立ちますね。
平均すると、

年齢:21.5歳(±2.54)
体重:70.96㎏(±5.33)
身長:174.38㎝(±4.37)

(±の数字は全て標準偏差)

といった年齢と体格です。
日本人と、さほど変わらなさそうですね。

このうちの、30人がいわゆる「腰痛もち」のアスリートです。

といっても、「特定の脊椎の疾患」や「感染症」、「腫瘍」、「骨粗鬆症」、「馬尾症候群」といった、原因が明確に特定できる腰痛は除外されています。

「non specific low back pain」、つまり「はっきりした原因が不明の、いわゆる腰痛」の人が対象です。

ちなみに、本研究における「腰痛もち」の条件は、

  • 3か月以上痛みがあること

  •  prone instability testで陽性であること

です。

「 prone instability test」というのは、「腹臥位腰椎不安定テスト」と訳されることが多いようです。

簡単にいうと、うつぶせ(腹臥位)で腰椎を圧迫して、痛みや不具合をチェックするテストのようですね。

テスト中、脚を浮かせた状態にする必要もあるようで、腰痛もちの人にはこのテスト自体がけっこうな苦痛かも知れません。

さてこうしてLow Back Painのある/なし、つまり腰痛もちの人(with LBP)とそうでない人(without LBP)とを集め、1回のセッションでテストを行ってもらいました。

行ったのは、

ここから先は

2,971字 / 4画像

¥ 100

期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?