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ICL/眼内コンタクトレンズ手術を受けた話(手術当日編)

はじめに

 この度、ICL(眼内コンタクトレンズ)の手術を受けてきましたので、備忘録として残していきたいと思います。誰かのお役に立つことができれば幸いです。
 ※この記事ではICLの施術内容について詳しく解説はしていません。もしその部分を知りたい方は眼科がやっているような専門的なサイトをご覧ください。
 またこの記事は2つ目となっております。その1を見たいからは下記からどうぞ。

 何を隠そう、これまで超健康優良児として生きてきたワタクシ。骨折や入院の経験がなく、親知らずを抜いたことを除けば人生初の手術です。とにかく緊張しており、ずーっとソワソワドキドキしていました。
 体感であまりにも鼓動が早いので試しにAppleWatchで心拍数を計測してみたところ、115くらいでした。平常時70−80くらいなことを考えるとどれだけ緊張していたかお分かりいただけるでしょうか。
 また気持ちを紛らわせるため、ずっとウマ娘のテーマ曲を歌ってました。「ドーキドキドキドキドキ……君の愛馬がァ! ズキュンドキュンハァ緊張するー!」という感じです。……このおかげで(?)この曲を聴くと手術日当日の朝の光景を思い出すことになってしまいました。南無三
 また、しばらく入浴ができなくなるとのことでしたので、優雅にのんびり入浴して一時的に気を紛らわせるなどしていました。

手術直前

お着替え&待機

 11:30に眼科へ来てください、と言われていたので15分前くらいに眼科へ。
 今回お世話になる眼科では午前診と午後診の間の時間に手術を行っています。そのため、まだ待合室には午前診で来られた他の患者さんが何名かいらっしゃる状態。ちなみにですが手術予定の人たちは全員青い手術着を着させられるので一目瞭然。「私今から手術しますねん」感がめっちゃ出ます。
 そこからまたウマ娘テーマ曲を脳内でエンドレスリピートしつつガクブルしていました。

夫の付き添いは無し

 自宅と病院は徒歩5分の距離ですが、ちょっとビビってたので念のため夫には帰りに迎えにきてほしいとお願いしました。このために休み取ってくれました。ありがたや
 付き添いは可能だと言われていたんですが、術前・術後の待ち時間がかなり長そうだったのでそれを伝えたところ「5分で着くし手術終わったらすぐ行くから連絡して」と言われ、私が逆の立場でも同じこと言ってるので快く了承。だって待ってるだけなら家にいたほうが好きなことできるし。なんてドライで効率的な我が家……

ほっこり父娘

 ガクブルしながら待機してると、じーっと隣から視線が……。ちらっと見ると、0歳くらいのぷくぷくベイビーの女の子がじっと私を見ていました。髪の毛がふっさふさでお父さんがあやすとふわふわ髪の毛も揺れてベリーキュート。
 あまりの熱視線にひらひら手を振ると、抱っこしていたお父さんが苦笑しながら「すみません…手術着が珍しいみたいで…」とぺこり。
「めっちゃ可愛い〜泣かずにお利口さんですね」
「ありがとうございます。寝ぐずりがあるくらいで本当に手がかからなくて…」
 お分かりいただける通りこちらのお父さん、娘さんのことを溺愛されているようで、ニコニコデレデレしながらたくさん娘さんのことを話してくれて非常に癒されました。
「今日手術なんですか?」「はい、ICLです」と話していると、診察を受けていたお母さんがお会計を終えて帰ってこられました。ご夫婦から「頑張ってください!」と言っていただけて、キョトン顔のプリティベイビーにじっと見つめられ、なんとか精神状態を持ち直すことができました。
 おそらくここは見ていないとは思いますが、あの時のご家族様、緊張しすぎて口から心臓がまろび出そうだった私を救っていただきありがとうございました。
 また「僕の毛根全部娘に取られちゃって!」のボケに対してどう返すのが正しかったのか、教えていただけると幸いです。

バームクーヘン事件

 赤ちゃん可愛かったな〜とほっこりしながら待っていると看護師さんに声をかけられ、
「朝ごはん食べられましたか?」
「いいえ(緊張してそれどころじゃなかった)」
「早めのお昼ご飯は?」
「いいえ…あれ、食べないとダメなんでしたっけ?!」
「胃に何か入ってないと手術後の飲み薬で気持ち悪くなるかも…ってお伝えしてたはず…」
 と会話してパニック。ひたすら「すみません」と謝りながらどうしよ…と考えてたら、看護師さんが「これ食べて」と明らかに私物っぽい個包装のバームクーヘンとクッキーを持ってきてくれました。
 もそもそ食べながら「口の中の水分全部なくなるな…この辺って自販機あったっけ…」と考えていたら受付のお姉さんが紙コップに入れたお茶を持ってきてくれました。本当に…いい歳して申し訳ないです……ありがとうございました……(※今この事件を思い出したので、次眼科へ行くときにお菓子の詰め合わせを持っていこうと思います)
 ちなみに同日、一緒に手術を受けるのは私含めて4人。私が何も食べてなかったせいで、他のお三方は私がバームクーヘンを食べ終わるのを待たなければ行けなくなってしまいました。
 私以外の3人は白内障手術のマダムだったのですが、バームクーヘンをもさもさ食べてるところを「ゆっくりでいいのよ」「喉詰まらせないようにね」「緊張するわよねえ」と微笑ましく見守られて非常に居た堪れなかったです。お待たせしてすみません……

手術

まさかのトップバッター

 手術前後は「手術待機室」みたいな部屋で待機する、という感じだったので「他の人が手術してる間に精神統一しよう」と考えていたんですが、まさかの私がトップバッターでした。ICLは術後の待ち時間が長いので大体トップバッターだそうです。先に言って……

手術室

 というわけでいざ手術室へ。
懐メロがBGMで割と大きめに流れているのが第一印象。第二印象以降は考える暇もなくあれよあれよという間に手術が始まってしまいました。ちなみにしんどかった時、BGMに集中すると気が紛れたので非常に有り難かったです。

めっちゃ光眩しい

 手術台へ寝転がると「この光見ておいてね。視線動かしちゃダメよ」と言われる大変眩しい光があるんですが、想定の三倍くらい眩しかったです。まじで何も見えないくらい。
 基本的にこの光のせいで何をされているかほとんど見えなかったです。

洗浄

 手術は右目をやってから左目、というふうに片方ずつ行われました。
 まずは右目の周りを清潔にするため、ハケみたいなブラシみたいなもので洗浄されます。私が非常に肌が弱い+敏感肌なのが原因なのか分かりませんが、まー痛かったです。

レンズ挿入(?)

 さあここからが本番。麻酔を点眼されているので痛くない……と思っていましたがなんか痛いんですよね。前述の通り眩しすぎて何をされているのかは把握できないんですが圧迫されている時に痛くなるような…。
 ちょっと記憶が曖昧なんですが、先生が「虹彩圧迫されると痛いみたいやね。20人に1人くらいいるんよね〜」と言ってました。どうせ5%を引くならガチャにしてくれ……
 ちなみにですがあまりの痛さに次第に獣のような呼吸になっていきました。うるさいとは分かってたんですがそうしないと痛みを逃がせなかったです。
 先生の「レンズ入ったよーこれで大丈夫」の言葉に一気に力が抜けました。

縫合(?)

 前回の記事でちらっと言っていたんですが、「乱視がこれ以上ひどくならないように糸で止める手術」も同時に行います。
 これがめちゃくちゃ怖かったんですがなぜかと言うと……なんともう既にレンズが放っているため見えているんです。そう、近づいてくる針と糸らしきものが。内心「ヒエ」と思いながらなんとか耐えました。
 あとこれも結構痛かったです。じんわり刺されてる感覚はありました。

右が終わったので左もやる

 お気づきでしょうか。まだ右目だけなんです。と言うわけで、少し時間をおいて左目もやります。
 右目と左目の間に体感で5分ほどの待ち時間(レンズを組み立てる時間?らしい)があったんですが、まじで怖すぎて「ここで手術やめてくださいって言って帰ろうかな…いやでも右目だけ見えるようになったら逆に不便か…」と真剣に考えるくらい逃げ出したかったです。
 先ほどの恐怖があともう一回あると思うと怖すぎました。

なんとか終了

 そんなこんなで両目ともに無事終了。体感時間でトータル1時間半くらいあったような気がしていたんですが、後から聞いたところ私が手術室に入っていた時間は40分くらい。実手術時間は「右目8分、左目6分」だったそうです。
 うそやろ工藤………

手術後、眼科にて

待合室

 両目に眼帯を貼られたまま、看護師さんに両手を持たれながらよちよちと術前に座っていた待機室まで案内されます。眼圧が下がるのを待つため、1時間ほど待機する必要があります。つまり何も見えないまま1時間待機です。
 この時点で、私の体は緊張が解けたのか汗が冷えたのか、自分でもびっくりするくらいプルプル震え続けていました。頭の中を占めていたのが「怖かった……」です。
 そしてこの時点で「夫に付き添いして貰えばよかった…」と後悔していました。「何も見えない状態で1時間めっちゃ暇やん」というのもあったんですが、体験したことのない恐怖に精神を支配されていたので一刻も早く安心したかったんだと思います。
 人間追い詰められると本性が分かるとは言いますが、私の場合は精神的にかなり夫を頼りにしているということが改めて分かりました。

軽く診察

 他の3人のマダムたちも無事手術を終え、サクッと帰っていくのを聴覚だけで感じながら待つこと1時間。ついに眼帯が取られる瞬間が来ました。
 ………見える、見えるぞ……!!!!!!!!!!
 眼鏡もコンタクトもしていないのに、見える。光は眩しいしちょっとぼやけてるけど、見える…!感動でした。
 眼圧チェックののち、1日の過ごし方の注意や目薬の説明を受け、帰ることに。持参するよう言われていたサングラスを着用。ここから数日間は目を保護するため、常にサングラスを着用する必要があります。
 夫に連絡し、迎えに来てもらって無事帰宅しました。「手術どうやった?」「ごわがっだ」のやり取りでお察しください。なお、夫はそんな私を見て爆笑していました。そういうとこやぞ。

帰宅後

光に敏感

 もしかして私、知らん間に吸血鬼になった? っていうくらい光に敏感に。カーテンを閉め、電気も保安灯じゃないとしんどいくらいでした。遮光カーテンでよかった……
 テレビ、スマホ、PCの画面なんてもっての他。とにかく暗い部屋で目を瞑っているのが最優先でしたので、YouTubeで中田敦彦と岡田斗司夫をサウンドオンリーでひたすら流していました。お二人とも本当にありがとう……

SST

 切ったりレンズ入れたり縫ったりしたので当たり前なんですが、とにかくめちゃくちゃ目がしょぼしょぼしていました。
 その中でもたまーに「SST(スーパーしょぼしょぼタイム/命名私)」があって、突然やってくる上に一度始まるとしばらく目を開けられなくなってしまいます。SSTが始まった時は「このまま目を開けられなくなったらどうしよう…」とう不安に襲われるほどでした。

とにかく寝る

 一刻も早く手術の傷を癒すため、とにかく寝ることに専念しました。幸いお昼寝は大得意なのでひたすら寝て過ごしました。

さいごに

 そんなこんなで、手術当日が終わりました。
 もちろん個人差はあると思うんですが、しばらくの間はもし私の人生で何かあっても「ICLの手術よりマシ」と考えて乗り越えられるレベルには怖かったです。

余談

 夫が付き添いに来ていた場合、ガラス越しで私の手術の様子を見ることができたらしいのですが、帰宅後それを伝えたところ「それなら付き添えばよかった〜言ってよ〜」と言われました。ほんまそういうとこやぞ

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