ICL/眼内コンタクトレンズ手術やってみた(決意〜手術前日編)
はじめに
この度、ICL(眼内コンタクトレンズ)の手術を受けることにしました。備忘録として残していきたいと思います。誰かのお役に立つことができれば幸いです。
※この記事ではICLの施術内容について詳しく解説はしていません。もしその部分を知りたい方は眼科がやっているような専門的なサイトをご覧ください。
前提
30代前半女性、視力は0.01以下。エンジニアという職業柄、一日中ずーっとパソコンを見ている+趣味がゲームという全く目を労れない(労わる気のない)状態なので、常に目薬を手放せないスーパードライアイ。
眼鏡の度数がキツく、お目目がしじみのようなつぶらな瞳になってしまうのが嫌で、ピチピチJKだった16歳頃から外出時は常にコンタクト着用。
大阪まで電車で数十分〜1時間くらいの郊外に住んでいます。
視力の悪さに不便を感じていたこと
コンタクト張り付き問題
社会人になり、ある程度お給料がもらえるようになってからは酸素透過率の高いちょっといいお値段がするコンタクトを使用していましたが、夕方ごろになるとどうしても眼球とコンタクトが張り付いてしまうのがとても不愉快。「コンタクトを取る→目薬をレンズに落とす→再装着」という潤い補給作業を発明(?)しましたが、その度に目周りのメイクが多少崩れてしまうことに悩んでいました。
化粧0 or100問題
美容が好きなので、化粧をするのは好きです。……が、10cm先がうすぼんやり見えないレベルの視力なので、裸眼では化粧ができません。眼鏡をかければ眉毛を書くことは可能ですが、アイメイクやベースメイクはコンタクトの装着が必須となります。
これが実に不便で、「コンタクト+フルメイク」か「眼鏡+どすっぴん」の選択肢しかありません。これに一番困っているのがリモートワーク中のミーティングやちょっと近所にお買い物の時。普段メイクをする方には分かっていただけると思うんですが、「眼鏡+軽いメイク」くらいがちょうど良いテンションの時ってありますよね……?
つまり私は0(眼鏡+どすっぴん)か100(コンタクト+フルメイク)しか選択肢がなく、40(眼鏡+軽いメイク)が選べないのです。もちろん70(コンタクト+軽いメイク)は選べますが、コンタクトを装着すればもう感覚的には一緒なのでフルメイクまでしてしまった方がいいんですよね。お分かりいただけるでしょうかこの微妙なニュアンス。
災害時の不安
もし大きな地震や火災に巻き込まれた時、とっさに眼鏡を忘れてしまうとほとんど何も見えない状態となります。眼鏡が破損しても同じです。
これ、改めて考えるとちょっと怖いなと思っています。もちろん眼鏡を第一に必ず持っていかないといけないことは百も承知なんですが。
ICLを受けることを決意するまでの葛藤
数年間、二の足を踏む
元々ICLの存在は知っていましたが、デメリット(老眼になったらレンズを取り出す必要がある、そこそこ高額)があることや、「目の手術」を想像するとシンプルに怖かったのでやるかやらないかをウロウロと悩んでいました。
また数年前までは奨学金の返済が残っていたので「やるなら返済終わってからかな……」とそれっぽい理由をつけて手術怖さに二の足を踏んでいるような状態でした。
ふと相談
知人に「ICLの手術をやるかどうか悩んでいる」と話したところ、「今が一番若いんやで」と言われました。「それもそうやな……よし、やるかァ!」と思い立ち、その次の日には病院へ行きました。
数年の葛藤は一体何だったのか、思い立ったら即行動の猪突猛進タイプです。
病院探し
梅田周辺にはICLの経験豊富な病院が多く、職場が大阪市内で行き慣れていることもあり、当初は梅田で探すつもりでした。……が。どうやら調べたところ、術前に度数を決めるための検査2回+術後に定期的に通う必要があることが分かりました。「わざわざ検査のためだけに梅田まで行くのめんどくせぇな……」と言うことで、家の近所で探すことにしました。
ICLをやっている近場の病院を探したところ、なんと徒歩5分圏内に2箇所ありました。すぐ電話して2つの病院へお話を聞きに行くことにしました。
どちらの病院にも「ICL手術を受けたいと考えており、2つの病院どちらでお世話になるか決めかねています。お暇なタイミングで良いのでお話を伺えないでしょうか?」と正直に打診。どちらの病院も「いつでも来てください!」と快諾していただきました。先生方にはお忙しい中に対応いただいて感謝です。
病院A
数年前に新しくできた病院。駅ビル内にあって院内はとても綺麗。料金は60万円(乱視レンズの場合は料金UP)。先生は穏やかな方で説明も丁寧、ここにお願いしようかなーとも思ったのですが
ICLを数ヶ月前に始めたばかり
モニター(30%off)は先月で定員オーバーで締切、現在は通常価格
というところがどうしても引っかかってしまい、今回はお断りすることにしました。先月だったら「ラッキー!」とお願いしたかも知れませんが「直前で締切」というところになんとなくご縁のなさを感じた次第です。エンジニアのくせに言語化できないものを信じるタイプです。
病院B
数十年運営されている昔ながらの病院。レーシック・白内障手術の評判が良く、手術経験も豊富。そして料金はまさかの45万円(乱視レンズの場合は料金UP)。しかも術前・術後の検査込みで、その後の通院や目薬代なんかも全部まるまる45万円に含まれています。明朗会計すぎてとても安心しました。
先生はベテランのナイスミドルのおじ様。診察室へ案内された時「なんでも聞いていいよ! 正直に全部言うから!」とニッコニコでした。
先生に「ICLの手術代って病院によって差がありますが使っているレンズが違うんですか?」と聞いたところ、「いや日本は99.9%同じメーカーのレンズ。自由診療やから単純に手術代としてやろうなあ」とのこと。「なんでこんな安いんですか?」「うち利益考えてへんから昔から全く値上げしてへんねん」のやり取りに笑っちゃいました。
他にも気になることを色々お伺いしたんですが、全部お答えいただきました。もうこの時点で先生のことが好きになってたので「あ、もうこの先生にお願いしよ」と思いました。フィーリングって大事。その場で「よろしくお願いしまァす!」と決定しました。
適性検査1回目
お話聞いてそのまま視力検査
なんと「この後時間ある?」からのそのままの流れで適性検査を受けることになりました。早くやっていしまいたかったので感謝。
適性検査では視力や眼圧などを測り、「ICL手術を受けることができるか」と「どのレンズを発注するか」を決めるそうです。
検査士の方が視力や眼圧、その他諸々を1−2時間くらいかけて検査してくれました。良い匂いのする綺麗なお姉さんでした。そして私の視力がとても低いことが改めて分かりました。後ちょびっと乱視があるみたいです。
眼底検査
そうして検査が終わり、最後に先生が直接眼底検査。真っ暗な部屋でめちゃくちゃ眩しいライトを見ながら上、右上、右……と言われるがままに眼球を動かしながらじっと待つこと数分。
先生が「うーん……この間とんでもない網膜剥離見てもうたからなあ…」とお悩みのご様子。えっ何ですか怖い……。続いて聞いたのは、まさかの昨日、私と同じくらい視力の悪い患者さんがICLを受けるタイミングで「網膜剥離」が起こってしまい、手術ができなくなってしまったとのこと。
しばらく悩んだ後「これは提案なんやけど、無料でいいから念のためレーザー治療せん?」と。一体何が起こっているのか分かりませんがここは漢気を見せねばと思い「任せます! 先生がやった方が良いとおっしゃるならやります!」とハキハキ答えました。この時点で網膜剥離とは一体何なのか、レーザー治療とは何なのか分かっていませんでしたが、まあ手術の時に一緒にやるんかなーくらいに思ってました。
そんな私の考えも虚しく、「よし今からやろか! 時間大丈夫?」「大丈夫です!」………エッッッ???!!!?!?!
レーザー手術
後先考えず勢いよく「やります」と言ったのは自分なので、今更「今から何されるんですか?」なんてことは言えません。内心ビビり散らかしてますが、30代の大人の女性の余裕で平常心をなんとか保っていました。長女じゃなければ耐えられなかったと思います。(※私が変な意地を張ってしまい平然とした態度を取ってしまっただけで、質問すれば丁寧に説明してくれていたと思います。念のため補足。)
先生が「網膜が薄い箇所をレーザーで焼いて補強するねん」と言っていましたが、その時点で理解が及んでいなかったので頭の中のちいかわが「殺される……ってコト?!」とぴるぴるしていました。
訳のわからないまま上階へ案内され、視力検査で気球を見るアレ(伝われ)と似た機械の前に着席。顎と額を置いた瞬間、綺麗な検査士のお姉さんがそっと私の後頭部に手を当て……アレッ固定されてる?!
先生が「はーいここから見える光見といてね」で開始。まばゆい光が光り、消え、を繰り返していたので「もう一回眼球見てるのかな……」と思ってのんびりしていたんですが、光るたびに目の奥を針で刺されているような痛みが強くなっていることに気付きました。「アッ今これもうレーザーで焼かれてる?!」と思考が至った時には背中は冷や汗びっちゃり。時折休憩しながらやってくれたんですが、体験したことの無い痛さから現実逃避するため「拷問されてる人ってこんな気持ちなんかな……」と考えていたら口に出てました。先生が「笑かさんといて!」と笑っていたので気付きました。そのくらい必死で耐えてました。長女じゃなければ(略)
そんなこんなで「ICLの話を聞きに行ったら適性検査が始まり網膜をレーザーで焼いた」という怒涛の1日が幕を閉じました。
適性検査2回目
諸々検査
1回目と同様に視力や眼圧を検査。私が通っている病院では人による偏りを防ぐため、必ず1回目と2回目では検査士を変更して行なっているようで、1回目とは別の綺麗な検査士のお姉さんに担当していただきました。
同様に1−2時間ほどの時間をかけて検査が終了。続いてドッキドキの眼底検査です。
眼底検査
前回「足りてなさそうやったら次の検査の時に追加でやろか」と言われていたので心臓バックバクでしたが、問題なさそうだったので恐怖のレーザー手術からは逃れることができました。やったぜ。
通常レンズor乱視レンズ
1回目、2回目と検査したところ、乱視がそこそこあることが判明。ここで選ばなければいけないのが「通常レンズ」と「乱視レンズ」どちらにするのかです。乱視レンズは仕組みとして目の中でレンズを回転させることで乱視を矯正する仕組みらしいです。どちらにするか皆目検討もつかなかったので「先生はどっちが良いと思いますか?」と聞くと「僕は通常レンズの方が手術がシンプルで好きやなあ」とのお話でした。正直で好き。
先生はうーんとしばらく悩み、「提案なんやけど、通常レンズにしてこれ以上乱視が酷くならないように糸で止める手術も合わせてする? もちろん手術代は無料でいいよ」と言いました。1回目の検査の時に利益は考えてない発言があったと思うんですが、それにしても大盤振る舞いすぎん……? 断る理由もないので承諾し、そんな感じでお願いすることにしました。
ここでみなさんお分かりかと思いますが、レーザー手術の時から全く成長していません。でも先生が「手術時間が5分伸びるだけやで」と言っていたので多分きっと恐らくメイビー大丈夫でしょう。
手術日決定
レンズを発注してから3週間〜1ヶ月半で到着、とのことだったので少し先の日程で手術日を設定。手術前に点眼する目薬などをもらってその日は帰宅しました。
手術日・翌日は仕事を休む必要がありましたが、職場の方々は快くOKしてくれました。感謝。
手術前2−3週間
明確に「何日前から」と聞いたのかを忘れてしまったので、手術前の2−3週間はコンタクトを付けずに生活しました。
もちろん職場にも行かなくてはいけませんので、お察しの通り0状態のどすっぴん+眼鏡です。悪あがきとしてばっちり眉毛だけ綺麗に描きました。この経験でもう何も怖くない心理になることができました。
手術2日前〜前日
目薬を4種類処方されており、1日5回3種類を点眼、最後の1つは寝る前に1回点眼。
元々目薬を手放せないタイプだったのでここは問題なし。ただし鼻の奥の方に特有の苦さが残るのでちょっぴり苦手でした。
さいごに
そんなこんなで怒涛の手術日前日までの模様をお届けしました。実はまさに今日(2023年4月17日)が手術日の前日でございます。続きは術後、落ち着いてからアップします〜!
今更手術に対してちょっぴりビビっているので、気を紛らわすためにこのnoteを書いているのは内緒にしておこうと思います。
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