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パリのキッチンで、あん肝アペロを。

先週の水曜日のこと。

寝ぼけ眼でOtto氏の残したヌテラのダイニングじゃなかったダイイングメッセージを発見し、朝っぱらからクレープを20枚ほど鬼焼きした私。

すでに疲れてソファでぼーっと魂が抜けていたところに、イヌ科ヒト属の俺が、まじでブレーキランプ5回点滅「K・K・漏・れ・る」のサイン。こりゃ放っておくと未来予想図がヤバめなのでささっとヒト・俺ともに着替えてダッシュで外に出た。

天気もよかったので、エッフェル塔方面に向かって少し歩いてみることに。
夏仕様に仕立てたノースリーブシャツでてくてくと。

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これ適当にアレンジした自作シャツの中でもかなりのお気に入り。
今年はノースリーブスでいこうぜ俺。


水曜日は、メトロ6番線の高架下で規模の大きなマルシェが開催されている。数日後に北国に向かうことが判明していたので、余計なものは買うなとこっぴどくOtto氏に言われていたけれど、そんなの関係ねえ(いや大あり)。せっかく外に出たんだ、覗いてみよう。


・・・で、こんなときに限って、なければつくればいいのよ精神がうずくブツに出会ってしまうサガ。もう神様なんとかして、アーメン。

ブツの正体は、Foie de lotte。アンコウの肝、すなわちあん肝である。

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しかもキロ約7ユーロ!眼球飛び出る価格。デイリーワイン1本とアン肝1キロ、どっちをとるか!?ファイナルアンサーどっちも取れちゃう価格設定である。


酒飲みの好物、あん肝。好物とかいいつつ、マイあん肝といえば月島ほていさんのあんこう鍋か、日本酒にまみれていた時代に通いまくった酒処たちで日本酒のアテで出てくるのをいただいていたくらいだ。

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ほていさんのあんこう鍋、いつみてもそそる。


魚屋前を3往復くらいして悩んだ末、ユイじょり水産の新たな一品として迎え入れることに決めた。家でなんてつくったことがないがゆえに、なければ作りたい血が騒いで仕方なかったのだ。


痛風なんて怖くないと豪語しておきながら、麻酔なし痛いのは御免なビビりなので、ここは控えめに2かたまりくらい買ってみた。400gちょい。なかなかご立派な肝臓である。脂肪肝かな。

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帰宅後、シャケフレークTKGを食べながらいくつか自作あん肝を紹介されている方々のページやyoutubeをみてみたが、このページが一番良さそうに感じた。痛風を患うプロの方が、尿酸値低い方におすすめする、絶対失敗しない痛風の敵、あん肝


昼食後、準備万端。
ドクターY、今日は肝臓のオペ入ります。

まずはメス。血をしっかり取って、薄皮を慎重に剥がす。臭みが出ないためにはここが重要らしいので、丁寧に。

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血と薄皮を取り除いたら、水を張ったボウルに入れて冷蔵庫で一晩おく。

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一晩あけたら水気を切って、塩をすりこむ。

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そういえば明太子を自作したとき、魚卵に塩を振って置くときはザルにのせたりして出てくる水分と身が触れないようにするのがよいとプロの先生に教えてもらった。ありがたやありがたや。

ってことで、水分に触れない工夫をして40分くらい置いたのち、身を綺麗に水で洗い流す。

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今日は2本できるかな。高性能なニッポンのサランラップでまきまきして、キャンディのように両端を縛る。

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これ、過去に何度かみたことあるな。イカのすり身クネルでも巴里ばな奈でもやってたやつだ。

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さらにアルミホイルで巻いたら、パスタ茹でるようの大鍋を蒸し器に仕立てて、蓋をして40分くらい放置。

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40分蒸したら、蒸し器からあげて、アルミホイルをきつく巻き上げてそのまま冷ます。
この時点でおやつの時間。間食はしないタチなので、晩酌まで我慢我慢。


3時間ほど経過。
夕飯を作り始めるにあたり、あん肝ちゃんたちの様子を伺うことにした。

ラップを外した様子がこんな感じ。ちゃんと固まってるぅ!

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あん肝、入刀〜。

なんと美しいオレンジでしょう!

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ここで気づいたのだが、私ったらあん肝本体のことしか考えておらず、おともにマストなポン酢もなければもみじおろしもなければネギっぽいものもない。極め付けは日本酒がない。料理酒しかない。私としたことが!オーマイガー。

もみじおろしは大根があったからどうにかしよう。ポン酢についてはしょうゆとライムでポン酢にみせかけてみるか。日本酒の代わりはどうにもならないので、ビール!

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片手にビール。キッチンでズッキーニくり抜きながら、試食という名の本食。

普通にお店で出てくるあん肝なんですけど。

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一度に食べすぎると危険な気がするので、3切れだけいただいて残りは冷凍。
パリに帰ったらちまちまと頂こう。アレンジしたい候補もいくつかある。


いやはや、なければつくればいいのよシリーズの中でも、今回はかなり本物に寄せられた。
日本酒がないことを心から悔いた。


キッチンでチビチビあん肝アペロが似合う、正真正銘のおっさんなのだな、私は。ああ、美味しかった!





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ユイじょり
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