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滋味深い地味フレンチ〜塩豚とレンズ豆のオーベルニュ風煮込み
不惑の年、とにかく健康になりたいわたくしユイじょり。
ここ3週間ほど、食べたものをアプリで記録するようにしてみた。食べたものを入力すると、栄養素を算出してくれるものだ。
性格的に、こういう記録系のものって絶対続かないんだろうなとわかりきってはいる。けれども、現在の食生活のバランスと傾向を確認するという意味においては有効だろうと思いましてね。
ここまで続けてきた傾向としてわかったのは、
・炭水化物とタンパク質、ビタミン系は日によってちゃんと摂れてる
・脂質はほぼ毎日適正オーバー
・鉄と食物繊維は適正最低ラインを達成したことがない
上から1つ目は意識すればなんとかなりそうだし、2つ目は明らかに自作スイーツ食べ過ぎ。3つ目は目まい立ちくらみ便秘という症状を自覚していたので、やっぱりな、という感じ。血液検査も赤血球少なくでがちだし。
鉄は食物からがっつりというのが難しそうなのでサプリなどで補う方向でなんとかするとして、食物繊維よ。俺並みにお通じ良くなりたいよ🐶
ぱっと思い浮かぶのって、ゴボウとか?この辺りじゃ売ってないな…。
干した果物とか?そもそもそんな好きじゃないわ…。
北フランスでも入手できて料理に使えて食物繊維が多いものってなんだー!?と、たどり着いたのが、どこでも売られているレンズ豆(lentilles:ランティーユ)。
豆料理って、水に浸けるのが面倒なのと、炭水化物かタンパク質かの立ち位置が曖昧でなんとなく敬遠しがちだった。でもレンズ豆は水戻しなしでそのまま料理に使えるのが好感度高すぎるし、この記事を読む限り炭水化物タンパク質云々以前に栄養価が相当優れているように見受けられる。
そうとわかれば、中心街に唯一ある有機専門スーパーへダッシュ。
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レンズ豆は袋に入れたら番号を自分で書いてレジへ持っていくシステム
lentillesだけで3つ種類があるな・・・。
まあ栄養素に大差はなさそうでメジャーなのはvertとblondっぽいので、この2種を200gくらいずつ仕入れる。
レンズ豆を使ったフランス家庭料理といえば、塩豚とレンズ豆の煮込み(Petit salé aux lentilles)。
フランスは中南部に位置する高山地帯、オーベルニュ地方の郷土料理である。
バレンタインのひとりごはんに、このひと皿を作ってみることにしよう。
【材料(ひとりごはんだけど2人〜3人分】
・豚肉:約300g(骨つきでもなしでも。脂身がそこそこあった方がよさそう。塩を表面全体に塗りこんで、ラップして密封して冷蔵庫で2日ほど放置しておく)
・玉ねぎ:小さめ1つ
・にんにく:1片
・ローリエ:1枚
・ナツメグ:少々
・白ワイン:100ml
・ブイヨン:1キューブ(あってもなくても)
・レンズ豆:お好きなだけ
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お好みでにんじんセロリなど加えてもヨシ
そうそう、豚はお肉屋さんで豚肩ロースを切り出してもらったのだけど、1人分だから1切れ200gくらいでとお願いしたら、お肉屋のムッシュー「楽勝まかせとけ!」と言ってしれっと300gで切ってくださるの、なんなの?
まあいいけど。毎度こんな感じなのに学ばない私もどうなんだ。少なめに言ってみるとかすればいいのにね。
まずは豚から焼きを入れていこう。小麦粉を全体にまぶしたら、にんにくの香りを移したオリーブオイルで表面がこんがりするまで焼き色をつける。
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肉に焼き目が付いたらココット鍋に移して、フライパンに残った油でみじん切りにした玉ねぎを炒め、白ワインを加えてアルコール飛ばしつつしばし煮込み。玉ねぎがしんなりしたら、肉と同じ流れでココット鍋へ移す。
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ここに水とローリエ、ナツメグ、ブイヨンを加えて蓋をし、180度のオーブンで1時間〜1時間半くらい煮込む。コンロでももちろんヨシ。
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1時間後、鍋をオーブンから出して水で軽く洗ったレンズ豆を投入。さらに30分くらい煮込んで、出来上がり。
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ここらで同時並行で作っていたフォカッチャも焼き上がった。
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食卓には、焼きたてフォカッチャ、常備の野菜スープのほか、塩辛い肉料理には葉っぱを欲する性質なため、クレソンを水洗いしたものを添える。いやしかし、クレソンの緑がないと茶色ばっかだな。
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心身ともにほっこり温まる一皿。目を閉じればそこは寒さ厳しいオーベルニュ地方の山奥の丸太小屋。はふはふ言いながらこれをほおばる光景が思い浮かぶ。まあ行ったことないんだけど。
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レンズ豆はおかわりした
翌日、レンズ豆をさらに鍋に投入してカサを増やし、結局3日かけてひと鍋食べ切った。
豚肉はナイフがいらないくらい、ほろっほろ。レンズ豆はほどよく食感が残っていて、旨みがしっかりと一粒一粒に染み込んで、体にいいものを食べてるなと実感。これはぜひ定番化したい美味しさだ。
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花と食卓を一緒に撮るときは花を手前におくといい感じに撮れるようだ
ああ、そういえばこの煮込み、パリ時代に1度作ったことがあるけれども、あまりの見た目の地味ぶりにnoteで記事化しなかった記憶が蘇ってきた。
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映えを意識したのか、にんじんだのパセリを散らしている
地味なものこそ滋味深い、茶色い地味メシというのはとどのつまり、どの国でも正義なのではないでしょうかね。
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