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山形〜東京〜パリと旅した粕漬けキットでつくる、野菜とチーズの粕漬け

今日は久しぶりにセーヌ川を越えて違う区までとある目的で遠征をこころみた。ボケてるけどパリっぽい写真も撮れたのでそのことも書きたければ、先週末にうまれた狂い咲きクリエイションたちのストックがまだまだある。

でも今日はなんとなく、しんみりと友達の貴重さを痛感した1日だったので、そんな大切な友達からもらったしあわせのお裾分けを。

安心してください、粕漬けは大いに関係がありますよ。

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noteを初めてからというもの、私自身の発信機会が多くなったので、いつも見てるよ!とか、日本にいるときよりむしろ近くに感じる!と言ってもらえることが、多い。

今だからこそ色々と発信できるようになったものの、こちらにきた当初、いろいろと落ちていたときは、SNSから一時期距離を置いていたこともあった。

そのとき、「ユイちゃん、最近インスタの更新ないけど、大丈夫?」と心配して声をかけてきてくれたのは、かつてのパリ友靴職人のAちゃん。彼女のおかげで、外とのコミュニケーションを徐々にとれるようになった。

コロナで外出禁止令が施行されてからは、日本だって大変なのに、たくさんの友達・先輩・後輩・恩師が心配するメッセージをくれた。

そしてここパリにも、時々ランチやアペロに連れ出してくれる良き相談相手のHや、ご近所朝カフェー友のAちゃん、境遇が似ているためなんでも話せる心の胃友Aちゃん、そして人情味あふれるパリ深酒友のAちゃんなどなど。あれっ、気付いたらほぼ、A。

・・・とまあ一例をあげたけれど、ここに書ききれないくらい、あげればキリがない。

家族親戚以外にも、たくさんの方々に支えられて生きられているのだな、と。何かあったら一緒に喜び、そして悲しんでくれるひとたちがたくさんいるんだな、と。

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以前、マックのビッグマックフォーバージョンを作ってみた話のときに、私にはユニークでめちゃくちゃ頭の切れる友人が何人かいると書いたが、そのうちのひとり、大学友のYちゃん。まわりからはM女史と呼ばれていたような記憶だが、たしかに「女史」という言葉がよく似合う。私とはYたん⇄ユイユイの関係だけれど。

語学のクラスが一緒で仲良くなったのだが、Yたん、外ではキレキレなのに家ではゴロゴロ系。そんな猫みたいな彼女が、私は犬派だけど大好きだった。大学近くのYたん宅にクラスメートと押しかけては、夜な夜な鍋をつつきながらあーでもないこーでもないとくだらない話を続けていたものだ。

そして確か大学2年時、Yたんに連れて行ってもらって、私は初めてヨーロッパに足を踏み入れることができた。行先は彼女の父上が仕事で住む、ベルギーはブリュッセル。

パリに1泊だけ遊びに連れてきてもらったけれど、そのときに書いた日記をパリに来る前大掃除していたら発見した。そこには、「いつかリュクサンブール公園で犬の散歩なんかをする生活をしたいな」と書いてあって、驚愕。そんなことを思っていたのか私。。。まったく意識して生きてこなかったけど、一応願い、叶ってる。

ヨーロッパへの扉をひらく、そんなきっかけを作ってくれたYたん。卒業後はお互いすれ違いでなかなか会うのも難しくなってしまったが、折につけてメッセージをやりとりしていた。

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あれは9月頭のこと。Yたんからのメッセージが届く。だいぶはしょってまとめると、こんな内容だ。

・noteいつも楽しみに見てるよ。
・粕漬け、興味ない?よかったら粕漬けキット、送るよ。
・パリで粕漬けって作ったらnoteのネタになりそうじゃない?

突然出てきた、「粕漬け」。大好物ですよもちろん。そしてnoteのネタのことを考えてもくれるなんて、あなたはいつでも私にとって知の女神です・・・。

さらに続けて、帰国子女で留学経験もある彼女だからこその、このメッセージ。

・自分が海外に暮らしている時にも同じように山ほど荷物日本食を送ってくれた人々がいて、そのおかげで和食生活を続けられた。
・今度はその輪の一員として食料を送り出す側になって、そのときの恩返しをしたい。

もうこれだけで涙腺が。。優しさが身に染みる。

施されたら施し返す、大和田常務の顔が眼前に浮かぶ。

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何度かメッセージのやり取りをして、2週間ほどたった、あれはちょうど秋分の日。

この記事にでてくる硬ーいみたらし団子をつくった翌日、お昼前にピンポンがなった。


おお、なんか日本の香りがするものが、届いたぞおおお!!!

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開けられた形跡がありまくるけど、ちゃんと我が家まで届いた。私は引っ越し以外のフランスへの国際配達でいい思いをしたことがほぼないので、家までちゃんとした形で届くことがまず、奇跡。

高鳴る胸の鼓動。ワクワクしながら、開封して、いちいち興奮しながら中身を取り出して並べた結果が、こちら。


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うれしいが、すぎるだろう


そばがこんなにたくさん・・・
ラーメンも・・・
いかの塩辛、常温保存OKなの!?・・・
白玉粉もある、1日待ってればよかった・・・
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Yたんも飲兵衛だから、私のツボがわかりすぎている最高なチョイス。これでまた、いつ外出禁止令が発動されても生き延びられそう。

ここまでで既にYたんへの愛がダダ漏れしてしまったが、本当に、ありがとう。

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さて、Yたんの最初のメッセージに書かれていた「粕漬けのもと」。これだ。

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山形の「壽屋寿香蔵」という漬物と地酒を中心としたブランドのものだ。

何を用意すればよいのだろう、とりあえず中身をみてみよう。

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作り方と、酒粕、砂糖、塩、からし粉が入っており、好きな野菜を漬け込めるとのこと。詳しくは、こちらに。

私、幕の内弁当で好きなものはすぐに食べるタイプなので、早く漬け込みたくて、早速午後、買い出しにでかけた。ついでに大きめのタッパーも。

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さてさて翌日。外は雨でひきこもり。よい漬け日和だ。

まず、作り方を熟読。どうやら動画もあるらしいので、こちらも見てみよう。

この動画、このムッシュー「漬物師範」による粕漬けをつくるコツが、詳しい手順と留意事項とともに丁寧に語られている。袋のゴムの結び方まで教えてくれる。

そして何より、三陸と信州のバイリンガル的には、漬物師範の東北弁が、(日本海側ではあるけども)絶妙に心地よい。

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粕漬けの肝は、「総合力」らしい。

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漬物師範の、確固たる塩へのこだわりが垣間見える。

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ざっと3回くらいみてお勉強したのち、いよいよ私も漬けてみよう。

まずは、野菜から。用意したのは、こちら。

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ナス、セロリ、にんじん、カラフルラディッシュ

きゅうりも用意していたけれど、師範によると、きゅうりは水分が多いから向かないらしい。ぴえん。

これを適度な大きさに切りそろえて、水気をよく拭き取る。

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次に、漬け床の準備。といっても至極カンタンで、酒粕の袋のなかに、塩と砂糖とからし粉を全量入れて、飴色になるまで混ぜ込む。

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いやもうこの時点で、かぐわしい酒のかほり。私の中の吉田類が叫んでいる。これだけでつまみになりはしないか?むにゃむにゃ・・・

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1種類なら、この袋に全種類いれてもよさそうだけど、ナスの色が他に写ったりしないかなどの心配事を考慮して、グループ分けして漬けることに。

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漬け床をだいたい3等分になるようにして分けて、軽くもみこむ。

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こちらを密封容器にいれて、冷蔵庫へ。3日から1週間で食べ頃、らしい。

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Yたん、2袋も送ってくれたので、お次はフランスらしくチーズで。

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コンテとモツァレラとカマンベール

ハード系、フレッシュ系、白カビ系とバランスよく用意した。同じように、適度な大きさに切る。モツァレラはマキシタイプ!

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同じくグループ分けして、漬け床を分配。

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こちらも、大きめのタッパーに入れて、冷蔵庫へ。これはもう美味しい予感しかしない。

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週末の酒処までの日数を計算して、水曜日から漬け始めた。

が、金曜にアンちゃんの訃報が入り、狂い咲きクリエーションが始まる。
結局、日曜の夜に「精進落とし」と称して酒処ごちそう版を執り行うことにし、そちらでこの粕漬けたちをお披露目。

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大変いい漬かり具合ですよこれは。どれも、おーいーしーい!!!

個人的にヒットなのは、セロリ。もともとセロリの漬物が好きなので今回も採用したが、この独特のクセが酒粕のこってりとあいまって、癖になる。そのほかも大変美味しく、もれなくすべて私がいただいた。

またまた私のなかの吉田類、「この粕漬けプレートだけで日本酒2合はいけるな・・・」。

とにもかくにも、こんな素敵なキット、開発してくれたメーカーさんには拍手を送りたい。そしてわざわざ山形から東京に取り寄せて、はるばるパリまで送ってくれるYたんよ。本当に、ありがとう。

あなたの思いやりのおかげで、今日も私は故郷に思いを馳せ、美味しい和食を堪能することができています🇯🇵


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俺からも、メルシー❤︎


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