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心の友とおうち居酒屋 in 北フランス
「30すぎたら同い年(by MOMOI KAORI)」とはよく言ったもの。
大人になってからの友達はなかなか作りづらいというが、私は29歳で単身フランスに来た時点で取り巻く世界が変わった。年齢も職業も社会的地位的なものも関係なく、東京でサラリーマンをしている生活では知り合えなかったであろう人々と出逢い、今でも連絡を取り合う友が何人かできた。不思議な深い縁を感じるパリ深酒友Aちゃんとか、いつも気にかけて何かと助けてくれるラスパイユケンネル主宰のSちゃんとか、日本から移住する際にまあなんとかなるだろうと思えたのも彼女たちのおかげだ。
なかでも、4年間のパリ駐在のときに時代をともにした同年代の女ともだちは格別。大学卒業後、就職戦線を乗り越えた先のザ・日本企業で雑巾のように働き、30近辺で女ひとりパリに派遣されたという時点で、運命共同体のようなシンパシーを感じざるをえない。人生でもっとも輝いていた時期と思っているが、それは彼女たちと一緒に切磋琢磨できたことが何より大きい。
なかでも、特に一緒にいた時間が長かったのが、戦友であり心の友と書いて心友であるAちゃん。過去のnoteで何度も触れているけれども、あの頃はお互いよく食べよく飲み、そしてよく働いた。
お互い若く、鋼の胃袋と肝臓を誇っていたし、何より美味しいものに目がなかった。いい店があると聞きつければ市場視察と銘打って駆けつけ、フランス国内外に食い倒れの旅もした。年に一度のワインの祭典に出向いては仕入れ業者かと会場の酔っ払いたちに笑われたものだ。小さなアジア人がカート(しかも行く直前に仕入れた)に大量のワイン箱をのせてえっちらおっちら運んでいる姿は、そう思わせるに疑問の余地もない。
この記事はリヨン食い倒れ旅行の記録。
バルセロナ、マドリッド、そして美食の街サン=セバスチャンにも一緒に行った。
そしてその黄金時期を終えてから、お互い日本に戻ってなかなか大変な時期を過ごすわけだが、結局フランスに戻ってきてしまった。そんな軌跡まで似ている。似過ぎている。実はリアルに血がつながっているんじゃなかろうかと思わなくもないくらいに。
そうそう、我々に共通するもうひとつの大事な共通点が、わんこ🐶。Aちゃんの愛犬はヨークシャーテリアのサクラ🌸、俺より1ヶ月だけお姉さん。同じ時期に犬を飼い始め、休みの日には森に散歩にいったり、ワン連れで旅行もしたな。
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俺は遊びたくて構ってほしくて仕方ないけど、サクラは最初構ってくれたあとはひたすらマイペースに自分の住処で静観。俺もそれを理解しているので、サクがそのモードに入るとちょっかいを出さないという幼馴染ならではの絶妙な空気感である。
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過去の写真を振り返ってたらキリがないわ。。。
さて、前置きをしたため始めたら例のごとく長くなってしまったけれども、そんな心友Aちゃんがパリ郊外から港町の我が家に遊びにきてくれることとなった。昨年の11月、日本からはるばるきてくれたWちゃん以来のお客さまである。
話はそれるけれども、Wちゃんといえば、自称他称・冒険家🌏。たった今気づいたけど、「地球」とか「世界」で変換できる絵文字って、🌏と🌍と🌎とがあるのね。そのうち🌎だけになったりして・・・なんてことは置いておき、Wちゃんはフランス旅行を終えたのち、最近だと単身インドへ彼女が敬愛する仙人サドゥに会う旅をしていた。冒険家というか、もはや女勇者。
この記事に始まるインドnoteが面白いので、よかったら覗いてみてくださいな。私にはひっくり返ってもできないことだらけで、間接的に冒険させてもらっている感じ。
あと、最新の冒険荷物の記事も、そんな大冒険はしないけれども異国旅をする際に役立ちそうなヒントがたくさんあって参考になりそう。やっぱり紙は大事🧻🚽
閑話休題、Aちゃんが遊びにきてくれるのは、私が日本から戻ってきてホームシック覚めやらぬ頃に決まった。もちろんワンも一緒だ。否、数年前にサクラの弟(オト🐶♂)も加入しているので、ワンワンも一緒と言った方が正しいか。
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振り返ってみると、最後に一緒におうちごはんをしたのは、パリにいた3年以上前のことだ。ごはんしようと気軽に言える距離にいないのが、田舎暮らしの残念なところでもある。
もうそれだけを楽しみに日々を生きてきた俺🐶と私。毎日俺に「サクたちが来るよ〜」と暗示をかけてはその日を心待ちにしていた。
今回はなんてったって双方のフランス人がいないので、思う存分に最近仕入れてきた日本のものでしっぽりできる。久しぶりの酒処ユイじょり開店、なんと喜ばしいことではないか。
書き出したお品書きは、こちら。私が日々食べているもので絶対喜んでくれる確証があるので、こんなに楽なことはない。
ー アペロ ー
日本で仕入れてきた乾き物たち(プレシャス)
ー 酒の肴 ー
・三陸生わかめ、きゅうり、ホタテの和えもの(ゆず風味)
・三陸すき昆布の煮付け
・カブの千枚漬け風
・ゆでうずらの出汁漬け(わさび風味)
・ムール貝の酒蒸し
・豚肩ロースのりんごバターみりん蒸し
・鯛めし
ー 甘味 ー
タルト・オ・ポム
前回同様、海のものは必ず一品入れたいというかむしろメインにしたいと思い、白身魚界ハンサムNo.1・スズキ(Bar)を使った丸ごとスズキのオーブン焼きorスズキの塩釜焼きをしたかった。が、あいにくスズキは1月以降禁漁期になってしまうので叶わず。当日朝の魚市場に他の魚がないかなーと思ったけど、結局ハズレがない鯛&ムールにした。
酒の肴、温かいもの以外は前日から当日お昼の間で準備しておく。三陸生わかめ、きゅうり、ホタテの和えもの(ゆず風味)で使うホタテはホタテの水煮缶(我々にとって高級品)を贅沢に使う。貧乏性なもので、いいものは取っておこうと思って食べどきを見失うから、こういうときに使うのがベスト!
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いつもより豪華に。コンポートを敷き詰めたのちにりんごを並べて焼き上げた
わくわくが止まらない当日午後、わんわんに囲まれて颯爽と車を運転して現れたAちゃん。ワンワンに囲まれながら運転するその姿はまるでムツゴロウさん!?最高か🐶🐶
久々の再会に歓喜したのち、犬たちはうちの庭でしばしワンワンワン。犬たちが喜んで走り回っている姿を見ることほど幸せなことはない。少し休憩したのち、夕食(宴)前に街のシンボルである旧市街へお散歩することにした。ヤングなオトはエンドレスで歩き、サクと俺は休みながら歩く。
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往復2時間ほどのお散歩を終えたら、まずはアペロタイム。日本で仕入れてきた乾きものを惜しみなく並べ、Aちゃんが持ってきてくれたシャンパーニュとともにありがたくいただく。たまに飲む安プロセッコと比較できない美味しさですよ(涙)。
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ゆかりなどエビ系せんべい、柿の種、いかそうめん
かりんとう、いちごポッキー
トリュフ風味ポテチ(これだけフランス産)
積もる話をしていたら、シャンパーニュは終わりかけ。これだけで夜が更けそうな気配すらあったので、いかんいかん、慌てて仕込んでいた肴たちを準備する。
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色違いのにんじんもあったのでそれも加えたらカラフルになった
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ゆず風味にしたのがこれまたよかった
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私といえばうずらなのでね・・・
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シャンパーニュから白ワインに切り替えたあたりで、朝、魚市場で仕入れたムール貝を調理しはじめる。前回はムール・マリニエール(白ワイン蒸し)にしたけれども、今回は和縛りと決めているので、ここは貴重な料理酒を使って酒蒸しに。バターは必須ですけれども。
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最後にパセリではなくネギをちらす
貝の出汁ってなんでこんなに美味しいんだろうね・・・。
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引き続き、積もる話をしながら、豚肩ロースの調理へ。まあこれは長谷川あかりさんのレシピをもとにいつも作っているやつで、何度も手を替え品を替え作っているため、もはや原型をとどめず自分のレシピとなった感がある。
豚肩ロース一切れ(約150g)で足りるかなと思いつつも、えいやっともう一切れ。合計300gほど。煮込む際は元レシピの白ワインでなく、みりんを使い、最後に黒胡椒を多めにゴリゴリっと。
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かなりゆっくりペースで飲んでいるけれども、白ワインも半分空いてきた。締めは鯛めし。昼のうちにとっていた出汁とアペロ前に研いでおいた実家米の出番である。本当は鯛を一度オーブンで焼いて焼き目をつけてから炊き込みたかったけれども、すでに23時近くなっていたので、もうそのままでいっか。
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STAUBのオーバルって魚のためにあるような鍋だな、形的に
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骨残ってたら堪忍な
美味しいねえ・・・。これ3合炊いたので、明日のごはんに持ち越されること決定。
最後にAちゃんが持ってきてくれたニコラ・ベルナルデ氏のマカロンで締め。私の作ったタルト・ オ・ポムはこのときすっかり忘却の彼方。
ベルナルデ氏、菓子全般に疎いのでお名前も存じ上げなければマカロンなんてウン年ぶりに食べたけれども、え、こんな美味しいものなの!?と感動。特にピスタチオマカロンは私史上No.1フランス菓子を授けたいくらい、美味しくてびっくりした。さすが美味しいものを知るAちゃんの舌に適っただけある。
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このどれを食べようか迷っちゃう派手すぎない感じもいい
デセールに移る頃には当然のように白ワインもなくなり、いつもなら間髪入れずに赤をあけるところ、「次は赤?それともデカフェ(ノンカフェインコーヒー)?」と問えるようになった自分を褒めたいし、少し迷いつつも後者を選択してくれるAちゃんが大好きだ。おやすみなさい。
翌朝。結局のところひとり1本飲んでるけれども、同時にちゃんと食べているのでまったく不快感が残らなかった。ひとりで深酒するときは食べないからいけないんだな・・・。
8時過ぎに起き上がり、ここは旅館ユイじょり、「朝ごはん、和食にする?洋食にする?」。当たり前のように求めていた答えが返ってくる「和食で」。鯛めしに使った鯛のあら汁に生わかめを加えて、目玉焼きだけ焼き上げる。
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ゆるゆるとシャワーなど済ませて、わんわんわんたちと戯れ、1時間くらいかけてゆるゆると徒歩にて海まで出向いた。夏のバカンスシーズンに人口が増える典型的な海の街ゆえ、夏(5月から9月)は砂浜に犬の進入禁止だが、シーズン以外はなんでもあり。というか人がいない。ワンたちが思う存分駆け回る姿を目を細めながら眺める。幸。
Wちゃんのときも思ったけど、友人が来てくれて、いい街だねと言ってくれるのがうれしい。住んでいると忘れてしまう街のよさ。美しい旧市街と広大な海&砂浜、嗚呼これ以上何を求めようか。
2日間一緒だったイッヌたち、最後に写真をとろうね。同じ目線を送ってくるのが可愛くてたまらない。俺の表情がうれしそうで私もうれしい。
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昼過ぎには出発しなくてはならないAちゃんに、道中のお腹の足しにと残った鯛めしでおにぎりを作った。海苔別添、おにぎりの中にうずらを埋め込んで🥚
Aちゃん、サク&オト🐶🐶、北フランスでいつでもまってるよ🐶🇯🇵
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2日連続晴れるなんて、奇跡!
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