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子どもの不調の見つけ方
毎日元気に週7ワンオペ育児をしながら働いている私ですが、実は難病患者です。(元気すぎて周りには全然気づかれません。笑)
クローン病診断からの潰瘍性大腸炎の診断を受け、現在も治療中。基本的に完治することはありません。
(どちらも厚生労働省が指定する難病の炎症性腸疾患)
症状が出ないように薬を飲んで、症状が出てしまったら入院して治療する。そんな生活が始まって、はや5年。
たくさん検査をしてやっと診断がついたのですが、思い返せば不調の始まりは幼少期。
原因不明の体調不良を繰り返して大きくなった私のこれまでを記事にします。少し長くなりますが、興味があれば読んでいただき、お子様の体調の変化にいち早く気づいてあげてください。
特に、よくお腹をいたがっている子を持つ保護者の方、原因不明の腹痛に悩まされている方、是非読んでいってください。
始まりは幼少期
よく体調を崩す子どもだった。
熱が出れば40度超えの振り切った高熱。姉からもらった風邪をこじらせて肺炎になりかけ、3歳で入院。
そしてすこぶるお腹が弱い。
ちょっと食べ過ぎればトイレにこもるし、
旅行中やお出かけ先では百発百中でお腹が痛くなる。
あまりの痛さに、子どもだった私はトイレで泣き叫んでいた記憶がある。笑
尋常じゃない痛みだった記憶だけはしっかりある。
母は私を病院に連れて行ってくれたけど、処方されるのはいつも決まって整腸剤。気休めにそれを飲んでやりすごしてきた。
口内炎ができやすい体質??
腹痛と同時に、小さなこと頃からよく苦しめられていたのが口内炎。
噛んだり傷つけてしまったりした時はもちろん、なにもしていなくても突然できる口内炎。幼少期は治りが早く、親もそんなに気にしていなかった様子。
食欲旺盛な子どもだったようで、口内炎が痛くても泣きながらトマトを頬張っていたこともあるらしい。笑
体調不良になったときには特にできやすい口内炎。病院で受診した際に相談したこともあったらしいが、「口内炎ができやすい体質なのかもしれませんね」「できるだけ口の中を清潔にしてお薬塗ってください」と言われるだけ。
でも、結局それは体質なんかではなかった。私の体には病気が隠れていた。
(難病診断を受ける頃には、直径最大13mmほどの口内炎が無数にできていました。)
たくさん寝たのに朝起きられない
我が家は、両親がしっかりと生活リズムを作って健康的な生活を送らせてくれる家庭だった。
小学校卒業までは20時就寝。中学生になっても21時までには寝ていた。
でも、朝起こされるまでは絶対に起きられないし、起きてもしばらくボーっとしてしまう。無理矢理起きようとしてリビングへ移動しても、体がだるくてすぐソファに横になってしまう。
熱があるわけでもなく、吐き気をもよおしたり、どこか痛がる様子もない。両親はただ「寝起きの悪い子」だと思っていたと言う。
原因がわからない以上、「なまけている」と思われても仕方ない。「無理してでも起きて活動してればそのうち目覚めるからシャキッとしなさい」なんて言われることもあった。
初めての救急搬送
中学生になり、ある日突然家で意識を失った。
ガシャーーーーン!という大きな音に驚いて、母が2階の私の部屋に入ると、部屋にあったポールハンガーと共に私が倒れていたらしい。
呼びかけには応じないが呼吸はあり、すぐに救急車を呼び、病院に運ばれた。
私の意識が回復したのは、救急車の中だった。
救急隊員の声はしっかり聞こえ、受け答えもできた記憶がある。
そのまま救急病棟のベットに移され、点滴を打とうとした看護師さんがとても困っていた。「血管も元気ないねぇ、刺せるかなあ、どうしようか」と。
「ごめんね、痛いよねごめんね」「もう1回だけやり直させてね」と言われ、何度も針を刺された。
看護師さんも何人も交代し、たくさん謝りながら頑張ってくれたが、両腕を何度か失敗。手首のあたりで試みるも失敗。手の甲もダメ。
最終的に10回以上針を指して、足の甲から点滴を入れることができた。
血液検査やCT、MRI、様々な検査はしたが、これといって原因が見つからず、「自律神経の乱れ」「成長期だからもう少し様子を見ましょう」「精神的なものかもしれない」という診断だった。異常があるとすれば、「少し貧血気味」「血圧が低いけど、体調不良の時だからある程度は仕方ないと思う」ということ。
なんだかモヤモヤしながらも、病院の先生がそう言うのだから大丈夫なのだろう。と思っていた。漠然とした不安だけが残った。
高校生になっても何度か倒れることがあったが、その時も「自律神経の乱れか、ストレスか…検査結果に大きな異常はありません」とのこと。
毎回「血圧が低すぎるけど、気持ち悪かったりしない?」と言われるのだけど、気持ち悪かったとしてもこれが通常運転なので、自分が不調なのかどうかもよくわからないというのが正直なところだった。
そんなこんなで高校、大学を卒業し、保育士として就職することに。
25歳、腸閉塞になる
保育士として元気に働いていた25歳の秋、突然お腹に激痛が。
トイレに行きたいような痛みではなく、みぞおちの近くがズキン!ズキン!と痛むような感覚。
寝たら治るかな…と布団に入ったが痛みは増すばかり。今まで経験したことのないような痛みに、夜間の救急外来を受診した。
問診と触診のみで、整腸剤と痛み止めを処方されて帰宅。
痛み止めを飲んでやっと眠りについたが、翌朝も変わらぬ激痛。初めて仕事を休んだ。病院で異常なしと言われたし、もう1度病院に行ってもな…と思い、夜まで過ごした。
一向に良くならない。
その日の夜中、やっぱりどうしても痛みに絶えられず夜間救急を受診。
CT検査をすると「小腸に閉塞している箇所がある」と言われた。
鼻から胃のあたりまでチューブを入れられ、胃などにある内容物を外に出す処置を行った。そのまま緊急入院。
数日間の絶飲絶食。鼻から入れたチューブもなかなか外してもらえなかった。10日ほどの入院と2週間の自宅療養を経て、何事もなかったかのように仕事復帰。
おしりに穴が空いた?!?!
腸閉塞から半年ほどかけて、私の体重はみるみる減っていった。
「長めの休養でベッドから動かなかったら筋力落ちたのかな?」「腸閉塞でご飯食べられてなかったし仕方ないか」と思っていたある日。
椅子に座ると何故かおしりの右側だけ痛い!
数日様子を見てみたが、やっぱり痛い!どんどん痛い!
おしりを触ってみると、右側だけ大きく腫れていた。
何科に行ったらいいのかもわからず、職場の人に相談すると、「近くに腕の良い肛門外科があるよ」と。
肛門外科………なんか恥ずかしい………。笑
でも、もう痛すぎて限界!行くしかない!と勇気を出して肛門外科へ。
診察室に入りベッドに横になると、触診した先生が一言。
「あ〜これは痛いね。今から準備するから!おしりのとこ切るね!保険とか入ってるなら日帰り手術で保険おりると思うから!申請しなよ!」と軽く言われた。
え、待って?!切る?!!何を?!?どこを?!!ってプチパニック。笑
詳しく説明を聞くと、直腸に穴が空いていて、そこからおしりの表面の方へ向かって管ができてしまっている。そこに膿が溜まっているから、おしりの皮膚を切って膿を出す手術をするよ。とのこと。
いや、聞いてもよくわからんし怖い!!!笑
「すぐ終わるからね!!痛いけどごめんね!!」と言われ、おしりにメスが入った。本当に一瞬だったけどめちゃくちゃ痛かった。その後もズキズキ痛かった。
無事終わった…と同時に我に返る。
私、ここまで車で来たよね?!座れないけどどうやって帰る?!?!
職場からは15分くらいだったけど、家まで帰るとなると1時間はかかる。まだ出血しているおしりで座って運転できるわけもなく撃沈…。
今すぐ迎えに来てくれそうな人を探し、思い当たったのが今の夫。当時まだ友達だった夫に助けを求め、迎えに来てもらった。
(今になって冷静に考えると、突然おしり切った女に呼びつけられて、数年後そいつにプロポーズしてる夫、猛者すぎるよね?笑)
もちろん座れないので、後部座席にうつぶせで寝転んで家まで運ばれました。
下がらない熱
やっと少しずつ傷も癒え始めたころ、熱だけが下がっていないことに気づく。手術したときにも38度前後の熱は出ていたが、「炎症が起きているから熱出ることもあるよ」と言われ、そんなに気にしていなかった。
術後の通院で受診すると、熱が続いていることを心配された。傷が順調に治っているのにこんなに熱が続いているのはおかしい。検査をしよう、と。
血液検査では炎症の値が高く出ている。そこからいくつか問診を受けると、「明日大腸カメラを入れよう!」と言われた。
え、明日?!急だな?!!と思ったが、先生は「一刻も早く」と検査の予約を入れてくれた。本当は前日の朝から準備をして腸内を綺麗にしてからカメラを入れるのだけど、このときは緊急だったので、短時間でできる限り綺麗にして検査室へ。
その検査も、まあ痛いこと。
カメラの映像を見せてもらいながら検査が進んでいくのだけど、腸の中に口内炎のようなブツブツがたくさん。血が出ている箇所もあった。
「あ〜こりゃ大変だねぇ。ここがこーなってて、ここがあーなってて…」と説明してくれる先生。
「いやそんなことより痛いです!!」と言いたいのをグッとこらえて「ハ…ハイ…」と返事をするのが精一杯。
私の様子に気づいた先生が、「あ、ごめんね!もうここまででひどい状態ってのはわかったから終わるね!」と検査終了。
総合病院の消化器内科へ紹介状がでました。
クローン病の疑いあり と。
難病の診断を受けるまで
ここまで長かったですね。やっと現在治療を受けている病院までたどり着けました。
紹介状と、そこに添付されている検査画像を見て一言。
「検査入院してもらっていいかな?その結果次第ではそのまま入院治療に入ることになります」
え、そんなに仕事休めないけど…?(当時私は4歳児クラスの担任でした)
園長先生に相談し、深々とお詫びし、お休みをもらいました。
検査結果は最悪で、即入院治療決定。
クローン病の診断を受けました。
長くなってしまったので、難病と診断されたあとのことはまた別の記事に書こうと思います。
まとめ
・幼少期の小さな不調を見逃さないようにしよう!
(特に、長く続く不調は原因が見つかるまで診察を受け続けることをオススメします!)
・「なまけている」のではなく「なんとなく体がだるい」可能性
よく子どものことを観察し、話を聞き、不調を疑うことも大切です!
・原因がわからないときや診断に不安が残る場合は、セカンドオピニオン、サードオピニオンで病院を変えることも必要!
・放置すると、もっともっとひどい症状が出てきてからの治療になることも。早期発見、早期治療で、回避できる苦痛もあります!
少しでもご自身やご家族の健康に不安のある方、めんどくさがらずに受診しましょう!健康な人も、しっかり健康診断を受けましょう!!!
とっても長くなりましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。