見出し画像

【日本一周 北関東編3】 偕楽園に溺れたかった、、


・メンバー

明石、尾道、釧路、宮島

・旅行者のポテンシャルが試される庭園  筆者:明石


 袋田の滝は茨城県と言いつつも福島県のほど近くにあるため、つくば方面へ戻ってくるにはかなり時間がかかった。


 宮島が戯れに調べた心霊スポットに行くか行かないかで議論したり、再度しりとり合戦にあけくれたりしながら道中をやり過ごした。日も暮れて人々の帰巣本能が刺激される頃になって、ようやく偕楽園に辿りついた。


人っ子ひとり


 日本三大庭園の名を背負うわりに、最寄り駅は西武秩父線の秘境駅みたいにこぢんまりとしていた。料金を支払って入園すると、新緑をまとった梅林が果てしなく続いていた。


 うーん、やはり開花シーズンに来るべきだな。 

 整備された歩道を進んでいると、自然と幹につけられたネームプレートが目に入ってくる。梅の名前はどれも和を一義とするキラキラネームばかりで、これが見ていて飽きなかった。


 「玉光枝垂」「月宮殿」「蝶の羽重ね」「一重寒紅」「烈公梅」。中には、製作者の名前なのかシンプルに「黒田」などもあり、バリエーションに尽きなかった。


遅咲きの黒田


 しかし、徐々に遊歩にも飽きてきて、釧路が尾道をおんぶしてその背中に僕が乗ったり、狂ったようにスキップをする三人を宮島が撮影したり、イナズマイレブンを元ネタとする「エイリア走り」に興じたりと寝技に走るようになった。そろそろ潮時かというタイミングで偕楽園から退散した。


初見のがぶ飲みXフリーダムエナジー


 駐車場へ行くにはどうしても護国神社の境内を通らねばならないだが、そこに設置された自販機に「がぶ飲みXフリーダムエナジー」なるものが売られていた。


 エナジードリンクを名乗るわりには料金は150円と安く、量も500mlとかなり多い。元カフェイン中毒者・尾道の一声もあって全員が1本ずつ買うことになった。

 するとどうなるか。互いの炭酸を暴発させる戦いがはじまる。


 手はじめに宮島が釧路のがぶ飲みをぶん殴り、そこから先は乱戦状態。物理的なピリオドとなる車に戻るまでは、殴りあい蹴りあいの血で血を洗う戦いが繰り広げられた。


 幸いなことに、最も打撃を受けた釧路のがぶ飲みも吹きこぼれることなく終焉を迎え、一時停戦状態となった。つき合いが長いと小学生のノリも生きているから恐ろしい。


・日本三名園お~わりっ!  筆者:尾道


 空模様は朝から同じく曇天。庭園を楽しむには全く向かない天候なのに、ここに来たのはひとえに「制覇」のためであることは言うまでもない。修学旅行で行った後楽園。高校時代の友人との金沢旅行で行った兼六園。そして今、日本三名園のラスト1ピース、偕楽園に到着した。


枝振りは立派極まりない


 それと同時に、高校生の時に使っていた日本史資料集の裏に載っていた6カ所〜日本三景と三名園〜も制覇したことになる。いつかはコンプリートしたいな、という高校時代の願いは存外早く達成された。


 入園。日本三名園の一角と言えば聞こえがいいが、ぶっちゃけてしまえば「それなりに整った庭園」程度の景観だ。


 青々と茂る芝や、通りに沿ってきれいに植えられた何かの木、厳かに佇む松なんかも、曇天を背にしては重々しく映るだけで、ほんのりお疲れ気味の我々をエキサイトさせる要素は持たないのだった。


梅だけでなく、竹林などもある


 時間とお金をかけて来たは良いものの、あまりにつまらないもんだから(僕たちの感性不足 by明石)、後半はおふざけに徹した。


 ゴツゴツの木を男根に見立てて爆笑したり、エイリア学園走法で通りを駆けてみたり、といった具合にどうにか場を盛り上げて楽しい思い出に昇華させた。「水をやらずにトマトを育てると、自力で成長しようとしてかえって甘く育つ」的な仕組みだろうか。

暴発寸前の釧路のがぶ飲み


 帰りに出口付近の自販機で「がぶ飲みX」なる珍重品に出くわしたので、みんなで買ってみた。エナジードリンクらしく、真緑の液体はさながらモンハンの回復薬のようだった。


 予定調和ではあるが、おふざけノリの延長で互いのボトルを振り合う戦争が勃発した。強炭酸で、ただでさえ張り気味のボトルが、いつ破裂してもおかしくないくらいパンパンになったのはいい思い出だ。ちなみに、味はモンスターと全く同じでした。


・次の記事はこちら!

・この旅のマガジンはこちら!


いいなと思ったら応援しよう!