【日本一周 東北編20】 帰京
・メンバー
明石、尾道、釧路、宮島
・帰京 筆者:尾道
仙台に戻りレンタカーを返却し、仙台駅構内の「利久」にて夕食を頂く。
肉厚で食べ応えのあるタンで白米をかきこむなんてのは、言うまでもなく至高である。急いで全てを平らげ、バス乗り場へ向かう。乗車時、心の狭い車掌さんと一悶着あったが、それさえ除けば、円滑にことは進んだ。
疲労が熟睡へといざなってくれたのも束の間、車内アナウンスは東京駅に着いたことを知らせる。寝ぼけ眼をこすりつつ車掌さんから受け取るリュックサックは疲労が抜けない体に重くのしかかった。
本来の予定ならこのまま家路につく段取りだったが、せっかく盛岡で辰野金吾建築に邂逅したので、同じく辰野建築として名高い、丸の内駅舎も見てやろうという気概になった。
日本橋側で降ろされた我々は駅を突っ切ろうと、無料の通路を探すも見つからず(正確に言うと見つける努力を怠った)、190円の通行税を徴収されたのちレンガ造りの壁面と対面する。
巨大都市の中枢に堂々と佇む駅舎は、低い背丈ながら周りのビル群なんて目じゃない存在感を放っている。日ごろ駅を使うサラリーマンにとっては、もはや日常の1ページに過ぎない景色であろうが、疲れた灰色の街にレトロ色を投じる辰野建築は、これからも激動のTOKYO都市を見守り続けるのだ。
ある種の伏線回収を終え、ようやく帰路につく。旅行を通して、これまで学校などで「知識」として平面的に詰め込んできた事々が、立体的記憶として再解釈されることが多いが、最後の東京駅なんてその典型だ。知識慾が程よく満たされたのか、頭がぼーっと熱く重く感ぜられた。
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