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【日本一周 京都・滋賀編21】 京都で一番かっこいいチケット
・メンバー
明石、尾道
・会いに行けるアイドル・金閣 筆者:明石
金閣寺は中学校の修学旅行にはじまり、高校時代の家族旅行や、直近では半年前に訪れていた。そのため、ぶっちゃけて言うと訪れること自体への感動は皆無に等しかった。
どちらかといえば、昨夜に夢破れたスシローへのリベンジを昼食に控えていたため、それへの布石として、腹をすかすための散歩に価値を見出していた。ごめんなさい。
金閣寺の魅力の1つに、参拝券の格好よさがある。縦長の和紙が墨文字と朱色のハンコで彩られたもので、お神札のようなありがたさが感じられる。
今回の旅のひそかな目的として、「銀閣寺と金閣寺の参拝券を入手して、旅行ノート(旅行に際してもらったチケットやパンフレットを保存しているノート)の見開きに対ではりつける」というものがあった。その願いははやくも入場門にて叶ってしまう。あとはのんびり歩くだけ。
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整備された砂利道をすすむと、青空を背景にでーんと構える金閣寺があらわれた。金閣はあらためていうまでもなく美しく、呆れるほどに輝いていた。
はじめて見た中学生の頃は、「ここまで完全なる金ピカを追求するなんて」と畏怖に似た感動を覚えたが、何度も通うにつれて、「ここに来ればいつもの金ピカを見せてくれる」といった完璧にたいする1つの答えを確認するための媒体に変化していた。
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今回の発見としては、金閣は雨樋までもが金ピカだということ。
さらには、集めた雨水が下の階の屋根にあたって輝きが損なわれるのを防ぐために、雨樋が下の階の庇よりも長くつきだすかたちで延長されていた。輝きを優先して造形を改変するという点に、並々ならぬこだわりを感じた。
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なお、手前の鏡湖池には、最近ではお目にかかれないバリケンが悠々と泳いでいた。異国情緒のある顔立ちをしているから、極楽浄土に見えなくもない眺めであった。三島由紀夫の「金閣寺」を用いたテーマ写真もそれぞれのパターンで撮り終え、満足してスシローへと向かった。
・やっぱ金はいいよな 筆者:尾道
当初の予定ではカットしていた鹿苑寺であるが、思いのほか時間が巻けたので訪問することになった。
受付で貰うチケットは慈照寺のものと同様、御朱印なみのサイズで、金閣と銀閣でちゃんと対比させてある。ニコイチを強調するあたりに商業化の影を感じるような気がしたが、どーでもいいことなので先に進む。
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※銀閣のチケットはこちらを参照!
鏡湖池に浮かぶ金閣は青空を背にきんきらきんに輝き、分かりやすく魅力的だ。詫び寂び的美よりもこっちのほうがやっぱりいいなと思う自分は安直なタイプなのかもしれない。
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リュックからごそごそと三島の「金閣寺」を取り出し、金閣を背景に写真を撮り合った。途中、iPhoneのパノラマ機能を悪用して次元が歪んだ写真を量産したのはいい思い出だ。特にぶっ飛んだ1枚では、明石が4頭身くらいにつぶれているというカオスっぷりだ。
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一通り写真撮影を終え、金閣の裏手に回ると、3層の屋根に雨どいが設けられていることに気づく。しかもちゃんと金が施してあるという徹底っぷり。意外なところに機能的造りがあるのね。
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残念なことに非公開であった大書院の横には、「陸舟の松」という、足利義満の盆栽を舟型に植え替えたものが置かれている。舟は西を向いており、西方浄土を目指すという意味があるのだとか。それにしても盆栽で舟を作るとはなかなかに奇抜なセンスだ。
帰り際に明石に御朱印を貰わなくていいのかと聞くと、チケットのデザインがカッコいいから要らないとのこと。まぁ、慈照寺でも貰ってなかったし要らないか。ほな、おいとまするで。