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『Viewfinder』"アーティスティック"なだけじゃない
『Viewfinder』をクリアしました。
エンディング到達まで約8時間でした。
開発元:Sad Owl Studios(スコットランド)
パブリッシャー:Thunderful Publishing
「写真を空間に翳すと写真に映っている空間が出現する」というゲームシステムを駆使して進んでいくゲームです。
もう少し詳細に述べると、
①インスタントカメラなどの手段で写真を取得
②取得した写真を空間に翳す
③写真に映っていた空間が出現する
といった具合です。
画像で説明すると下記のようになります。
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斬新かつシンプルなシステムながらステージギミックの作り方は多彩で、同じようなギミックが何度も出てくる事はありません。
後半になっても新しいギミックが出てきて、かつ難易度が上がっていきます。制作者の発想の多様さとレベルデザインの巧さに感動しました。
■多様なステージギミックと巧みなレベルデザイン
前述していますが、斬新かつシンプルなシステムながらステージギミックが多様で、後半になるにつれて徐々にギミックが難しくなっていくというレベルデザインになっています。
始めは基本的なゲームシステム(※1)を体験させつつ、それを応用したステージギミック(※2)を徐々に体験させます。
※1:「写真をに翳すと写真に映っている空間が出現する」など
※2:「写真を回転させて翳す」「アイテムの写真を撮ってアイテムを増やす」など
中盤~終盤もそれまでにないギミック(※3)が出現し、難易度も徐々に上がっていきます。
※3:「写真に映らないオブジェクト」、「タイマーを使って自身を撮影するギミック」など
発想の転換が求められ頭をひねりながら進めていました。
特に"スイカ"のステージはかなり悩みました。攻略サイトは見まいと思っていたのですが、唯一そのステージだけは攻略サイトを見てしまいました。
■謎技術のカタマリ
空間を切り取って別の空間に投影する、というシステムもそうなのですが、他にも様々なシステムがありどうやって実装しているのだろうと思うものがたくさんありました。
例えばリワインド機能。ボタン一つで自身の行動を文字通り「巻き戻す」ことが出来る機能です。
ステージギミックの手順を間違えた時やステージ外に落下した時などに自身の行動を「逆再生して巻き戻す」事が出来る機能でかなり便利です。
それこそ昔のビデオテープやDVDのように。
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この機能はいったいどのように実装されているのか気になります。ゲーム制作については齧る程度にしか分からないのですが、自身の行動を何の誤差もなく巻き戻せるってどうやっているんだ⁇と思いました。
プレイヤーの操作を常に記録していてそれを逆から実行しているとか…?
いままで観た事の無い機能なので気になります。もはや謎技術。
この辺はベテランのゲームプログラマー/クリエイターであれば検討が付くのでしょうか。
他にも「写真に映せないオブジェクトがある」「写真に映っている物体の後ろにある物まで出現する」など、どうやって実装しているのか気になる機能がたくさんありました。
■後記
『Viewfinder』は多くの賞を受賞しており気になっているゲームの一つでした。
今回クリアまで進める事が出来て良かったです。
いわゆる"アーティスティックなゲーム"の部類に入るのですが、芸術的なだけでなくゲームとしての面白さも兼ね備えており遊んでいてとても面白かったです。
■余談
"ゲーム性"を語る際に「リスクとリターン」という考え方が引き合いに出されることがありますが、『Viewfinder』に関してはその考え方からは離れた場所に位置するゲームだと思います。
『Viewfinder』には何かしらの"リスク"に当たるものはありませんし、ステージ外に落下してもリワインド機能で元に戻ることが出来ます。そして何度間違えてもノーリスクでやり直すことが出来ます。
その代わり「頭をひねってようやく解法に辿り着いた時のカタルシス」があります。
ジグゾーパズルや知恵の輪のようなパズルゲームだと言えば分かり易いでしょうか。
頭をひねってようやく解法に辿り着いた時のカタルシスがパズルゲームの醍醐味だと考えた時に、『Viewfinder』はそれに当てはまります。
ゲーム性を高める為には必ずしもリスクとリターンが整っていなければならないという訳ではなく、それ以外の要素でもゲームとしての面白さを備える事が出来るというのは私の中では新しい発見でした。今まで意識していなかったです。
そういった意味でも『Viewfinder』をプレイする事が出来て良かったと思います。
以上。ここまで読んでくださりありがとうございました。