毎日超短話800「雨の船」
踏まれる気分はどんなかしら? と彼女がつぶやくので、先に行って教えてあげる、とぼくは言った。そんな……と彼女は戸惑ったけれど、ぼくは、それじゃあ、と風に吹かれて飛び立った。落ちてるあいだに、彼女と彼女の彼が、寄り添っているのが見えた。落ちたところでぼくは踏まれる。クシャっという音がなんと心地いいことか。伝えられないまま、ぼくは落ちてきた雨の、船になった。
一年前の超短話↓
踏まれる気分はどんなかしら? と彼女がつぶやくので、先に行って教えてあげる、とぼくは言った。そんな……と彼女は戸惑ったけれど、ぼくは、それじゃあ、と風に吹かれて飛び立った。落ちてるあいだに、彼女と彼女の彼が、寄り添っているのが見えた。落ちたところでぼくは踏まれる。クシャっという音がなんと心地いいことか。伝えられないまま、ぼくは落ちてきた雨の、船になった。
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