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2月歌会報告
報告が少し遅れましたが、2月19日に2月の例会がありました。
10名の参加でした。
早速1席の歌をご褒美画像と共に。
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私も迷わず2点献上の歌でした。
ただの「林檎」でなく「冬林檎」という言葉のチョイスが、歌をより鮮明にしています。
受け取り方は人それぞれで、ある人は「モノクロ」の感じを、またある人は真っ赤をイメージしたとコメントがあったのも面白かった。
「サクサクサク」というオノマトペも歌の内容にピッタリで、作者の心情が伝わってきました。
作者曰く、言いたいことをぐっと堪えて呑み込むこともあるけれど、やはりどこか無理をしているわけで、あとでこのような感じに陥ることもあるのだとか。
2席・3席もご紹介します。
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藤井作。
「1+1=2ではない」というのは、それほど新しい表現ではないかもしれませんが、あえてひらがなを多用することでじっくりと読ませる効果、立ち止まって考えさせる効果が出ていました。
4行目に一文字ポンと置いた「に」も良いですね。だからこそ5行目の気づきの深さが伝わってくるとのコメントも。薄っぺらい人生論を得意げに語る人も好んで使いがちな表現だけれど、この歌は深く悩み逡巡の果てに辿り着いた感があって、重く沁みてくる、とのコメントもありました。
伊東作。
私には珍しく「好きを/こじらせ」というフレーズがポンと浮かんだので、これを「取り合わせの妙」と言ってもらえるような飲み物と音楽で表現してみようとチャレンジした歌です。(特に中身はありません)
(実は月刊「五行歌」には、4~5行目が違うバージョンを出しました。
提出後「取り合わせの妙」にチャレンジしてみよう!と思い立って推敲しました。)
「深煎り珈琲」は始めからあった言葉だったのですが、音楽は悩みました。
誰もが知っている歌というより、それほど知られていないけれどなんとなくイメージしてもらえるような歌を……と探して、井上陽水の『クレイジーラブ』をチョイス。
果たして嵌ったのでしょうか?
少人数での歌会は、じっくりと一つの歌について話し合うことができて充実の時間です。
載せていませんが、他にも盛り上がった歌がたくさんありました。
この楽しさは出席してみないと分からないと思います。
ご興味のある方はぜひ一度、お近くの歌会へ見学だけでもどうぞ。