老後2000万円どんな内訳なのか?
老後2000万円の食費は6万円/月で計算されているのご存知でしたか?
目次は以下の通りです。
・食費6万?1人歩きしている「2000万円」の言葉
(↓ここからが面白いです。)
・誤解しやすい『%の罠』
・インパクトのあるキャッチコピーとの付き合い方
食費6万?1人歩きしている「2000万円」の言葉
老後2000万円に対する若い人の意見を聞くと、
「老後2000万円なんて溜められない」
「年金もらえなくなりそうだし、年取っても働かないといけないのか?」
「若者の負担大きすぎだろ」
などの声が上がっています。しかし、「2000万円」と言う数字は、何を根拠に算出されているのでしょうか?
金融庁の報告書によると、老後2000万円問題は以下の前提のもとに算出されています。
・夫65歳、妻60歳の時点で夫婦共に無職である。
・30年後(夫95歳、妻90歳)まで 夫婦共に健在である。
・その間の家計収支が毎月5.5万円の赤字である。
・5.5万円×12ヶ月×30年間=1980万円不足する。
ざっくりこの算出を見ると、「毎月5万って結構大きいな」という感じですよね。
ここで以下のグラフを見てください。
(出所)総務省「家計調査」(2017年)
噛み砕いて解説してみます。
まず上半分の部分です。
これは、実質の収入額ですね。
一月の収入が209,198円で、そのうち、社会保障給付が191,880円。(91.7%)
そのほかの収入が17318円(8.3%)ですね。あとで説明しますが、1ヶ月の平均支出を考えると、約5,5万円不足しますよと言うことですね。
次に下半分の部分
こちらは、支出の部分です。
「非消費支出」は収入の中で、税金、保険料(健康、社会、雇用)として強制的に支払わされる支出です。(本質とはずれるのでざっくりと話しています。知りたくなったら調べてみてね)
そのほか諸々の項目が書かれていますが、みなさん「食費」をみてください。27.4%ですね。これを計算してみると、
235,447円×27,4万円=約64520円
約65,000円。
みなさん、食費65,000円はどう思うでしょうか?
支出の計算はあくまで平均値です。お金がない高齢者も超高所高齢者もごちゃ混ぜになって計算されています。
「2000万円」と言う言葉が1人歩きして、何から算出されているのか。その問題にある背景はなんなのか。「自分の目」でみると、本質が見えてきますよね。
2000万円の1人歩きの意味少しはわかってもらえましたかでしょうか?
しかし、少子高齢化の影響から、今後の年金給付は少なくなっていくことが予想されているので、「将来に向けて貯蓄する」と言う考え方は大切です。
誤解しやすい『%の罠』
老後2000万円問題の「食費」をみてもわかるように、%(パーセンテージ)ってうまく付き合わなければならないなと思います。
数字を見るリテラシーをつけなければ、安易な解釈をしやすい
と個人的に思っています。
世の中は『%の罠』がたくさん潜んでいます。
簡単な例をあげてみます。
就職活動、転職活動で会社の紹介ページをみていて
前年比成長率 200% !! 離職率 10%以下!! 働きやすい職場の急成長中のベンチャー企業です!
とかありますよね。
『%の罠』を知らないと「成長率200%すごい!めちゃくちゃ成長してて、しかも働きやすいなんて最高じゃん!」
と思うかもしれませんが、ここで確認すべき事があります。
①実際、何円儲かってるの?
②前年比200%って言うけど、何年から何年までの実績なの?
③離職率10%以下って何人?全社員何人なの?どの部署がやめてるの?
です。
① 昨年の売り上げ50万円で今年100万円でした。と言われても、「確かに200%だけども!」となりそうですよね。
②,③ 「去年から今年までの成長率なのか?」「2,3年前の実績なのか?」「その年よかっただけで他の年はどうなの?」と問いを立てなければなりません。
これは非常に根深い問題で。
例えば、携帯のCMとかみてると、どの会社も「お客様満足度No.1!」って言い過ぎじゃない?って思いませせんか?アメリカ映画の「全米が泣いた。」みたいな。
よくよくみると、小さな文字で、
※2017年の△△調査
と書かれてて、「今年じゃないじゃん。」みたいなことって本当にどこにでもあります。
これから%をみたときは『%の罠』に注意してみてください。
実際の数字はどうなの?を意識するだけで世界が変わります。
インパクトのあるキャッチコピーとの付き合い方
「インパクトのあるキャッチコピー」には人が集まります。
人が集まればお金が集まります。
世の中は会社で溢れていて、ほとんどの会社は「営利組織」です。
営利組織とは簡単い言うと、お金稼ぎを目的としている組織です。ボランティアじゃないと言うことですね。
TVでいうなら視聴率。会社でいうなら利益。個人でいうなら実績。
みんななんとかして自分をよく見せて、お金を集めようとしています。お金お金と言うと、「なんだよ、いやらしい話しやがって」と思うかもしれませんが、資本主義社会に置いて、お金と競争がなくなることはありません。
また企業は、社員を養っていかなければならず、お金を稼がなければ、倒産してしまいます。みなさん、バイトしたら働いて、給料もらってるでしょ?
大切なことは、「自分の目で判断して、言葉に騙されないこと」です。
世の中見渡してみると、いい人ばかりじゃありません。どんなに大きな企業でも粉飾決済だの、脱税だのでなんとかして、自分が得しようとする人たちばかりです。
そんなキャチコピーに騙されて、「お、いいじゃん!」と鵜呑みにしないよう、問いを立てる力を意識できると、もっといいことが起こるかもしれませんね。
地に足をつけて、自分の目で判断していきましょう。
まとめ
・老後2000万円問題は食費6万円で考えられている。
・『%の罠』は世の中どこにでも転がっている。
・お金稼ぎは悪いことじゃないが、利用されないようにしよう。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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