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方向転換動作における予測できるかできないかは,課題実行時間にどれくらいの影響を及ぼすのか

 クオリティの高い文章を書きたいところですが,それはおいおいやっていこうと思います.このブログでは,エビデンスベースでアジリティ能力についての私の考えをメモのような感じで,綴っていこうと思います.なお,メモとしての残すので,敬語でないのはご理解ください🙇

 さて,ここからが本題.

論文のタイトル

バスケットボール選手の予測不可能条件下におけるサイドステップが
切り返し動作中の下肢および体幹に及ぼす影響

体育学研究,2019
亀田ほか

気づきと学び

 この研究では,180°の切り返しサイドステップ動作を対象に実験をおこなっている.

★局面時間は,スタートから切り返し足が接地するまでを前半局面時間

★切り返し足が離地してからゴールまでを後半局面時間

★切り返し動作時に右足が床反力計に接地し,その足が離地するまでを切り返し局面時間とした.

 表1をみると,前後半局面の時間には有意な差はなく,切り返し局面時間のみ,予測可能群(Pre)よりも予測不可能群(Un )が有意に実行時間が長いことがわかる.つまり,本研究における結果の原因(すなわち,素早く移動できた原因)は,接地から離地までの間にありそうだ.

 今回の研究では,1往復の方向転換動作では約0.1秒の切り返し局面の差が大きな要因となり,結果に影響を及ぼすようだ.また,後日計測した同様条件下での3往復テストでも,約0.1秒の差が生じている.

 助走距離が約3m程度で,静止状態からの動作であれば,おそらく切り返した後でも2m/sくらいしかでないだろう.推測の域を出ないが,今回の実験のような条件のような予測できない試合状況下では,事前に移動方向がわかっている場合と比べて,20~30センチほど差をつけられてしまうようだ.

 ただし,今回の実験では完全に移動方向がわからない条件で実験を行なっているが,試合では相手の動作やゲームの空間などの情報から,移動方向を予測することが可能である.このことを考えると,アジリティ能力では認知的能力の影響度合いが大きいということに納得がいく.

 高速な移動運動の中で正確に相手の情報をキャッチして,処理して,動作としてアウトプットするには,選手により多くの経験を積ませ,どういう条件で相手がどう動くかを学習させることも,トレーニングの一環として行うべきだと考える.

 以上

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