#39 様々なカテゴリーに関わる中で感じた「選手によって異なるS&Cコーチに対するニーズ」
昨日、福島ユナイテッドトップチームの2022シーズンの公式戦が終了しました。
今シーズンも応援していただきありがとうございました。
今シーズンから私個人としては、ユースチームの設立と共にアカデミーの専属S&C(ストレングス&コンディショニング)コーチとなり、トップチームへの関わり方が変わりました。
昨年から変化した私の業務内容
福島ユナイテッドにおける業務の変化としては、
【2021】
専属S&Cコーチとして全てのチーム活動に同行(週1回のU15TR)
・毎日のW-up
・週1回のフィジカルTR
・週2回のウエイトTR
・試合帯同(ホーム:ベンチ入り、アウェイ:メンバー外TR)
・GPSトラッキングデータ管理
・U15チーム週1回のフィジカルTR
【2022】
アカデミーS&C及びトップチームのコンディショニングサポート
・オフ明けTRのW-up(ムーブメントTR)
・週2回のウエイトTR
・ユースチームTR週2回
・U15チームTR週1回
・アカデミー各年代のフィジカルフィットネス分野へのアプローチ
太字がトップチームに関わる業務です。
上記以外にも業務はいくつかありますが、ざっとこんな感じに変化しました。
その他の活動としては
・マイナビ仙台レディースコンディショニングアドバイザー(週1回のTRやコンディショニングに関するコンサルティング業務)
・パーソナルTR
・オンラインによるサッカー選手のサポート
なども実施しています。
こういった様々なカテゴリーや対象者に対して指導させてもらえる環境にはとても感謝していますし、この経験が各チームや対象者に対してプラスに働いていることも感じられています。
そこで今回は、こういった環境の中で感じられたこととして、
こちら側(S&Cコーチ)の視点ではなく、選手目線からS&Cコーチに対してのニーズを私なりにタイプ別に分類し、そのタイプによってこちら側が注意するポイントなどを挙げてみました。
様々なカテゴリーや選手によって、多少の違いはあれど共通する部分が多いように思いますので、ご興味のある方はぜひご覧ください🙇
タイプ①:探究心があり、自分を高めていくためにフィジカル的な視点から積極的にアドバイスを求めるタイプ
基本的にこのタイプは1チームに2〜5人程度はいるんじゃないかと思います。
こちら側としてはとても関わりやすい選手なのですが、注意しなくてはならないのが、
フィジカルを高めて満足してしまう傾向がある
ことです。
全ての選手がそうであるわけではありません。
ただ、指導する立場としては選手が次から次へと求めてきてくれるので、あれもこれも教えてあげたくなってしまうのですが、ここが危険なポイントです。
フィジカルのみにフォーカスし過ぎることにより、1番大切な
「競技力向上に活かす」
といった目的が失われ、そもそもサッカーのパフォーマンスが向上しない状況にもなりかねません。
我々は、
フィジカルTRは競技力向上を目的としたいくつもある手段の1つである
という事を常に念頭に置いておかなければなりません。
タイプ②:自分が興味のある分野や方法のみ求めてくるタイプ
自分も選手だったらこのタイプかな〜と思いますが、このタイプの選手は自分なりにある程度個人でもTRを実施しているパターンが多いと思います。
ただ、総合的にみると少し偏りが感じられることも多いです。
そんな選手と関わる場合のポイントとしては、
今取り組んでいるTRを肯定しつつ、それ以外にも必要な要素がある事を少しずつ理解してもらえるように伝えていく
ことです。
元々モチベーションは高い選手なので、すでに実施しているTRがよっぽど方向性が間違っていないのであれば、その分野を掘り下げながら関連してくる部分をアプローチしていくのもありだと思います。
また、やらなくてはいけないことが増え過ぎないようにも注意する必要があります。
タイプ③:必要だと理解はしているがキツイTRはしたくないので、サボらないように厳しくしてほしいタイプ
こどもかっ!
とツッコみたくなるのですが、案外このタイプも1チームに数名はいるように思います。
たとえプロチームであってもです。
こういった選手に対して注意しなければいけないのは、
口ではやりたくないと言いながらも厳しくしてほしいので、選手の言葉を鵜呑みにしない
ことです。
根本的に
「やらなくていいのであればやらない」
といったスタンスの持ち主なので、こちら側が安易に
「疲れているのであればやらなくていいよ」
と言うと、
待ってました!!
と言わんばかりにやらなくなります。苦笑
とはいえ、そんなやり取りをしながら最終的には取り組む良い選手が多いんですけどね。笑
もちろん、プロとして上を目指すにはあまり好ましいタイプではないので、その辺りの教育も含めてこちら側の力が必要となります。
タイプ④:そもそもフィジカルに対して無頓着(言われたことだけとりあえずやる)
幼い頃からパフォーマンスが高い選手や、元々フィジカルがある程度備わっている選手に多いように思います。
なので、特別アプローチする必要がないケースもありますが、偏りのあるケースもあるので、
そういった選手は、
必要性を訴えるタイミング
が重要になると思います。
ただ単に専門家として必要性を訴えるのではなく、
壁にぶつかったかな?
と感じられた時にコミュニケーションをとってみることによって、選手本人の理解度も高まる可能性が高くなると思います。
タイプ⑤:既に自分の形をある程度しっかり持っているので、あまり介入してほしくないタイプ
ベテランに多いタイプだと思いますが、このタイプはタイプ②と似ているのですが、
大きく誤った方向に行っていないかを見守る
スタンスが良いかと思っています。
その選手自身が取り組んでいる内容を教えてもらうことで、私も勉強になることも多いですね。
以上、5つのタイプに分けてみましたが、いかがでしたか?
上記以外のタイプについても、こんなタイプの選手いるよね!といったコメントも頂けたら嬉しいです。
まとめ
今回は選手のS&Cコーチに対してのニーズをタイプ別に分類してみましたが、
・選手の取り組みをまずは尊重すること
・フィジカルTRは競技力向上のためのいくつもある手段のうちの1つである(どうやって競技力向上に繋げるかを念頭に置いておく)
以上2点に関しては、タイプ関係なくこちら側が持っておかなくてはいけないスタンスだと思います。
また、私自身はこういったタイプ別に対応すること自体は問題ないのですが、チーム専属として関わる場合にはやや労力を要するケースも経験してきたので、そういった手間を少しでも減らせるようにするためにも、育成年代からトレーニングに関するリテラシーを高めることで、より競技者として成長していけるようになってもらえればと思って活動しています。
まだユースチームは試合を残していますし、マイナビ仙台レディースはシーズン中なので、引き続き選手が成長出来るよう頑張ります💪
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