【モンゴル中央部】トゥブライフ最終日
昨夜おじいちゃんが「明日は地方の小ナーダムが見れるぞ」と教えてくれて、久しぶりにアラームをかけた。
けど寒くて早く起きてしまい、吹き込む冷風で咳が出たので風邪薬を飲んだ。
子ども達にはサンリオキャラクターが人気。
ひたすらペーパークラフトを作ってるだけの動画が、この村以外でも世界中ですごい再生回数を記録している。
そういえばあまり紙を見ないなーと思って、折り紙を作って渡したら仲良くなれた子もいた。
ここにいると、良くも悪くも1人になる場所と時間がない。
みんな親切でフレンドリーで、プライベートとマイペースが消える。
いつも賑やかで、今日もう街へ戻るなんて不思議な感覚になる。
いつも何言ってるかほぼわからないけど、トゥブのファミリーと過ごす時間は楽しい。
もしまた来たら、喜んでくれそうな物をたくさん持ってきて遊びたい。
これから1ヶ月、こんな気持ちになれる村が増えていくといいな。
タフな大人にならねばならない現実と、子どもに戻るしかない今のギャップがすごいという面では、不安になるけど…
午後はチンギスグランパが迎えに来てくれて、一緒にナーダムを見た。
前回会った時も今回も、グランパのポロシャツは襟が立っている。
モンゴルのオシャレなのかな?
馬に乗って駆ける子ども達を、車で並走して見るのがモンゴル流の鑑賞方法らしい。
チンギスいわくグランパはレースが大好きらしく、車を走らせながら爆音でナーダムの曲をかけていた。
オフロードを走っているだけでもエキサイティングだけど、力いっぱい走る馬の様子を直近で見る迫力はすごかった。
ゴールしたらトレーナー?の大人達が木製の汗こきらしき物で馬の汗を落としていた。
すごい汗の量。
そして日本と同じく、歩かせて心臓を平常に戻すっぽい。
戻ったらお昼に、初めて米が出た。
スーテーツァイのボウズ入り?お粥みたいな物。
帰り道に、次に訪問するファミリーへのお土産を買った。
普段お菓子は食べないけど、チンギスが「これ食べてみてほしい」と白いお菓子を勧めてくれたから買ってみた。
メレンゲみたいな見た目だったからサクサクしてるかと思ったら柔らかかった。
「美味しい」とか感じた事を伝えたら、グランパも笑顔を見せてくれた。
チンギスは恐らく「日本人は物静かだけど悪い意味などない」と私が彼にトゥブで伝えた事を、モンゴル語でグランパにも伝えてくれていたように見えた。
だけどやっぱり、黙り込んでいたら気味が悪いよね…
でもグランパからは「なんとなく雰囲気で気持ちが伝わればよし」というノマドファミリーとは違って「きちんとチンギスに英語で伝えなさい」という方針を感じる。
英語では感じた事全てを伝えられないし、性格上ずっと会話するだけでも辛いから黙るしかなかった…
でもさすがに、チンギスが身支度を整えに車を離れて2人になった時は翻訳アプリで話しかけてくれた。
私も同じ事をしようとしていて、同じタイミングでスマホを見せ合った。
やっぱりモンゴルの人は温かい。
冗談も言いながら、スマホで会話をしてくれた。
ヤンジッドルマさん宅に戻ったら笑顔で迎えてくれて、夕食にチキンライスとトマト、キュウリ、バナナを出してくれた。
羊以外の肉や新鮮な物を食べられて、とても嬉しかった。
そして、臭うか聞いたらやっぱりノマドな臭いが漂っていたらしい。
車に乗せてくれたグランパとグランマにも申し訳なかったけど、やっとシャワーで数日間の汚れを落とす事ができた!
身体を洗えない生活は想定より無理じゃなかったけど、やっぱり清潔な環境の方がいいなぁ。
トイレも周りを気にする必要がなくて安心できる。
シャワーを浴びたら「やっときちんと迎えられる!」みたいに笑ってヤンジッドルマさんがハグしてくれた。
特に昭和な空気を残す家で育った私はスキンシップに慣れてなさすぎてちょっとだけ恥ずかしいけど、よそ者の私にまで親しみの表現をしてくれる事が嬉しい。
「届いたソファに座って一緒に動画を見よう」と誘ってくれた。
サッカー好きなチンギスは、自分の好みと私への気遣いを兼ねて日本のサッカーバラエティ番組を流してくれた。
とんでもなく優しい家族で感謝を伝える言葉がない。
ヤンジッドルマさんに「ゴビへはテントを置いて行かせてほしい」とお願いした。
加えて「頼りすぎてるから、市内はゲストハウスに泊まって自分1人で観光したい」と伝えたら「ナーダム中は宿が埋まるから泊まれる所がない。終わってから行くのが良い」と助言してくれた。
ヤンジッドルマさんは「明日は早い出発だから寝なければいけない」と何度も言いながらも、数日ぶりの家族団欒は深夜まで続いた。
みんなチンギスが帰って来て嬉しそうで、チンギスも我が家に安心しているようで、ガイドに連れ出すのがさらに申し訳なくなる。
寝る直前、アマルダくんにねだられて人間リンボーダンスに付き合ったらヤンジッドルマさんに大爆笑された。
村の名残で何も考えずにやってしまったけど、やっぱり大人なモンゴル人は変な事はしないんだな…
でも久しぶりの家族の時間に笑顔を提供できて良かった。