WebマーケティングにおけるSEOの基本戦術|SEO対策の進め方 【4500文字】
SEOはWebマーケティングの手法の一つ
Webマーケティング戦略を練り、戦術を決める時は消費者行動をもとに全体像を思い浮かべることで、自社のビジネスモデルの中で重要度の高い施策を当てはめることができます。
本記事ではそれらの要素を抽象化して「集客」「育成」「行動」「共有」に分類します。
Webマーケティングは「Web上で行われるマーケティング活動」のことで、ここで言うマーケティングとは「顧客にモノを売る・選んでもらうための仕組みやプロセスを作ること」と定義します。
詳しくは「SEOやWeb広告を学んでも「マーケティング」ができるわけではない」にてマーケティングの定義について述べております。
SEOは検索エンジンで行われる「検索行動」の中で、検索結果の上位に自社サイトのページを表示し、訪問数を増やす手法です。
検索エンジン最適化という名の通り、検索エンジンのアルゴリズムに適応したWebサイトやコンテンツを作ることで対策をします。
しかし、検索エンジンのアルゴリズムは一筋縄ではいかず、完璧に攻略することは不可能に近いです。
そのため、現在のSEO対策は検索エンジンの最大手であるGoogleが定めるガイドラインや理念に合わせて「顧客にとって役に立つ高品質なコンテンツと優れた検索体験を提供する」ことが主流となっています。
ここで前述した消費者行動とSEOの目的と照らし合わせて見るとSEOがカバーする範囲が輪郭を帯びてきます。
■集客
集客は検索行動から得られる流入に直結する部分のため大いに当てはまります。
■育成
育成も検索行動を繰り返す中で自社が提供するコンテンツに訪問し続けることで自社サービスへの訴求を行います。
■行動
行動もSEOは関連しており、消費者は何か行動を起こす時は「行動を起こす根拠」があると安心して購買や問い合わせへと進めます。この根拠もまた検索から提供することができます。
■共有
共有に関してもSEOは間接的に影響を及ぼします。独自性があり共感を得られるコンテンツを「知っている」というステータスにはある種の承認欲求を満たすエネルギーがあります。そのため高品質なコンテンツと出会えた時に「共有」というアクションを起こす確率は高いと言えます。
このようにSEOは全てのフェーズにおいて影響を及ぼし、重要なチャネルとして機能します。
SEO対策を行うと決めた時は、まずWebマーケティングの全体像を描き、その中で現状の状態と合わせながら、どの領域において対策を行うのかを定めることが大切です。
現状の状態を把握する
SEO対策は集客面での効果が高い施策です。そのため集客後の行動に対してはLPO(ランディングページ最適化)やEFO(エントリーフォーム最適化)のように別の手法でカバーすることが従来の常識でした。
しかし、現在のSEO対策は「ユーザー体験(UX)」も対策範囲となり、広い視野で見ればサイトの使い心地や利便性、デザインも間接的にSEOの影響下に含まれます。そのためLPOやEFOで対策していた導線や内部リンクの位置、訴求方法もSEO対策と統合して考える必要がでてきました。
※LP(ランディングページ)は広義の意味ではユーザーが最初に閲覧するページを指します。一般的には「広告における最初に訪問するページ」として認識されています。本記事では広義の意味でLP、及びLPOについて述べています。
SEO対策を行う際はそうした背景を踏まえた上でWebサイトの現状を調査します。調査内容は大きく分けて「アクセス状況」「検索されているクエリ」「対策したいキーワードの順位シェア率」です。
現状の状態によってはSEO対策よりも優先すべき施策が浮かび上がることもあると思います。特に会社名やブランド名で自社サイトを指名した形で訪問するユーザーが多いにも関わらず、目標達成率が悪い時はサイト構造やデザイン、サービス紹介等の恒久コンテンツに問題がある可能性もあります。
現状から見てSEOが必要だと判断したならば次は実施するSEO対策の優先度を定めましょう。
SEOの基本戦術は大きく区分して「内部対策」と「外部対策」に分かれます。そして内部対策は『テクニカルSEO』『コンテンツSEO』『ローカルSEO』に分類されます。それぞれ特徴と役割が異なるため目的にあった施策を選ぶことが大切です。
戦術①:受け皿の環境を整える
SEO対策を行う時、一番最初に用意する必要があるのは「土台」であり「受け皿」となるWebサイトです。
Webサイトの構造や環境を最適化し、サイト内に記載してある情報をユーザーと検索エンジンに正しく伝えることはSEOにおいて大変重要な役割を担っています。
サイト構造を最適化する施策をテクニカルSEOと呼び、コンテンツ内容を正しく伝え、ストレスフリーで利便性の高いサイトにする施策です。
見た目の変化が無いためインパクトは薄いですが、サイトの基幹部分になるため避けて通ることはできません。
インフラ部分に近いことから近年では「順位を上げるため」よりも「正しく評価してもらうため」に取り組む傾向にあります。
また、直接的な影響はありませんがデザイン(トーン&マナー等)やCTA(問い合わせボタン等)も合わせて対策をすることも多いです。
「SEOに影響があるから」ではなく、「ユーザーにとって良い体験を提供できるから」に起点をシフトすることで、本来の目的であるマーケティングが機能するようになります。
戦術②:コンテンツを制するものはSEOを制する
コンテンツはSEOだけでなくWebマーケティング全体において最も重要な要素です。
SEOにおけるコンテンツは『検索傾向からユーザーのニーズを抽出し、自社の抱えるナレッジやノウハウを基にユーザーのニースを満たすことを目的に生まれたコンテンツ』を指します。
そのため、検索からの訪問を許す全てのページが原則SEO対策の対象となります。
コンテンツSEOは「自社商品に関してのニーズは潜在的な層」までリーチを広げることができるため高い集客力を持つ特徴があります。
しかし、「知りたい」という欲求を満たすコンテンツを提供するため、多くは成果に繋がりにくい点も忘れてはいけません。
コンテンツは「集客」「育成」「行動」「共有」全てに当てはまる要素で、全てのフェーズにおいてどのようなチャネルからでも提供できる体制を整えておくことが理想の状態です。
集客をしても成果につながらなければ意味がありません。それと同じようにいくらユーザーを教育しても行動に起こしてもらわなければ意味がありません。行動を起こしてもらい成果が出ても、リピートしたいと思えなければ最終的なゴールへは到達することはできないのです。
そのため「コンテンツ」は1つの視点で制作し続けるのではなく、ユーザーの行動フェーズに合わせて、それぞれに適応したコンテンツを作るのが一番です。
こうした意識でコンテンツを制作していると、自然とテクニカルSEOにたどり着き、サイトの受け皿含めてコンテンツの改善を行うようにシフトしていきます。
また、質の高いコンテンツは外部サイトから自社に向けられた被リンクを集めることができます。
被リンクは検索アルゴリズムの中でも重要な要素のため、質の高いコンテンツは順位獲得に大きく貢献します。
戦術③:エリアを制する
SEOのトレンドは「地域性」へとシフトして行きました。広い範囲での集客ではなく、特定の地域や周辺範囲における有効的な情報を表示するように検索エンジンも進化を遂げ、地域性の高いキーワードに対応したローカルSEOは重要度の高い施策になりました。
自社サイトに地域特化の要素がある場合、ローカルSEOは最初に実施するべき施策とも言えます。Googleが提供する店舗情報を登録するツール「Googleマイビジネス」はローカルSEOに欠かせない存在です。
特に飲食店や小売店のように実店舗を持つビジネス形態の場合、予算を多めに確保してでもローカルSEOに先行投資をする価値はあります。
また、地域に特化したコンテンツを制作することで、成果率の高い集客コンテンツを制作することも可能です。
SEO自体広く浸透し、Webマーケティングの対策は差別化の要素ではなく、ITインフラの一つまで普及しましたが、地方部分ではまだまだ実施できていない企業が多く、特に店舗型ビジネスでは対策しきれていないことも多いです。
差別化にも繋がるため、規模が小さい場合でもSEOを行う価値はあります。
SEOの依頼はどこにするべき?
SEOの良いところは「自社でも個人でも無料で実施できること」が挙げられます。Web上にもノウハウは多く発信されており、自身の力で対策をし続けることは可能です。
また、専用業者にコンサル依頼をしてもWeb上の知識の外を出ないことも珍しくありません。なぜならSEOのスキルは大体が発信されており、対策方法の独自性というものもほぼ僅差で差がないからです。
しかし、その発信された情報を基にSEO対策を実行できるスキルを得るのは長い時間を有するので依頼する価値は大いにあります。効率的にSEO対策を行うのであればコンサルティングの相談をしてみるのはオススメです。
では、どのようなSEO業者に依頼するべきなのか?そのポイントは「マーケティング」になってきます。
近年ではWebマーケティング(またはデジタルマーケティング)に統合されて使われなくなりましたがSEM【検索エンジンマーケティング】の思考で戦略を立てて、戦術を実行できるかが重要です。
戦略を立てるには業界知識や経験がどうしても必要になるため、SEO業者に依頼をする時は自社が現時点で保有しているナレッジ・ノウハウを提供し、プロの視点でWebマーケティング戦略を立て、SEOという戦術を実行できるチーム体制が必要です。
正直なところ、チーム体制を取らずにWebマーケターに全て丸投げして戦略を立てれる方を探すのは至難の業ですし、その業界に精通しているマーケターがいたら安くとも月100万規模の価値がある人材ですので予算確保が難しいでしょう。
「全て任せっきり」ではなく、二人三脚でWebマーケティングを実行するチーム体制を構築することを前提に業者を探すことをオススメします。
私自身もフリーランスのWebマーケターとして活動をしていますが、ご相談いただく際はパートナーとしてご一緒させていただいています。
何かございましたら私でもお話お伺いいたしますので、お気軽にご連絡くださいませ。
【パーソナル】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント
Webライター、Webマーケスクール講師
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽
ラジオ、伝統・民俗芸能について調べること
特技:和太鼓、フットワークが軽い
【連絡先】
メールアドレス:yy.edih.xx@gmail.com
Twitter:@hd2OimM
Web制作会社のマーケティング支援部門でWebマーケティングコンサルタントとしてSEO、広告、コンテンツ制作、LPO、EFOなどの手法を元にお客様のWeb戦略のサポートを担当。提案・分析・企画・施策の実施・効果測定まで全て一気通貫で対応できることが強み。その後、Web接客ツールのベンダー企業にカスタマーサクセスを提供するコンサルタントを経て、現在フリーランスとして活動中。
何かございましたらお気軽にお声掛けください。