人的資本のリーダー
今回は、最近の外国人動向と少しビジョンも交えてお伝えしようと思います。
話がいつもの通り、少し寄り道しますが、でも、ど真ん中の直球シリーズです笑
さて、2023年6月14日、特定技能2号の対象分野が11分野に拡大することが閣議決定されました。これにより、更に多くの分野で外国人労働者の活用が期待されます。
並行して、技能実習の見直しが有識者会議で議論されておりますが、考え方に人手不足対策が入って来ており、特定技能制度との重複が出て来そうです。
ということは従来の技能実習になかった労働の需給バランスの考えが入ってくるので、同様の考えをもつ特定技能側も含めて、国の受入計画などの見直しなど、今後様々な検討がされると思います。
話が前に進めば進むほど、問題も出てきます。
特定技能2号は本人が希望すれば、日本での長期滞在や日本へ家族を呼ぶことが可能となっています。ただし、年金脱退一時金の対象期間が5年である現状では、長期滞在しても、一度帰国する外国人が増える可能性があります。つまり、途中で退職する人が増えるということです。これでは、継続的に雇用したい企業、継続的に働きたい外国人、双方にとって不利益になってしまいます。
特定技能2号の対象業種は、現行の特定技能1号対象業種のうち、介護を除く11業種となりました。介護は特定技能2号とほぼ同等の「介護」という在留資格が既にあるためです。しかし、この介護の在留資格を取得するためには、日本語N2レベルが必要となる介護福祉士の試験に合格しなくてはなりません。これでは他の11業種の特定技能2号がN3レベルで良いのに対し、人手不足がより深刻な介護分野だけが日本語の負担が増大し、労働者が他業種に流れてしまう懸念があります。
さらに、外国人にとって日本の銀行口座を開設するのが困難であるという問題も存在します。大半の外国人は入国直後にゆうちょ銀行で口座を開設し、その後、数年経って都市銀行や地方銀行の口座を開設しますが、やっと取得できたこれらの口座の価値が外国人の中で上がることで、口座の売買が行われるなどの問題も生じています。絶対に阻止しないといけない問題です。外国人へ向けた金融のイノベーションも必要です。
日本人は問題が起きると、すぐに慎重になる傾向がありますが、問題が起きるということは、物事が進んでいるということだと思います。一番最初に問題を起こす人が重要、とある有名経営者が話していましたが、同感です。私自身も最初に問題を起こして来たことだけは自負があります笑 もう、その後の問題解決は外注でも生成AIでもいいかな笑(そんなわけにはいきません、もちろん)
ちなみに、YSパートナーは、登録支援機関を特定技能が発足した最初の段階からスタートし、ミャンマーでは最も早く特定技能講座を開設しました。
今では、様々な法人が特定技能の分野に参入していて、今では当たり前のことも多いですが、最初の頃は、他に事例がないので、特定技能をどのように進めるか試行錯誤でした。今や当たり前になっている事を他社さんも普通にやるようになってきていますが、でもトップランナーは言語化できない深い理解と行動力と経験があったりします(自画自賛笑)
そういう意味で、リーダー的に動くことが重要なのかな、と少し思ったりしていたら、リーダーとマネージャーとの違いでわかりやすい動画がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=K-NqekSHxxY&t=2246s
マネージャーはみんながそうだと思うことをやるけど、リーダーはみんなが違うと思うことを先にやる。
僕は、この意味で最大のリーダーは科学だと思います。科学はいつもそれまでの固定概念を否定して、進化をもたらしました。
例えば地球が宇宙の中心ではなく、地球の方が動いているという天動説から地動説への転換など、すごいリーダーシップです。
今や、この科学のリーダーシップが最強で、世界を引っ張っる存在となって人類の夢を実現したり問題を解決しており、宗教や政治の力は弱くなっている気もします。
話を戻すと、先に述べたような外国人問題に対応するために、登録支援機関や監理団体の役割がますます重要になってきています。来年度の法改正では、登録支援機関や監理団体の許認可や運営も厳しくなる方向性です。
今後は科学の力=生成AIの急速な発展と普及により、日本語の障壁は下がっていくので、近い将来は、今は一番の課題である日本語よりも、別の問題の方が増えていくことになると思います。
少子化対策に力を入れている日本ですが、労働市場的な視点から見ると、その効果が出るのは20年後以降です。しかも、既に子供を産む世代の人口が減少し始めているため、少子化対策自体も非常に困難な状況が予想されます。
そんな国を維持するためには、働き手だけではなく、生活者、消費者、社会保障の担い手、投資家、起業家など、あらゆる立場の人たちが必要になってきます。このような最中、特定技能2号の導入や拡大をするのは、外国人の働き手を通じて働き手以外も受け入れる、という考え方が根底にあります。
このような背景を踏まえ、株式会社YSパートナーは、将来に備えて、財務と海外拠点の強化に力を注いできました。そして、その一環として新会社への事業移管の準備も進めてきました。この度、新会社の準備も出来ましたので、これから、事業を移管していく予定です。
新会社は「株式会社YSタレント」です。「タレント」は人的資本を意味し、その人が持つ資質や技術を重んじます。この社名を最近、お知らせすると、たまに「芸能人を紹介するのですか?」と聞かれることもあります笑
日本ではタレント=芸能のイメージが強いためにそう思われがちです。しかし、「タレント=Talent」は本来、その人の持つ特定の分野での資質や経験や技術を重んじるグローバルな言葉で、日本だけが芸能人に適用した特殊な国なのです。
これから、YSパートナーからYSタレントへ全事業を移管していきます。関係者の皆様にはお手数をおかけしますが、この新たなステップにご理解とご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
私たちの使命は、外国人労働者を単なる「労働力」だけではなく、豊かな「人的資本」として理解し、それぞれが持つ「タレント」を最大限に活かすことです。 この使命を果たすために、この業界でのリーダーとして、様々な問題にも向き合っていきたく、皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
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