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外国人なくして日本の未来なし

先日、名だたる大手企業に勤めている友人と、先日、食事をしていた時に、この友人がこの国(=日本)終わってんな、実感を込めて言うので、いや、終わってないよ、と返答しました。 外国人材の受け入れがあるからねと加えて。

No Global No Japan

日本は、現在すでに外国人が300万人居住する移民国家であり、古代に遡ってみると移民からできた国なのですが、歴史的、地理的情勢で、偶々いつの間にかモノリック国家に一時的になりました。(モノリック=単一民族/言語)

モノリックでは厳しくなってきている中、これから、日本がどのように多様性を帯びながら、移民を受け入れるかが、国としても、企業としても、地域としても、個人としても、大きな影響を及ぼします。

その様な最中、外国人の就労ビザという点でまず、特定技能の仕組みは、深く考えると、現実的に非常に素晴らしいものです。

この特定技能と職種や業種が近い旧来から連綿と続いてきた技能実習制度の廃止論が始まり、内閣直轄の有識者会議が行われ、先月末にその結論的に近い骨格が固まりました。
実態としては廃止というより技能実習の形を残す新制度を設立して、特定技能との二つで似たような目的で並立する形となります。
もう少し踏み込んだ改革を期待しましたが、歴史が長い技能実習には様々な既得権益やステークホルダーがいることを配慮したのでしょう。みんなを敵にしてでも改革するのはトップリーダーの役目ですが、この分野でのトップリーダーの不在を感じざるを得ません。

特定技能は2019年4月に日本で初めて人手不足対策と明言してスタートしましたが、この背景には技能実習制度の限界がありました。
特定技能では、技能実習で認められなかった民間の参入を認め、将来的に激化する国際的な人材獲得競争にも対応できる制度となっていることが一番のポイントです。
技能実習を運営する監理団体の組合は主に日本国内の監理に注力しており、海外の展開は海外の送り出しに依存しています。
この構造が様々な技能実習の問題の原因の一つでもあったのですが、さらに将来に目を向けた場合、国際的な競争が激化する中で、特定技能の方が可能性が大きいことは間違いありません。
私が身を粉にしてでも海外を自分で開拓してきたことに、制度が後押してしてきた感じで、心底嬉しく思います。こういうことが民と官との見えざる連携です。

海外現地で特定技能のテストを大々的に実施して、来日候補者を海外で職種別にストックしていく事は画期的な事です。動き出せば当たり前に思うのが凡人の常ですが、これを最初に考えて実現した人は凄いです(菅元総理、当時は官房長官)
これから、技能実習改め新制度(名称未定)と、特定技能との、これまでバラバラだった職種や業種の一致などの調整がされていきますが、新制度から特定技能へのキャリアアップ云々よりも、特定技能の職種拡大や海外での特定技能テストの拡充による特定技能でのエントリーの増大などの現実的で発展的な改定を期待しています。

日本企業が人材分野で海外進出することは簡単ではありません。
会社法などの法律はグローバル化されていますが、人材業は非常にローカルな業態なので、法律的にも慣習的にも、落とし穴がたくさんあります。
ここが、ある程度グローバルビジネスがパッケージ化している製造業や貿易業のようにいかないところです。相手国に改定は迫れませんが、上述の様な海外現地での特定技能テストの拡充とそれに伴う受入の促進がなされると、相手国が緩和して、日本資本が入りやすくなったり、そのケースが増えれば、製造業の様にパッケージ化する可能性もあります。(あくまで仕組的な話をしてますので、人をモノの様に扱うとか、そういうことではないのでご了承ください。)

国内側でも特定技能で義務付けされている外国人の支援業務を受入企業が行うには、リスクや労力を伴うため、人材会社などに委託する仕組みで競争させることで、将来的視野でこの支援の質の向上を目指す制度設計になっています。
この様に色々なことを想定して特定技能を設計した官僚はすごい、の一言です。
(日本の官僚は世界一と言われています)
その官僚自体も人材不足になってきており、日本全体が至る所で人材不足になっていることを実感します。

昨今、内閣の方針で、外国人の起業促進が急速に進められています。
簡単にいうと、起業を志す外国人は事業所や出資金がなくても2年間、日本に滞在できるようになります(現行では500万円の出資金、事業所と2名上の常勤雇用が必要)
根本的に日本人は起業に関心も尊重もありませんが、これは自分自身がリスクテイカーでない人が多いことも要因としてあるでしょう。
日本人はかなりの成功を収めた起業家でないと、大半の人にとって、自分の中での費用対効果はサラリーマンを下回ります。でも世の中や経済の発展を本当に生み出すのは起業家なので、そこで、リスクテイカーが多い外国人の起業を呼び込むわけです。外国人はゼロベースで考えられるので、社会的地位やサラリーマンの待遇との比較などしない人がある程度期待できるでしょう。

GAFAの起業家は全員、アメリカへの移民ルーツである通り、海外から起業家を呼び込めれば、忖度と小利口が大数を占める日本人では成し遂げないことをやります。
ただし日本の社会は外国人が起業して成功できるビジネス環境であるとは言えません。
ビジネス環境の改革も同時にしないと、結局は制度を悪用するだけの外国人が増えたり、本当に夢を見て来日した起業家を失望させたりすることになります。
少なくとも各申請は英語やオンラインにしたり、各種印鑑もなくしてもいいと思います。また、起業家の自社株売却の税制優遇が米国に劣るので、リスクをとって来た外国人の起業家が十分な恩恵を受けるとは言えません。国際的な観点で外国人起業家からの魅力はまだ不十分とも言えるので、まだまだ改革が必要です。私の肌感覚では日本で起業したい人は世界には結構いるので、制度さえ整えば可能性は十分にあります。

建設の施工管理、ITエンジニア、電気機械半導体などのエンジニアはこれから日本で急速に不足していきますが、経済的なインパクトは特定技能の業種以上に大きい可能性があります。

これらのエンジニアの在留資格(在留資格の名称は技術人文国際)はホワイトカラーなので基本的に大学卒業の学歴が必要です。しかしながら、専門分野のスキルさえあれば実際は活躍できるわけではなく、顧客とや社内とのやり取りでより高度な日本語能力が必要になる事もあり、それが本人にとっては日本語学習時間との費用対効果が問題となります。
そうなると、いかに日本語学習に補助や支援をするかが重要になってきます。
同時に仕事におけるテクノロジーで補完する仕組みも必要になってくるでしょう。
インカムを全導入しているホテルや旅館も増えていますが職場環境でのテクノロジーの活用によって、外国人が活躍する可能性が拡大します。

先日、たまたま友人と食事していたら、隣にいたアイルランド人カップルが、グローバル化する中、日本だけが独自のカルチャーを保っている世界で最も最高の国だと言ってくれました。実際に彼/彼女は日本をモチーフとするタトゥーを体中に彫り込んでいたことから、我々日本人へのお世辞などではなく、心底の考えでした。
アメリカのGAFAで10年勤務してたとの事ですが、このようなグローバル人材から、日本は非常に高い評価を受けている国なのです。
ちなみに日本ではタトゥーは反社会的なイメージがありますが、世界的には大事な自己表現の手段でもあります。

日本の文化的な魅力はグローバル化によって相対的にあがっていて、その証拠にインバウンドツアーが伸びています。
これは円安の影響だけではありません。

円安や日本経済の停滞により、日本に来る魅力が激減するという懸念を抱く人は多いですが、積極的に能動的な受入をしていけば、全くその心配はありません。
日本の文化や安全や経済力(過去の蓄積とはいえGDP世界3位)やエンタメ(アニメ、スポーツ、芸能も充実)など豊富な要素は他の国が羨むほどです。
悲観するどころか、可能性は山ほどあるわけです。
所得格差がある程度、縮まった方が、より出稼ぎが増えるというデータもあります。つまり、円安や日本経済の停滞は外国人が出稼ぎに来る可能性も高まることもあるわけです。

つまり、日本人側の固定概念や保守性こそが課題であり、これらを払拭すれば、全然問題はありません。
これまでの日本はみんなで同じことををする価値が高く、その結果、同調圧力が強まったわけですが、これからは、多様性を認めることで、可能性が拡大すると思います。円安のような事象は企業レベルで何ともできませんが、これはなんとでも可能です。

話は変わりますが、僕は日本人にはある種の天才性があると思います。(天才の定義を理由が不明な才能発揮とすると)
例えば、科学の発展や歴史に伴って、アインシュタインが相対性理論を発明したり、量子力学が生まれたりしましたが、空間や時間が不定であるという概念は道元がその1000年前にとっくに達しています。
発展や進化の過程などの理由はなく、突然変異的に天才が生まれているわけです。
将棋の藤井翔太も野球の大谷翔平も多分そんな天才だと思います。

日常的には閉鎖的な国であるのに、海外センスが高い日本人が意外と多いのも理由なき天性のものです。
日本には大手商社など、世界的に稀有なグローバル展開会社も多く、そこには国際センスの固まりみたいな人がゴロゴロいます。
私のある友人の母親は、絵に描いたようなドメステックな中学教師でしたが、ちょっとしたきっかけでスペイン語を操り、スペインと行ったり来たりしていました。
江戸時代に250年も鎖国してたのに、一気に開国した明治維新も不思議な現象で国全体が天才です。

この様に、せっかく持っている日本人のグローバル遺伝子を刺激するためにも、外国人を受け入れる必要があると思います。
日本人は自ら自分の天才性を発揮できず、外圧や外部刺激によって眠っている遺伝子が活性化される傾向があるからです。

日本人の現役世代(生産年齢人口)が激減していくので、その対策=企業の発展はもちろんですが、日本人の活性化、労働市場の発展的な変化など、外国人を積極果敢に受け入れしていくべきだと思います。

どんなに外国人が増えても世界で1番と言われている日本文化は、来日する外国人こそが大事にしてくれるので、文化が脅かされるどころか、文化は強化されると思います。
私自身、外国人と関わるほど、日本の事をを好きになったり、好きにさせたりする様になりました。

No Global No Japan

今週土曜から久しぶりのベトナムで、楽しみです。

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