ペンタックスMZ-5と最近のアラサー会社員
単焦点50mm専用カメラ
ライカMDaはオーバーホール中で不在。リコーのGRIIIx HDFの抽選は外れた(2度目)。ペンタックス17は良いなぁと思いつつ申し込みはしなかったが、今や注文受付自体が停止中。なかなかヘビーだ(映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』より)。とはいえ、自宅からカメラが無くなったわけではない。こうした時は、最近ちょっと使わなくなってきたカメラを出すチャンスでもある。そうして棚から引っ張りだしたのが、奇しくもペンタックスのフィルムカメラ“MZ-5” だ。ちょうど使用期限を迎えそうな富士フイルムの“SUPERIA X-TRA400”を詰めて外へ出た。
MZ-5に装着しているレンズは、単焦点50mm(FA50mm F1.4)のみだ。ボディとセットで購入し、これ以外にKマウントレンズは持っていない。なので、フィルムカメラでもあるが私は“50mm専用カメラ”として扱っている。たまに中古カメラ店で「35mmのKマウントレンズも良いよなぁ!」と思うが、私にとっての意義が変わってしまうので買わずにいる。ミニマリストを目指すならば、1つのボディで色々な焦点距離を揃えるのが良いのかもしれない(もし必要であれば)。私のように、カメラごとにある程度の焦点距離を定めてしまうと実に無駄が多いと思う。
ある美しさ
当然ながら、MDaと比較すると「なんてユーザーに優しいカメラだろうか!」と思う。しかし、「フィルムはじっくり撮ろう」というマイ・マインドに変わりはない。ファインダーを覗いて露出を確認して、シャッターを、、押さなかったりもする。デジタルカメラだったらパッシャリやっているところだが、撮るイメージだけをして止めることも良い(意見には個人差があります)。どうでも良いことだがデジカメのRAW撮影では暗めに撮って編集で持ち上げている。フィルムでは、ちょっと明るめ(オーバー気味)でシャッターを切って現像へ出している。だいたいの方がそうか。
そんなセットを持って、吉祥寺へ行った日のこと。目的は、友人が経営している喫茶店へ行くためと少々の野暮用。吉祥寺駅に電車が到着すると、ほぼ同時に強い雨が降り出した。所謂、ゲリラ豪雨というやつだろう。こうなると傘などの雨具はもう役に立たない。駅舎から外へ出たいが、私を含めて多くの人がそれをできずに降りしきる雨を呆然と眺めていた。ただ、目の前の男子学生2人が何かを企んでいる。どうやらコンビニの袋を身体に巻いて、この雨に立ち向かう気らしい。そうして本当に駆け出して行った。私にああいう興奮はもうない。でも、その姿は美しかった。