会社員とカメラストラップの池
特定の何かに没入していくことを“沼”と表現することがある。カメラ界隈だと“レンズ沼”がポピュラーだろうか。アラサー会社員こと私は、カメラストラップのそれにハマりつつある。ちなみに、湖と沼の明確な区別はないそうだ。国土地理院のページを参照すると、湖は《水深が大きく、植物は湖岸に限られ、中央に深い所には沈水植物を見ないもの》で、沼は《湖より浅く、最深部まで沈水植物が繁茂するもの》だそう。
意外と「~沼」は深くないかもしれない。が、私のそれはより浅い。ということで、私は“カメラストラップの池”と名付けよう。さて、これまで購入してきたストラップは4種類。そのうち3種類は同じ“ピークデザイン”のもの。何が良いかと言えば、結局のところ“アンカー”の便利さに敵うものがないのだ(意見には個人差があります)。ササっと着脱が出来ることは、カメラをEDCとして扱う私にとっては都合が良い。
我が家の池
YOSEMITE CAMERA STRAP MOUNTAIN BLUE
で、いきなりピークデザインじゃない製品。初めて購入したミラーレス一眼、ソニーのa7Cを購入したときに「そういえばストラップを買っていない」と気が付く。付属の純正ストラップはあるけれど、持ち運ぶものなのでデザインなどにも少々こだわりたい。そこで出会ったのが、スマートフォン用のストラップでも人気がある“ヨセミテストラップ”だ。偶然にも好きな配色のストラップが、マムートとのコラボ商品だった。
マムートはスイスのアウトドアブランドで、本製品はマムート製のクライミングロープが使用されている。ゆえにこのストラップが切れるようなことがあれば、それよりも前にカメラ本体は存在しない状態になっているだろう。ちなみに、「それ、ライカですよね?」と町で見知らぬ方に話しかけられた経験はない。だが、「それ、ヨセミテですか?」と話しかけられたことは複数回ある。どうやら登山ロープは目立つらしい。
Peak Design SLIDE LITE
そして登場、ピークデザインの“スライドライト”。ヨセミテは気に入っているものの、明らかに登山ロープだ(そりゃそう)。そのため、お呼ばれする結婚式やスーツを着て向かうフォーマルな場面ではマッチしない気がした。そこでアンカーの利便性が気になっていたこともあり、スライドライトのグレー(アッシュ)を購入。こちらは登山ロープとは違い、車のシートベルトのような素材だ。内側には滑り止めもついている。
ソニーのa7IVにシグマの28-70mmのズームレンズを装着すると1kgちょっとになる。これぐらいの質量になるとスライドライトのようなストラップのほうがバランスよく持てる気がした(斜め掛け前提)。ただ、ライカQ2のような比較的コンパクトなカメラには大袈裟感が否めない。加えて、ロープだと結んで手持ちすることも出来るがスライドライトではそうもいかない。そうした理由から、現在は使用頻度が低い状態だ。
Peak Design CUFF
私ことアラサー会社員の日課は昼時間のウォーキングである。所謂リモートワークを続けているので、平日はこれぐらいしか外に出るチャンスがない。その際のお供は言うまでもなくカメラだ。しかし、なるべく軽装で行きたい。「カメラストラップをつけて、、」とかではなくパッとカメラを取ってサッと外に出たい。そんな時に見つけたのが、ピークデザインの“カフ”だ。ブレスレットのように手首にループを嵌めて使用する。
軽装で行くならばカメラのグリップを掴んで持ち出せば良いのだが、一瞬の隙がとんでもない事に繋がる。このカフを付ければ、そうした心配はない。ストラップ自体は短いので、装着したまま本体を収納出来るのも楽だ(おすすめはしない)。現在は近所散歩用のカメラとなりつつあるa7IVに装着し、昼になるとサッと持って出ている。ネガティブを言うならば、散歩途中で買い物をする際には片腕が不便な状況になることだろうか。
Peak Design LEASH
最近購入したのが、最後に紹介するピークデザインの“リーシュ”だ。ライカQ2にはヨセミテぐらいのストラップ幅で丁度良いのだが、スライドライトのような利便性とバランス感も欲しい。テーブルフォトなんて滅多に撮らないが、いざ撮る時はストラップが簡易に着脱出来て欲しい。そうしたアラサーの欲望を煮詰めた先にリーシュがあった。スライドライトよりもペラッペラのきしめんのようだが、カメラを斜め掛けしても痛くはない。
色はブラックで、デザインにも大きな主張はない(失礼)ので様々なシーンで使えそうな気がしている。「先にこれを買っておけばスライドライトはいらなか・・」などと思いそうになったが、そんなはずはないと留まった。とりあえずはこの4種類で満足している。レザー製も良いなぁと思うが、価格が高いなどの理由から購入には至っていない。さて、続いての池は“カメラバッグ”だ。これまた沼より浅いが、いつかここで書き記したい。