iPhoneでライカ風味を堪能する
日本では6が並んでいた日に、ライカよりiOSアプリ“Leica LUX(ライカルック?)”がリリースされた。どうでも良い話だがライカM11モノクロームは“Monochrome”ではなく“Monochrom”というドイツでの綴りになっているらしい。さて、本アプリはiPhoneのカメラを使用するのが当然の前提となるが、これを通して撮影することでレンズシミュレーションが使えたりそれらしいフィルターを楽しむことが出来る。私はライカの本気(マジ)なレンズを多く持っているわけでもないし、たいして試してもいない。そのため、このアプリを評価出来る立場ではないが数日使った感想をここに記しておきたい。なお、「このアプリがあれば(職業)カメラはいらないや!」という境地には至っていないことを先に申し上げておく。
使用したiPhone
iPhone 15 Pro
28mm
最初にライカQ2と比べてみようとしたのだが、それぞれ撮ってみたところで同じ色味が出るわけもなく。そのため、Q2の写真は何となくLeica LUXのフィルターに寄せて編集している(本当にざっくりとだけ)。お互いズミルックスなのだが雰囲気は近しいだろうか?カラーでは特に、iPhoneのほうが固めに見えた。Q3との比較が気になるところ。
35mm
続いては、ライカM11モノクローム(M11M)との撮り比べ。とはいえQ2と同じく比べられるものでもない。しかし、カラーよりもライカ的な味わいをより感じられる気はする。共にJPG形式で撮影しており、編集は行なっていない(iPhoneの写真はアスペクト比のみ変更)。露出やシャドウを調整すればさらに締まりそう。M11Mは絞り以外オート設定。
シュガー&スパイス
私ことアラサー会社員が最初に感じたのは、ハイライトの飛び方の違いだった。表現が難しいがQ2もM11Mも、というかデジタルのライカはハイライトに弱い傾向にある。その点では、iPhoneのほうがあまり編集する必要がなく楽だろう。レンズシミュレーションに関しては正直のところ分からないのだが、技術的にはiPhoneのポートレートモードなどが活用されているようだ。「ライカらしいかどうか」も気になってしまうが、iPhone(のカメラ)との融合にLeica LUXの面白さがあるように思う。そもそもスマートフォンのカメラはマクロが簡単に撮れたり、職業:カメラでは撮れない角度などで撮影することが出来ると思う。そこを補強してくれる役割としては十分ではないだろうか。スマホでノクティルックスなんて夢だ。
このレンズシミュレーションが現物の癖と近しい場合は、Mシステム用レンズ購入前のやんわりとした参考になるかもしれない(あくまで予想)。ただ、2週間のトライアル後は有料になるらしい(無料プランもあるようだが)。そこを加味すると、私はおそらく課金しないと思う。レンズシミュレーションは含まれていないのだが、iPhoneの写真は“RNI FILMS”というアプリで編集することが多い。こちらも一部は有料なのだが、とても良かったので課金をしている。今回のLeica LUXのフィルターがそのアプリの良さを越えていないのと、UIが少し使いにくい気がした。今後の更新で改善される可能性はあるので、しばし離れた場所から見守ることにしたい。いずれにせよ、このトライアルだけでもライカ風味は存分に味わえる。
Leica LUX
これまで
付録(RNI FILMS)