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コロナ禍をキッカケに「義務教育」はどう変わっていくのだろう?

一昨日、こんな記事を書きました。

我が身のことなので常にビジネスのことを考えていますが、リモートワーク中の書斎のとなりでは長女(小学3年生)が漢字ドリルをしています。(今日はリビングで算数。)

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ビジネスこそ柔軟にやるものですが、この子たちの教育という課題解決は出ていないまま放置されています。
そのことにㇵッと気づいてギョッとしました。

コロナ対策の中で埋没している義務教育への対策

ここであえて「義務教育」としたのは、高校や大学は〈選択的〉な教育であって自分の目指す姿や方向性によってかわってきます。
義務教育の中にも選択的要素はあります。
私学への「お入学」や「学校が休校ならベネッセやeラーニングとかさせればいいのでは」という人もいます。
しかしながら、義務教育とはひとりも落ちこぼれを出さないようにすることが現場の先生だけでなく社会のミッションです。

私の住む埼玉県川越市は人口35万人をかかえ、県内ではさいたま市、川口市に次ぐ中核市です。
近年、地元のみなさんの努力あって「小江戸」として有名になり、昨年は775万人の観光客が訪れる関東有数の観光都市になりました。

一方で市内の小学校における施設拡充への取り組みはずいぶん遅れている印象があります。
比較対象が東京都内であったり私立だったりすると見劣りすることはしかたないのですが、この新型コロナウィルスに見舞われたいま、この遅れは大きな痛手になっています。

これは日本全国の地域で大問題になっているはずです。

長女の小学校ではじまったZoom朝会の取り組み

そんななか長女が通う小学校にはかなり先進的な先生方がいらっしゃって4月から「Zoom朝会」がはじまりました。

3年生は毎朝10時半からZoomの画面を通じて担任の先生たちとコミュニケーションをとっています。
学年単位で30分間の実施で3年生3クラスを同時につないでいます。
(ちゃんと数えられてはいませんが)全児童の80%程度が毎朝参加できているようですが参加できていない児童も少なからずいるようです。

参加できない理由はいくつか考えられます。

1. 接続回線がない
  - 固定回線がない
  - 無線回線(携帯電話会社契約)はあるがパケット負担ができない
2. 接続回線はあるが端末がない
  - PCがない
  - タブレットがない
  - スマートフォンがない
  - 保護者所有端末はあるが子供に与えられない
3. 保護者の事情
  - 時間がない
  - 経済的に対応できない
  - オンラインでの取り組みに反対

1と2についてはとにかく環境を用意しなくてはなりません。
しかしながらコロナ禍での経済事情が厳しくなる家庭も多いなか突然の出費はできません。
仮に対応しようとしても固定回線ニーズは高まっており開通までに時間がかかりますし、iPadなどの端末も品薄が続いています。
(我が家は旧世代のFire HDをゴニョゴニョして長女に与えています。)

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現場で居ても立っても居られない先生たちの発案で始められた取り組みは本当にすばらしく、長女は毎朝とてもたのしみにしています。
たまたまこの地域に越してきて、この小学校でよかったと思います。
ただ、市立小学校であるかぎり義務教育の機会は市内すべての児童に公平になくてはならずないという大前提があります。
先生たちの悩みはそんな点にもあるかと思います。

早期に全児童にオンライン授業を

休校は5月のGW明けまでとされていますが、この状況で登校再開はありえないでしょう。
しかしながら未だ正式な判断はなされないままGWに突入しようとしており、我々保護者のみならず、現場の先生方の負担と心配は大きくなる一方です。

一刻も早くオンライン授業を受けられる体制を構築しなくてはならないと考えます。
もちろん収束すれば以前のように登校が再開されることが前提です。
ただし行政はその前提にこだわるあまり復帰判断をずるずる延ばすばかりで事態はなにも前進していないように思います。

バンコク在住の友達が日本のオンライン教育環境普及率の報道を見て驚いていました。
日本人はタイを東南アジアの後進国とみている人が多いと思いますが、リープフロッグで日本を追い抜いてしまっているのではないでしょうか。

もちろんオンライン授業には課題が山積しています。
まっさきにやるべきは前述の環境の整備です。
総務省は25歳以下への支援を各キャリアに要請し実施がはじまりました。

これは契約主体が学生であることを想定しており大学など選択的な教育分野での課題解決になってはいるものの、義務教育の小中学生の手に届く施策にはなっていません。
また、本格的にクラスや学年単位でのオンライン授業がはじまれば、複数児童がいる世帯では人数分の端末が必要になります。
端末の確保も大きな課題です。

授業のしかた(我々の業界でいうところのコンテンツ)は先生方が考えてくれるでしょう。
サービス企画を考えることを生業としている身としては、先生というリッチなコンテンツを繰り出してくれるクリエイターのサポートができる仕組みなどが考えられるかもしれません。
まだ思考は道半ばですが…

おわりに

この20年近く、課題をビジネスの観点で考えるようにしてきましたが、この課題はビジネスじゃない観点も稼働させなければならないと思います。

ひきつづき考え、動いていこうとおもいます。

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