授業を行う際にまず心掛けることとは?
こんにちは。
このシリーズでは日々、学生さんたちと向き合う教育現場の方々に向けて、「授業改善のためのヒント」をご紹介していきます。
全5回シリーズですが、少しでも参考になれば幸いです。
第1回目は、「授業を行う際にまず心掛けること」についてです。
授業者がその日の教壇に立ち、学生に向かってまず行うことは何でしょうか。
結論から申し上げると、
「その日の授業の目的や取り組み方を事前に示すこと」
です。
代々木ゼミナール教育総合研究所では「生徒による授業評価アンケート」を長年実施しています。
その中で得られたデータによると、「先生が授業の目的や取り組み方を事前に示している」という授業では、学習効果が高いことが示されました。
(図を参照ください)
例えば、山登りをする際に2人のインストラクターがいた時、どちらのインストラクターを選びますか?
① 「今日はあの山の山頂を目指します。途中2か所難所があるため、
そこはゆっくり登ります」と事前に言うインストラクター
② 「とりあえずついてきてください」と言って細かい説明をしない
インストラクター
多くの人は①を選ぶでしょう。
授業においても、学生が事前に目的や取り組み方を知ったうえで授業を受けることにより、
①その時学んでいる内容と、その日のゴールを結びつけて理解できる
②授業中の先生からの発問に対しても、その意図を推測できる
という効果があるため、達成感を得やすくなります。
まずは、「その日の授業の目的や取り組み方を事前に示すこと」に注力し、授業をスタートしてみてください。
次回は「授業で扱う難易度」について考えます。