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投稿欄で落選した詩、自作の詩

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詩誌の投稿欄で落選した自分の詩を取り上げて、自分なりの感想と反省などを書きます。また好きな詩人さんの真似をした詩や日記を収めます。
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2023年2月の記事一覧

『パラレルワールドへの入学方法』

『パラレルワールドへの入学方法』

世界を変えてしまう
そんな暖簾をくぐった先
こってりラーメンと
寂しさは紙一重だった

パラレルワールドへの入学方法と
あっという間に訪れた放課後

手書きはいつも現実
光るヘッドホンと落書き
うちにはうちの
洗濯の白さがある

『白昼夢が見れない』

『白昼夢が見れない』

白昼夢なら得意技だ
退屈な授業も
嫌なことも
それで忘れてきた
たいがいのものは
忘れさせてくれる
エキスパートな僕だから
言えることなんだけど
見ることができない
白昼夢というのも
あるんだよ

『なんだっけ』

『なんだっけ』

本棚を片づけたり
コーヒーを飲んだりして
それで思う
何がしたかったんだろう
すべきことはしたはずなのに
なにか物足りない
忘れたのか
しなくてもいいものなのか
そもそも
そんなものはないのか

わからない人

わからない人

さよならをして泣く人は
好きじゃない
そんときは無表情でいい
でもひとりになって
思いっきり悲しんでくれる人が
僕が一番好きな人

そんな人がいるのかどうか
一生知ることはなく
僕はいなくなっちゃうんだけどさ

過去の切り抜き

初めから決まっていた
僕の世界は

答えがないものに
近づくことをやめた

イヤホンの白いコードから
僕の中を思い出がくり返し巡る

間違っていた奇跡の日々の切り抜き
聞こえるはずのないリズムを刻む

無理だよ
片目を瞑りつづけても
どうせ時間は戻らない

僕はもっと強くなる
初めからすべて決まっていた

かなしみ

かなしみ

真夜中にテレビをつけると
深夜ドラマでひとり暮らしの女性が
同じようにテレビを観ていた

しばらく悲しそうな彼女を観て
テレビを消した

誰か僕のことを悲しそうだと
見てくれる人がいたらよかったのに