【Vol.2 肩関節スペシャルテストイラスト🎁 】フルカンテスト・ニアーテストなど
肩関節痛の原因を調べるためにフルカンテスト・エンプティカンテスト・ドロップアームテスト・エクスターナルローテーションラグテスト・ニアーテスト・ホーキンスケネディテストなどを行うと思いますがついド忘れしてしまったりすることありませんか?
またはこれから肩関節の整形外科的テストを勉強しようという方にパッとみれるカンペがわりに使っていただけるように、
今回は6年目院長セラピスト兼ブロガーの私がフルカンテスト・エンプティカンテスト・ドロップアームテスト・エクスターナルローテーションラグテスト・ニアーテスト・ホーキンスケネディテストの整形外科的テストフリーイラストを紹介していきます。
この記事を読むとイラストから肩関節の整形外科的テストが視覚的に頭に入るため覚えやすくいざというときのカンペとして使うことができますのでぜひご覧ください!
イラストは許可なく使用して大丈夫なので(リンクを貼っていただけると嬉しいです)ご自由にお使いください!
では始めていきましょう!
感度と特異度とは
検査は100%状態が評価できるわけではなくテストによって精度が異なります。
検査には感度と特異度がありこれらを知ることにより確率の高い評価をすることができます。
感度とは
感度とは陽性の人が陽性と評価される確率です。
棘下筋損傷している100人に感度70%のエクスターナルローテーションラグテストを行うと100人のうち70人は陽性になるという事です。
反対に残りの30人は棘下筋損傷しているのにも関わらず陰性と評価されます。
特異度とは
特異度とは陰性の人が陰性と評価される確率です。
棘下筋損傷をしていない100人に特異度100%のエクスターナルローテーションラグテストを行うと100人のうち全員が陰性になるという事です。
例えば、特異度が80%だとすると100人のうち80人は陰性になり、残りの20人は陰性なのに陽性と評価されます。
棘上筋の疼痛誘発テスト
棘上筋にストレスを与えて痛みを誘発するテストのイラストを描きました。
フルカンテスト、エンプティカンテスト、ドロップアームテストは基本中の基本なのでイラストでさらに理解しやすくしてあります。
フルカンテスト Full can test
検査肢位:座位、肩関節外転位、前腕回外位
操作: 患者に肩関節外転位、肘関節伸展、前腕回外位で保持。検者は前腕を上方から下方に抵抗を加える
評価: 痛みが出るか外転位が維持できなければ陽性
意味: 外転作用を持つ棘上筋に遠心性収縮ストレスを加える
注意点: 三角筋や上腕二頭筋長頭の代償が起こる可能性があるため鑑別が必要
前腕を回外するため上腕二頭筋長頭が外転の補助をするため、疼痛が出現しにくい可能性があります。
また上腕二頭筋長頭の代償がある場合は上腕二頭筋長頭炎が起きている場合もあるので鑑別が必要になってきます。
エンプティカンテスト Empty can test
検査肢位: 座位、肩関節外転位、前腕内旋位
操作: 患者は肩関節外転位、肘関節伸展位、前腕回内位で保持し検者は上方から下方に抵抗を加える
評価: 痛みが出るまたは外転位を保持できなければ陽性
意味: 外転作用を持つ棘上筋に遠心性収縮ストレスを加える
注意点: 三角筋の代償作用により外転保持が可能な場合がある
フルカンテストと違い前腕を回内位にすることで上腕二頭筋長頭の代償作用を無くすことができるので棘上筋にストレスをよりかけられることになります。
ですが三角筋の代償作用は避けられないため鑑別が必要です。
ドロップアームテスト Drop arm test
検査肢位: 座位、肩関節外転位
操作: 検者は患者の肩関節を他動的に外転位に保持し、患者にはその状態を保持するように指示して検者は支えている手を離す
評価: 外転位を保持できないまたは痛みが出た場合は陽性
意味 :棘上筋に遠心性収縮ストレスを与えることで棘上筋の状態を確認する
注意点: 三角筋が代償する可能性があるので鑑別が必要
ドロップアームテストは特異度が78~88%と比較的高いテストなので陽性の場合は棘上筋の損傷している可能性は高いと考えられます。
棘下筋の疼痛誘発テスト
エクスターナルローテーションラグテスト External rotation lag test
検査肢位: 座位、上腕下垂位、肘関節90度屈曲位
操作: 患者は上腕下垂位、肘関節90度屈曲位にして検者が他動的に前腕の遠位を把持し上腕を外旋させる。次に患者は自動的に上腕を外旋させる
評価: 他動的外旋角度より自動運動角度が小さかったら陽性
意味: 他動外旋と同じ角度に自動運動で外旋できなければ棘下筋の損傷や筋力低下の影響で外旋が作用が弱くなっているといえる
注意点: 特異度が100%のため陽性であれば強く棘下筋の損傷または筋力低下が疑われる
特異度は100%ですが感度は70%ほどなので陰性でも棘下筋の損傷または筋力低下が疑われます。
肩峰下滑液包の疼痛誘発テスト
ニアーテスト Neer test
検査肢位: 座位、上腕内旋下垂位
操作: 検者は患者の肩甲骨を固定した状態で上腕を内旋したまま挙上させていく(補助)
評価: 痛みが出れば陽性
意味: 上腕内旋挙上をすることで肩峰下滑液包に圧縮ストレスを与える
注意点: 感度が低いため陰性でもエコーやMRIで確認する必要がある
ホーキンスケネディテスト Hawkins-Kennedy test
検査肢位: 座位、肩関節90度屈曲位
操作: 検者は患者の肩峰が挙上しないように把持し、もう一方の手で前腕近位部を把持して上腕を内旋させます
評価: 痛みが出たら陽性
意味: 上腕内旋挙上をすることで肩峰下滑液包に圧縮ストレスを与える
注意点: 感度が83%で特異度は51%のため陽性であれば強く肩峰下インピンジメントが疑われる
まとめ
肩関節のスペシャルテストをイラストにしてみましたので勝手に保存して使ってみてくださいね!