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原典(情報源)を読む大切さ 吉田松陰「夢なき者に理想なし。…」は本当に松陰の言葉か? ―フェイクニュースに騙されないために―

原典=情報源(ソース)にあたるべし

吉田松陰の言葉としてビジネスの研修でよく取り上げられるものがあります。それは、

「夢なき者に理想なし。理想なき者に計画なし。計画なき者に実行なし。実行なき者に成功なし。故に夢なき者に成功なし。」

です。

聞いたことがある方も多いかと思います。

では、この言葉の出典はなんでしょうか。
答えられる方はいらっしゃらないはずです。
紹介している本や記事等にも出典先は書かれていません。出どころがどこか示されないまま紹介されています。

この言葉は吉田松陰全集に掲載されていません。また、当時「夢」といえば寝ているときに見る夢であり、志を指すことはありません。では、「志」に置き換えて、それらしい言葉があるかというと、それもありません。

何を根拠に吉田松陰の言葉としているのか不明なのです。

いや、全集に載っていないだけではないか?という反論もあるでしょうが、先に述べたように「夢」の使い方や、また文章の構造が当時の文章構造ではありません。

松陰神社に問い合わせても、吉田松陰の言葉ではないと考えられるという答えが返ってきます。私は元々萩の松陰神社に奉職しておりましたが、実際に「松陰先生のお言葉ではない」とお答えしてました。言い方に気をつけないと、否定されたと思って怒り出す方もおられるので気を使いながらですが…

さあ、どうしてこの言葉が吉田松陰の言葉と言えるのか。そうであっても吉田松陰の言葉だと言われる方には、根拠を示していただきたい。

このように、巷で流布されている言説には嘘が混在していることがあります。

フェイクニュースに騙されないためにも、原典に当たることが大切です。

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