ポン・ジュノ監督「パラサイト 半地下の家族」を観た。クスクス笑わせながら、怒涛のラストへ!!!
韓国映画はあんまり観ないのですが、ポン・ジュノ監督は好きで、けっこう作品を観ています。
『フランダースの犬(邦題『ほえる犬は噛まない)』
『殺人の追憶』
『グエムル-漢江の怪物-』
どれもこれも、同世代感に共鳴して面白い。
ペ・ドゥナちゃんが出演している映画は、とくに面白い。まあ、単なるファンなのだが。
◆◇◆
witter等で様々な人が仰っている通り、富裕層と貧困層の対比を描くための様々な演出(時計回りと反時計回り・キム家とパク家が同画面に映るとき、両者の間に必ず縦線が入る・階段の昇り降りの描写など)は本当にお見事で、何度も見返したくなります。
ただ私がこの映画を見て一番恐ろしいと感じたのは、展開のシームレスさです。
序盤から中盤にかけての、悪知恵が働くキム一家が豪邸に寄生するまでの過程と、最終盤の庭のパーティーにおけるあのセンセーショナルなシーンが、ごく自然な形で同じ時間軸に並んでいるという恐ろしさです。
もちろん途中で「地下」の人たちとの出会いというイベントはありますが、コミカルでクスッと笑えるシーンもあった中盤までの展開からは想像もつかないラストでした。
多少卑怯でだらしないけど、決して世間から悪人、極悪非道と呼ばれるわけではない。そんな人たちがあの悲惨なパーティーの現場に居合わせてしまう、そして父ギテクは殺人を犯してしまう。最初は自分たちよりも下の「地下」に住む人の存在に目を瞑っていたギテクも、自分たちよりも上の「地上」に住む社長のあの仕草を見て、自らの境遇に対するやるせなさが爆発してしまった。そんなギテクの心の動きに、『ジョーカー』との共通点を見出さずにはいられませんでした。(すでに様々なメディアでこの2つの映画の共通点については議論されているとは思いますが。)
とまあ色々言いましたが、私の語彙力では到底表現しきれないような感情が今渦巻いています。
あとギジョンが煙草を吸うシーン、何とも言えない美しさがあってとても好きです。
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