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【ポップス研究⑦−2】🎙️近田春夫&ハルヲフォンの「電撃的東京」を、オリジナル曲と比べてみた。(B面編)
では、「B面編」をはじめます。(まだの方は先に「A面編」をごらんください)
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◉ハルヲフォン版「でさのよツイスト」
◉スリー・ファンキーズ「でさのよツイスト」(1960年)
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日本の男性アイドルグループの元祖と位置付けられる存在で、1962年にデビューした「ジャニーズ」と共に、このジャンルの確立に多大な影響を与えた。
デビューシングル「でさのよツイスト」がヒット、人気者となる。
高橋元太郎が脱退。のちに水戸黄門に「うっかり八兵衛」で人気者となる。
「でさのよ」とは、どういう意味なのか?
まず関西圏の人間なら「でさのよ」に反応するだろう。意味不明な呪文?
歌詞の中にも「でさのよツイスト」としかなく、何の説明もないんですよね
ところが東京の年上の先輩に尋ねて判明しました、昭和の流行り言葉だったんですね。言葉の語尾に「でさ~」「のよ~」をつける事が「ナウい」のだったらしい。
これによって若者感が生まれ、トッポい青春リズム歌謡が誕生した訳であります。
🔴とにかく日本では「〜ツイスト」というタイトルにすれば、ヒットするのであります。
代表的なのは・・・
「アキラでツイスト」
「ひばりのツイスト」
いきなり「差別用語」が飛び出してビックリしました。TVでは放送できませんなあ(苦笑)
「太陽の下の18歳」(ゴーカート・ツイスト)
「ヨジレアン・ツイスト」
作詞:糸井重里、作曲:鈴木慶一、編曲:高橋幸宏、歌:ラジ
和製ツイストの一代傑作ですね。シンセのギミックがカッコいい!
◆◇◆
◉ハルヲフォン版「情熱の砂漠」
◉ザ・ピーナッツ「情熱の砂漠」(1973年発売)
作詞:山上路夫、作曲:加瀬邦彦、編曲:星勝
なんと、この曲、編曲がGSバンド「モップス」の「星勝」さんだったんですね。
星勝さんといえば、井上陽水さん専属のアレンジャーというか、井上陽水を世間に売り出したのは星勝さんの力だといってもおかしくありません。
「断絶」「氷の世界」「二色の独楽」、シングルだと「夢の中へ」「いつの間にか少女は」なども「星勝」さんのアレンジです。
星勝さんあっての、陽水なのです。
陽水「氷の世界」の冒頭を飾る「あかずの踏切り」は、もともと、星勝が自分のバンド「モップス」のために書いた曲です。不思議な歌詞だなと思ったら、やはり井上陽水の歌詞ですね。
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ザ・ピーナッツの後期の傑作でもう一曲あげれば、この「指輪のあとに」があげられます。
◉ザ・ピーナッツ「指輪のあとに」(1973年発売)
作詞:安井かずみ、作曲・編曲:加瀬邦彦
これも、名曲であります。洋楽しか聴かない20代の女性に聴かせたら、「あら、素敵な歌!」と妙に関心を持っていました。
◆◇◆
◉ハルヲフォン版「気になるお前」
◉沢田研二「気になるお前」(1973年発売)
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作詞:安井かずみ、作曲;加瀬邦彦
これは、近田春夫さんの渋い選曲ですね。「ジュリアン」と同じぐらいジュリーファンではないと知らない隠れた名曲です。
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◉ハルヲフォン版「ブルドッグ」
◉フォーリーブス「ブルドッグ」(1977年発売)
作詞:伊藤アキラ、作曲:都倉俊一
CMソングの神様「伊藤アキラ」(「キューティーハニー」のED「夜霧のハニー」も伊藤さんの作詞)の過激&何かわからんが熱い歌詞に、当時ショックを受けました。
「♬ ニッチも サッチも どっちも ブルドッグ WOW〜! ♬」
・ハルヲフォンがカバーして凄いという噂を聞いて、「おりも政夫」がこっそりハルヲフォンのライブを観に行って聴いたとき、ひっくり返るほど衝撃を受けたと語っていました。
◆◇◆
◉ハルヲフォン版「人間狩り」
◉ピーター「人間狩り」(1974年発売)
https://www.youtube.com/watch?v=h86DQm-A0cY
作詞:なかにし礼、作曲・編曲:馬飼野康二
いやぁ〜、小学生のころ、初めてテレビでこの曲を聴いた(観た)ときは、ショックを受けましたねえ。
同性愛者が「人間狩り」というと、狩られるのは「男の子」じゃありませんか。
「俺も、マンハントされるのだろうか…」と恐怖しました。
夜、外を歩かなくなりました。
なかにし礼らしい歌詞ですね。
耽美的というか退廃的というか。
狂ってますね。
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◉ハルヲフォン・オリジナル「恋のTPO」
アルバムの最後の一曲は、ハルヲフォンと近田春夫の「オリジナル曲」です。
近田春夫いわく
「阿久悠さんのような歌詞を書いて、筒美京平さんのような曲を書いて、ジュリーのように歌っています」
と語っています。
ちょっと、ノベルティータイプの曲の片鱗がありますね。
◆◇◆
近田春夫は、1977年(昭和52年)10月から 1979年(昭和54年)3月まで、ニッポン放送の深夜ラジオ番組『オールナイトニッポン』の火曜日第2部である『近田春夫のオールナイトニッポン』のパーソナリティに就任[1]。その2時間の放送中に、自身の独自の視点に基づく解説付きで、大量の歌謡曲をオンエアする[2]ことで知られた近田は、1978年(昭和53年)、雑誌『POPEYE』(平凡出版、現マガジンハウス)で『THE 歌謡曲』の連載を開始[3]し、歌謡曲批評家としても知られるようになった。その流れの中で、「批評家としてのスタンス」と「ロックアーティストとしてのスタンス」を融合させて作り上げたのが本アルバムである。
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【おまけ】
◉ライブ版。近田春夫&ハルヲフォン「ブルドッグ」(1978年)
パンクっぽいアレンジとパフォーマンスがカッコいい!
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