中平康監督「月曜日のユカ」を鑑賞する。
「セックスはいいけど、キスはいや!」そんな複雑な小悪魔を加賀まりこが演じきったコケティッシュな映画。フランス・ヌーヴェルバーグにも影響を与えた中平康の腕が冴える。
ユカは男を悦ばせることが自分の喜びで、誰にでも身体を許すけど、キスだけは許さない。それは、小さい頃、娼婦的な母が米兵(?)とキスしてるのを見てしまった時に、牧師がキスはだめだ!ってユカに教えるからなのだけれど、そもそも姦淫もだめだよ、と思ってしまう、ユカは教会に祈りにも行くし、家にもマリア様を置いてるのだけれど、キリスト教の教えとはちがう生き方をしている。ユカの認識では男と寝ることは罪じゃないのかもしれない。教育の大事さと危うさを感じた。
ユカには「3つの愛」がある。
・パトロンのパパ=肉体的な愛
・元恋人の手品師=精神的な愛
・恋人の修=肉体的な愛+精神的な愛
3つの愛を使い分けるユカに翻弄される男たち。コッケイである。男ってダメね!
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元スチールカメラマンの斎藤耕一と、新鋭だった倉本聰が、脚本を担当している。
中平康、斎藤耕一、倉本聰・・・今思えば豪華なメンバーが集いクリエイトした「時代を切り取った映画」、それがこの映画である。
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1964年という時代を知りたい人におススメする。きっと、その時代の空気がわかる。
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【蛇足】変な話ですけど、中平康監督って、田宮二郎に似ているね。
おそまつ。
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「おそまつ」ついでに。1964年って、東京オリンピックが開催された年。今年、強行された「2020東京オリンピック」。えらい違いだね。
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