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#エッセイ
【あ】あまりにもずぼら(五十音の私)
まあ、ずぼらでしょう。という自覚がある。生活にずぼらだ。他人に迷惑をかけたくないから仕事はそれなりにきちんとやる。基本的に時間や約束は守るし、お金も借りない。ずぼらな人間は面倒なことが苦手だ。他人に迷惑をかけて人間関係がこじれるといろいろと面倒になる。
ずぼらを露呈、というか解放するのは家の中だ。翌日が休みで人と会う予定がないならシャワーは浴びない。ごみ袋は一見ぱんぱんでも限界までねじり込む。ほ
【い】いりえ(五十音の私)
はじめこのエッセイについて考えたとき【い】いくらが食べ放題と書いた(詳しくは上記noteの後半参照)ものの、3行くらいで説明できる内容だし、それよりも書かなきゃいけないことがあるわ、と気がついて表題の通りに変えた。
一応いくら食べ放題についても書いておくと、実家が北海道で、いくらはシーズンになるとおすそ分けなどでよくいただいていたので残量を気にすることなく好きなだけ食べられた、というただそれだけ
【う】馬がいる町(五十音の私)
馬がいる町で育った。休みの日、父が運転する車に乗って少し遠くの市まで遊びに行くときには決まって窓の外を眺めた。大きな牧場がいくつもあり、茶色や白、大きいのから仔馬まで、何頭もの馬が現れては景色とともに後ろへ流れていく。私の地元はサラブレッドの名産地なのだ。
夏は緑の芝生の上を、冬は真っ白な雪の上を、ときにのびのびと駆け、ときに静かに歩いているその姿。
幼いころは乗馬体験やホーストレッキングもよ
【え】演劇と吹奏楽(五十音の私)
中学、高校と吹奏楽部だった。中学ではトロンボーン、高校ではホルンを担当した。楽器の良い点は、練習の成果が分かりやすいことだ。
はじめはかたいばかりだった音が、吹き込みを続けるうちにだんだんと丸く、やわらかく、のびやかになってくる。自分の出す音が気に入っていた。
合奏も好きだった。楽譜に沿って演奏するのはリズムゲームのような面白さがあったし、たくさんの楽器の音が混じり合って一つの音楽を成すことに
【お】弟へのダルセーニョ(五十音の私)
電車通勤中、大きく鼻をすすりながら隣に座ってくる男性がいた。ティッシュを持ち合わせていないようで、しきりに手の甲で鼻をぬぐい、つらさをやりすごすように上半身を丸めてうずくまり目をつぶっている。
似ているところは一つもないのに弟を思い出した。年下に見えたからだろうか。しかし年下っぽい男性に反応していつも弟を思い出すわけではない。鼻をすする姿? 確かに弟も鼻炎持ちだが、几帳面な性格なので常にティッシ