「叱れる」リーダーですか?成果を出す組織にするためのリーダーの言葉_Ver.3
これまで「叱る」について、2回に分けてご紹介してきました。
「叱ること」の方法を学び、実践しても、どうも「叱ること」がゴールになっていると、相手への伝わり方も変わってきます。今回は、このゴールのすり替えがなぜ起こるのかを考え、そして、その対策についてもご紹介します。
◆「叱る」ことがゴールになっていた
管理職の方にとって、部下のマネジメントは一番の悩みの種ではないでしょうか?
私は初めて部下を持った時、なかなか成果を出せず苦労した時期がありました。この時の自分は、部下の悪いところばかりに目がいっていました。
部下を叱ることがゴールになっていたのです。
今思い返すと、「部下が悪いから叱らなきゃいけない」という思考から来ていたように思います。
しかし、このような関わり方では、部下は自ら考えて行動する人財にはなりません。部下は上司の指示や命令に従って動くだけで、自分の意見や提案を出さなくなります。部下のモチベーションも低下し、成果も出なくなります。
◆人が行動を起こすきっかけは?
私はコーチングを学んでから、私は部下の関わり方を大きく変えました。
特に大事したポイントは次の2つです。
そして、私は、部下の良い行動に注目し、すぐに声かけをするようにしました。部下の悪い行動に対しては、叱るのではなく、問題の本質や解決策を一緒に考えるようにしました。さらに、部下の意見や提案を聞き、フィードバックをするようにしました。
その結果、部下は自信を持って積極的に行動するようになりました。
部下の成果も上がり、新商品開発が進み、部署全体の貢献から、工場の稼働率が上がり売上も向上しました。更に、部下との関係性も良好になり、部下からの信頼も得られました。
◆部下のいい面と悪い面を書き出す
私が当時実践した方法の一つに、部下の良い面と悪い面を書き出すというワークがあります。これは、部下の行動を客観的に観察し、部下の自己肯定感を高めることにつながるワークです。
やり方は、次の4ステップです。
このワークをすることで、部下の良い行動に注目する癖がつきます。部下の良い行動に注目することで、部下は自分の価値を認められていると感じます。部下が自分の価値を認められていると感じることで、部下は自ら考えて行動する気持ちが育ちます。
このワークは、私がコーチングのセッションでお伝えするほんの一部になりますが、ぜひ実践していただき、どんな変化が起こったのか感想をシェアいただけると嬉しいです。
私たち日本人は小さい頃から問題指摘型の教育を受けてきた背景から、日ごろから問題点を見る視点になっています。しかし、悪い行動に注目していても、悪い行動は減りません。それどころか、どんどん怒りや焦りなど”負の感情”が生まれてしまいます。
この状態で、部下と向き合ったところで、はたしていい関係性は築けるでしょうか?
「悪い行動」を基準に行動をする部下と、「良い行動」を基準に行動する部下と、どちらが自ら考えて行動する人財になるでしょうか?
成果を上げるためには、まずはこの人間関係の土台をしっかりとしたものに固め、構築したうえで、その上に人財育成や生産性向上、目標達成といった建物がつくられていくのではないでしょうか。
最後までお読みくださりありがとうございます。