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30分で小説書いてみた

今月からコーチングセッション(受ける方)を再開しました。

コーチから「小説を書いてみたら?」という宿題というか提案をしていただきました。
面白い試みだと思ったので、制限時間30分ほどで小説を書いてみました。

「見逃してしまいそうだけど誰もが共感できる日常の一瞬」を切り取ることをテーマにしてみました。
お時間あるときに目を通してもらえると幸いです。読んでいただいた方はぜひ感想いただけると嬉しいです。

本編

-----ここから本編。一瞬で終わります-----

透はコーヒーを買いに15階のセブンイレブンにやってきた。

昼休みの時間でもないのにスイーツコーナーに群がるOLを横目にコーヒーを手に取りレジの列に並んだ。

バーコード決済をするためにスマホを差し出す。
店員はこちらを見向きもせず、バーコードリーダーをスマホの画面に衝突させた。

カンと乾いた音がした。
いちいちクレームをつけるほどでもないが、最大瞬間風速的にいらっとした感情がよぎる。

店員の全く感情のこもっていない「あざした〜」という挨拶を意図的に無視することでちょっと仕返しした気分になっている自分に気づいて一層嫌な気持ちになった。

心のモヤモヤとともにオフィスのエレベーターに乗り込む。

「あんなに勢いよくスマホの画面にぶつけたら画面が傷つくだろうに、そんなことも配慮ができないのか」とついさっきの出来事を思い出してまた嫌な気持ちになる。

「何階ですか?」

20代後半くらいのショートカットで色白のOLがニコニコしながらこちらを見ている。
どこの企業の人かはわからないが、キラキラした笑顔がとても可愛らしい。

「20階です」
「はーい」
「ありがとうございます」

さっきまでのイライラがすーっと消えてなくなっていく感じがした。

笑顔で話しかけることの偉大さを実感した。

透はふとさっきのセブンイレブンの店員のことを思い出した。

ひょっとしたらさっきのセブンイレブンの店員も実は心のなかで
「あー…スマホの画面にバーコードリーダーをぶつけてしまった…」
と反省しているかもしれない。

悪気はなく、慌ててやった結果勢い余って画面にあたってしまっただけかもしれない。

長時間勤務でちょっとイライラしていたのかもしれない。

見知らぬ誰かに対して腹が立つことがあっても、その人も自分と同じ一人の人間で、自分と同じように毎日を生きている。

そうやって相手の日常生活に思いを馳せることができれば、相手のミスも失礼な振る舞いも寛大な心を持って赦せる気がする。

みんなが周りに対してもっと優しくなれれば、もっと過ごしやすい世界になるのにな。

そんな優しい世界を創るために自分には何ができるだろう。

そんなことを考えながら透はコーヒーを一気に飲み干した。

-----本編ここまで。一瞬で終わったでしょ-----

言葉の細かいニュアンスを吟味するのが楽しい

まずは自分の拙い小説に目を通してくださった皆さんありがとうございました!

小説を書いてみて一番の発見は、細かい表現の違いを吟味しているとき、その言葉のニュアンスの違いに気づいたときに自分がとてもワクワクしていることでした。

今回だと、最後の文を以下の2つでどちらがいいかを吟味しました。

①「コーヒーを一気に飲み干した」
②「コーヒーを一気飲みした」

読後に読者の頭にどんなイメージが浮かばせたいかを基準に考えました。

自分的にはそれぞれ

①飲み干した後の空の容器
②ゴクゴク飲んでる様子

がイメージとして浮かびました。

「次に進む感じ」を演出したかったので、空の容器がパッと思い浮かべばいいなと思い、最終的に①を選択しました。

この一連の吟味をしている最中や最終的に①を選んだときにとてもワクワクする感情がありました。

書くこと、伝えることって楽しいなと改めて思えました。

最後まで読んでくれてありがとうございました!

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