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すっとこどっこい丸
2021年4月6日 00:08
小学4年生のある朝のホームルーム。担任の若い男の先生が、目を腫らして入ってきた。普段の爽やかに笑う姿を知っている僕らは、その異様な光景に怯み、言葉を失った。隣のクラスから微かに聞こえる笑い声が急に訪れた静寂を引き立たせた。「みなさん、席について下さい」先生はそう呼びかけた。弱く震える声だったが、その声を遮るものは無かった。誰も何も言わず、席につく。クラスのお調子者だって、涙の理由を聞け