お前 気に入らない!【短編】
みんなのギャラリーから生まれた物語。
ラマは、お尻にぶつかってきたものを睨んだ。
「いてーじゃねーか、お前!」
「何だと!お前がぼーっと突っ立てたから、ぶつかるんだろ!」
ぶつかったラマは、ぼーっと突っ立ってたラマを、睨み返した。
「お前がぶつかってきたんだろ」
突っ立ってたラマは言った。
「お前が突っ立ってたんだろ」
ぶつかってきたラマが言った。
「何だあ、こいつ、馬みたいなツラしやがって!」
突っ立てたラマは、ぶつかってきたラマの顔をまじまじを見ながら言った。
「よく言うぜ、お前なんか、まつげが長くて、うちわみたいじゃねーか」
ぶつかってきたラマも、突っ立ってたラマの、きれいにそり上がったまつげを見て言った。
「お前、ハナがひくひく動いていて気持ち悪いぞ」
と、突っ立ってたラマ。
「お前は、小さい耳がぴくぴく動いていて気持ち悪いぞ」
と、ぶつかってきたラマ。
「毛が、くるくるうずまいて絡まってるぞ。クシで、といてこいよ」
「ふんだ、お前は、おなかすいてるのかよ。よだれを何とかしやがれ」
「お前こそ、もしゃもしゃ口を動かして、ちょっとは落ち着け」
「そう言うお前も、止まらねーじゃねーか」
「この綿菓子野郎ーー」
「もくもくヤロー」
「チューインガムヤロー」
「はなぴくヤロー」
「ひつじもどきヤロー」
「らくだもどきヤロー」
「こいつ、みっともないくせに、たてつくとは、許せねー」
「こいつ、不細工のくせに、たてつくとは、許せねー」
ぶつかったラマと突っ立ってたラマ。
互いにののしり合った。
そこに、、、
「お母さん、あそこに双子のラマがいるよー」
「あら、ほんとね。そっくりね。兄弟かしら」
自分も相手もそんなに変わらないのかもしれません。
おひまならこちらもどうぞ。